会社を辞めそうな人の特徴5つ|前兆や取るべき対応方法を紹介

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

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会社にとって損失となる人材の流出はなるべく避けたいものです。会社を辞めそうな人は、職場への不満や悩みを抱えながら仕事をすることで、以前よりミスが増える・勤務態度が悪くなるなどの兆候が見られます。辞めそうな人の特徴を紹介するとともに、対処法や離職を防ぐために管理職や企業ができることを解説します。

会社を辞めそうな人の5つの特徴

会社から去る男性

会社を辞めそうな人は仕事への意欲が低下したことにより、これまでの勤務態度にも変化が見られます。注視したい特徴を5つ紹介します。

1.自分から挨拶をしなくなった

これまではしっかり挨拶をしていたのに、急に自分から挨拶をしなくなる場合は注意が必要です。コミュニケーションの基本である挨拶をしないのは、何か不満や悩みを抱えている可能性が高いと言えます。また既に辞めることを決意し、人間関係を良好に保つ必要がないと考えている場合もあるかもしれません。

挨拶は始業時や退社時、業務中など、一日の中でかわす機会がたくさんあるので、変化に気づきやすいポイントです。

2.仕事の愚痴をこぼすようになった

現在の環境や会社での扱いに不満を抱いていると、愚痴ばかりこぼすようになります。解決したいという思いが残っている場合もあるため、早期に不満を対処できれば会社に残るケースもあるでしょう。

一方で会社への愚痴が多かった人が急に愚痴を言わなくなった場合、不満が解消されたことも考えられますが、退職を心に決めたなど、会社に対して特に期待しなくなったという可能性もあります。

3.仕事に対して積極性がなくなった

仕事に対するやる気を急に失ったように見える場合も、会社を辞めそうな人の特徴の1つとして挙げられます。業務に積極性がなくなった、会議で発言しなくなった、集中力が低下してミスが増えたなどの様子が見られたら、会社に関心がなくなっている可能性があるでしょう。

既に次の会社への興味が高まっている場合、「どうせ辞めるから」と上司や同僚への対応が疎かになり、評価を気にしなくなります。

4.勤怠状況や勤務態度が変化した

遅刻や早退、欠勤が急に増えた、あるいはこれまでは必要に応じて残業をしていたのに急に残業をしなくなったといった場合、仕事への意欲が低下していることが懸念されます。「仕事に影響が出ても自分にはもう関係がない」「今のうちに有給を消化しておきたい」と考えているのかもしれません。

あわせて服装や髪型をきっちり整えてくる日が増えた、勤務中に業務外の電話をよくしているなどの様子が見られたら、転職活動を開始しているケースも。さらに業務中に頻繁に離席する、急に在宅勤務が増えるなどの場合も、何かしら心の変化が起こっている可能性が考えられます。

5.職場での付き合いを避けるようになった

これまでは積極的に社内のコミュニケーションを取っていたにもかかわらず、会話が減り1人でいることが増えた、仕事後の飲み会などに参加しなくなったという変化が現れたら、会社から気持ちが離れているサインかもしれません。

退職を悟られたくない、引き止められたくないという思いが働いている場合や、職場での人間関係に悩みを抱えていて、距離を置いているという可能性があります。

ワンポイント
人の態度や様子の変化は、何らかのサインかもしれません。変化を見逃さず、しっかりキャッチしていきましょう。

会社を辞めそうな人が抱えている悩み

ブランコで佇むサラリーマン

厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」によると、転職者が前職を辞めた理由として、主に人間関係・仕事内容・待遇に不満がある、合っていなかった事などがあげられています。会社を辞めたいと考える理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

参考:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況(令和3年8月公表)」

職場の人間関係にストレスがある

会社を辞めたくなる理由として多いのが、職場の人間関係でストレスを感じていることです。例えば、合わない同僚や上司がいる、パワハラがあるなどが該当します。

仕事のスキルはあるのに上司のさじ加減で正当な評価が得られないといった場合も、自分の能力が活かせず労働意欲が下がる原因になり得ます。この場合、特に優秀な従業員が辞めてしまいかねません。

仕事内容が合っていない/やりがいを感じられない

仕事内容に興味が湧かない、ノルマや残業が多くて負担を感じている、など仕事の内容や量が合っていないのも辞めたくなる原因の1つです。

反対に毎日単調な作業ばかりでやりがいがない、高みを目指したいのに新たな挑戦ができないといった状況も不満を抱かせてしまいます。やる気のある従業員がスキルアップを目指して、転職を考え始める原因につながってしまうかもしれません。

会社の待遇に不満がある

給料や福利厚生が見合っていないと感じると、モチベーションが維持できず辞めたくなる原因になります。誰しも努力や経験を積めば、適切な対価を得たいと思うものです。仕事の内容と給料の結果が伴っていないと他の会社の待遇が気になってしまい、転職を考えてしまうでしょう。

会社を辞めそうな人への対応方法

面談を受ける女性

会社を辞めそうな人への対応としては、まずは面談で現状をヒアリングし、当人に寄り添った改善策を考えましょう。離職を防ぐための対処法を紹介します。

面談を行い不満や悩みをヒアリングする

辞めそうな兆候がある従業員には、早めの段階で面談をして気持ちを確認するのが大事です。定期的に行っている1on1面談の際に聞き出してみたり、カジュアルなランチ面談を設けたりすると話しやすくなります。

仕事に対してどのように向き合っているのか、現在職場で不満や悩みはないかをヒアリングします。この時、従業員が言いたくないことまで根掘り葉掘り質問したり、不要なアドバイスをしたりすると逆効果になるので控えましょう。

