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日本認知・行動療法学会発行「認知行動療法研究」に当社社員の論文が掲載

2021年10月27日

このたび、日本認知・行動療法学会が発行した「認知行動療法研究」に当社の社員が執筆した論文が掲載されました。

詳細は以下の通りです。

■学会名:一般社団法人 日本認知・行動療法学会
■雑誌名:認知行動療法研究
■論文タイトル:アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づく管理職向けプログラムの予備的前後比較試験
■論文内容:以下参照

<要点>
・アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)*に基づいて、管理職がよりいきいきと働き、組織のパフォーマンスを高めるためのプログラムを開発し、その効果の検討を目的とした。
・管理職58名に対して、1 回90分の全3セッションから構成される集団プログラムを実施し、組織単位の変化、個人の変化を分析した。
・その結果、管理職個人の心理的柔軟性**は改善の可能性を示したが、組織のパフォーマンス向上には繋がらなかった。一方、組織の周囲のサポート、個人のリーダーシップは増加していた。理由として組織のパフォーマンスは個人のメンタルヘルスと比べて顕在化するまでにより時間を要することがあげられる。
・対照群をおいていないため、精緻な研究デザインによる検討が必要である。

<ポイント>
・臨床試験登録、データ、解析コード、介入プログラム構成の共有というオープンサイエンスへの取り組みによって再現可能性を高め、科学研究の質の向上に寄与したこと

* 「いま、この瞬間」自分の中にある思考や感情を受け入れながら(アクセプタンス)、自分自身が大切にしたいことに向かって行動パターンを作り上げる(コミットメント)ためのトレーニング
** 自分の思考や感情を客観的に見るために心のスペースを広げ、自分の大切にしたいことを目指す行動をとる能力

■著者プロフィール
戸澤杏奈
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 調査研究部 兼 組織ソリューション部(臨床心理士)
2016年に立教大学大学院現代心理学研究科臨床心理学専攻修了(修士 [臨床心理学] ;立教大学)。新卒で当社に入社。主に、商品開発、商品改良、ソリューション提案のための企業のデータ解析を担当しているほか、アクセプタンス&コミットメント・セラピーに関する研究を行う。著書に「認知行動療法事典」(分担執筆、丸善出版、2019)がある。

土屋政雄
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 調査研究部 主任研究員
2009年に岡山大学大学院医歯薬学総合研究科社会環境生命科学専攻修了(博士 [医学] ;岡山大学)。独立行政法人労働安全衛生総合研究所研究員を経て、2017年より当社に入社。産業保健心理学を専門としてACT Japan:The Japanese Association for Contextual Behavioral Science 理事(2018年4月 – 2021年3月)やマインドフルネスやアクセプタンス&コミットメント・セラピーの専門家として講演等を行う。訳書に「マインドフルにいきいき働くためのトレーニングマニュアル 職場のためのACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」 (共訳・共監訳、星和書店、2015)、展望論文に「産業・労働分野への認知行動療法の適用と課題」(共著、認知行動療法研究、2020)などがある。

土井卓人
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 調査研究部
2020年に慶應義塾大学経済学部経済学科を修了(学士[経済学];慶應義塾大学)。新卒で当社に入社。主に、商品開発、商品改良、ソリューション提案のための企業のデータ解析を担当しているほか、職域コホート研究に関するデータ処理などを行う。

木浦佑輝
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 人事部 兼 健康管理室 課長
2010年に立教大学を修了。2014年より当社に入社。採用、人事制度、人材育成などの人事業務全般のほか、従業員の健康と活力向上のための健康経営の推進を担当。健康経営優良法人(ホワイト500)4年連続認定を受ける。