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ニュースリリース/お知らせ
日本認知・行動療法学会発行「認知行動療法研究」に当社社員の論文が掲載されました
立教大学と実施した「ACT・心理的柔軟性」に関する研究論文が日本認知・行動療法学会発行「認知行動療法研究」に掲載
2023年03月03日
このたび、日本認知・行動療法学会が発行する「認知行動療法研究」誌に、当社の調査研究部に所属する戸澤および土屋が共同執筆した論文が掲載されました。当該論文は、2017年秋より立教大学の松永教授とともに進めてきた共同研究(*)をまとめた論文です。
*プレスリリース(2019.8.7) 立教大学と実施した「ACT」に関する共同研究成果を発表
詳細は以下の通りです。
■学会名:一般社団法人 日本認知・行動療法学会
■雑誌名:認知行動療法研究
■論文タイトル:日本語版 Work-related Acceptance and Action Questionnaire(WAAQ)の作成と信頼性・妥当性の検討
■論文内容:以下参照
<要点>
・本研究の目的は、仕事における心理的柔軟性(**)を測定する尺度である日本語版 Work-related Acceptance and Action Questionnaire(WAAQ)を作成し、その信頼性と妥当性を検討することであった。
・その結果、さらなる検証は必要であるものの、日本語版WAAQは仕事における心理的柔軟性の程度を測定する有用な指標になりえることが示唆された。また、算出した属性別データをベンチマークとし、介入の対象を選定することも可能であると考えられる。
・日本語版WAAQは仕事のパフォーマンスとの間に中程度の正の相関が見られた。
<ポイント>
・患者報告式アウトカム尺度(Patient-Reported Outcome Measure: PROM)の測定特性を評価する規格であるCOnsensus-based Standards for the selection of health Measurement INstruments(COSMIN: Mokkink et al., 2018; Prinsen et al., 2018)を参照して信頼性・妥当性を検討したこと
・解析コードの共有というオープンサイエンスへの取り組みによって再現可能性を高め、科学研究の質の向上に寄与したこと
これらの成果は、当社が提供する商品への応用、セルフケアや生活習慣改善などのソリューション開発などに反映させてまいります。当社は今後も関係学会や各種イベントに参加することで、研究領域においても社会貢献性の高い取り組みを推進いたします。
■著者プロフィール
戸澤杏奈
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 調査研究部 兼 組織ソリューション部(臨床心理士)
2016年に立教大学大学院現代心理学研究科臨床心理学専攻修了(修士 [臨床心理学] ;立教大学)。新卒で当社に入社。主に、商品開発、商品改良、ソリューション提案のための企業のデータ解析を担当しているほか、アクセプタンス&コミットメント・セラピーに関する研究を行う。筆頭論文に「アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づく管理職向けプログラムの予備的前後比較試験」(共著、認知行動療法研究、2021)、著書に「認知行動療法事典」(分担執筆、丸善出版、2019)がある。
土屋政雄
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント 調査研究部 上級研究員
2009年に岡山大学大学院医歯薬学総合研究科社会環境生命科学専攻修了(博士 [医学] ;岡山大学)。独立行政法人労働安全衛生総合研究所研究員を経て、2017年より当社に入社。産業保健心理学を専門としてACT Japan:The Japanese Association for Contextual Behavioral Science 理事(2018年4月 – 2021年3月)やマインドフルネスやアクセプタンス&コミットメント・セラピーの専門家として講演等を行う。訳書に「マインドフルにいきいき働くためのトレーニングマニュアル 職場のためのACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」(共訳・共監訳、星和書店、2015)、展望論文に「産業・労働分野への認知行動療法の適用と課題」(共著、認知行動療法研究、2020)などがある。
松永美希
立教大学現代心理学部心理学科 教授
2010年に広島大学医学研究科創生医科学専攻修了(博士 [医学] ;広島大学)。2008年に比治山大学専任講師、2013年に立教大学現代心理学部心理学科准教授、2020年より教授。臨床心理学を専門として、うつ病や不安症の認知行動療法に関する研究活動と、公認心理師、臨床心理士として臨床活動をおこなっている。産業分野ではリワーク施設における復職支援活動に力を入れている。日本認知・行動療法学会理事・代議員。著者に「もう一歩上を目指す人のための集団認知行動療法治療者マニュアル」(共著、金剛出版、2021年)、「改訂版 認知行動療法(分担執筆、放送大学教育振興会、2020年)など。論文として、「産業・労働分野への認知行動療法の適用と課題(土屋との共著、認知行動療法研究、2020年)、「新任教師のリアリティ・ショック要因尺度の作成」(筆頭・共著、認知行動療法研究、2017年)などがある。
注)
* 本論文は研究1、研究2から構成されており、本共同研究による成果は研究2に該当する。研究1は、第一著者が立教大学大学院現代心理学研究科臨床心理学専攻に提出した平成27年度修士論文の一部を再分析したものであり、中山真里子准教授(東北大学国際文化研究科)、熊野宏昭教授(早稲田大学人間科学学術院)との共著である。
** 今、この瞬間に意識を向け、思考や感情にとらわれることなく、自分自身が大切にしたいことに向かって取り組む力