ポイントは、本人の気持ちを尊重して受け止める姿勢を見せることです。面談で気持ちを吐き出したことにより、退職について冷静に考え直してくれる可能性もあります。

ワンポイント
「ここにいても自分は成長できない」「やりたい仕事ができない」という諦めから会社を辞めようとするケースは少なくありません。しかし、会社や仕事のことを詳しく知ることで新たな価値や可能性に気づき、「まだ頑張れる」と前向きに考え直せることもあります。
まずは、目標を阻害するものや自分を苦しくさせていることが何なのかを明確にし、すぐに取り除けるのか、または段階的に取り除けるのか、そもそも回避できる方法があるかなど、多面的に対処方法を一緒に考えることで、エンゲージメント向上や離職防止につながります。

配置や待遇を見直す

面談の結果、仕事内容や部署内の人間関係に悩んでいるのであれば、他部署への転属も視野にいれて人事を見直します。待遇に不満を抱いているのであれば、当人のこれまでの成果やスキルを分析し、必要があれば待遇改善を約束しましょう。

評価は上司だけではなく同僚や後輩など、多角的な視点からの意見を取り入れる「360度評価」を取り入れると、従業員の納得感が得られやすくなります。総合的に優秀だと判断できる人はリーダーに抜擢するなど、裁量権を与えるとより業績に貢献してくれるかもしれません。

なお個人の待遇だけではなく、会社で改善が必要だと思われる内容は、会社全体で見直していくことが大切です。

心身に不調がある場合、回復を最優先する

業務の負担などが原因で心身ともに疲弊している状態であれば、回復に努めてもらうのが最優先です。職場環境や人間関係でメンタル不調に陥っている場合は、産業医や社内カウンセラー、外部専門機関とも連携してベストな対処を探ります。

例えば長時間の残業など、労働環境に問題が見られるなら是正が必要です。他の従業員も同じ不満を抱いている可能性があるので、働きやすい職場を目指して会社全体で取り組みましょう。

もし辞めたいと言われた場合の対応方法

退職届を出す社員

もし辞めたいと言われた場合には、議論はせずに傾聴することを心がけます。まずは相手の気持ちに寄り添い共感することが大切です。

なかには、辞める本当の理由を言わない従業員もいます。自身のキャリアプランなども開示しながら従業員の要望や、なりたい像について聞くと、さりげなく本音が隠れているかもしれません。キャリアプランや待遇に不安・不満がある場合、協力して解消できることがあれば力になる旨を伝えましょう。ただし、その場しのぎの返答はしてはいけません。

辞めそうな人を見逃さない!企業側ができる対策

離職者を減らすには、日頃から従業員としっかりコミュニケーションをとりつつ、サーベイツールを活用して現状を把握するのがおすすめです。優秀な人材の流出を防ぐために行いたい会社の対策を紹介します。

密なコミュニケーションで変化を注視する

人事よりも近くにいる管理職や上司が、普段から従業員と積極的なコミュニケーションを取り変化を注視することで、早期対処が可能です。

【管理職/上司の立場なら】
日頃から定期的な1on1面談の時間を設け、従業員の不満や不安を傾聴します。組織にとって重要な「心理的安全性」を高めるコミュニケーションを取ることも大切です。

【人事の立場なら】
管理職に対しマネジメント研修などを通じてコミュニケーションの重要性を理解してもらい、かつそのために必要なスキルを獲得してもらうよう働きかけましょう。勤怠データや組織調査の結果を踏まえ、必要に応じて面談を行い、従業員からの相談がある際にその内容に耳を傾ける姿勢を見せます。

コミュニケーションの好ましい取り方は、人によって異なるため、従業員の性格などを考慮し適切な距離感で接することが必要です。

ストレスチェックや可視化ツールを活用して組織の状態を把握する

組織や従業員の状態を把握するため、ストレスチェックやパルスサーベイ、エンゲージメントサーベイなどを実施し活用するのも1つの方法です。

離職防止に役立つサーベイツールは、組織が抱える課題を可視化することで早期対処につながります。面談では本心を聞き出せないこともありますが、ツールを活用すると従業員が自分自身と向き合う機会となり、正確な調査結果が得られやすくなります。サーベイは定期的に行い、得られた結果をもとに改善策を考え実施していくことが大切です。

アドバンテッジリスクマネジメントでは、組織改善につながる可視化ツールを各種取り扱っています。

アドバンテッジタフネス

アドバンテッジリスクマネジメントでは、ストレスチェックやエンゲージメントサーベイから始める組織改善ワンストップサービス「アドバンテッジ タフネス」を提供しています。

アドバンテッジpdca

また、組織課題を見える化し改善を促進するパルスサーベイ「アドバンテッジ pdCa(ピディカ)」も提供しています。

ウェルビーイングDXP

ストレスチェックやパルスサーベイの結果や、勤怠状況等をデータベース化し一元管理・分析ができるサービス「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」も。

従業員の離職を防ぐためにできるリテンション施策について、以下の記事でも詳しく解説しています。

会社を辞めそうな人の特徴を知り、離職防止につなげよう

笑顔で働く女性

会社を辞めそうな人には、仕事への積極性がなくなる、ミスが増えるなどの特徴があります。その原因は、職場の人間関係であったり仕事への不満であったりそれぞれです。従業員の離職は会社の損失にもつながるため、面談などで当人の不満を聞き出し適切な改善を行いましょう。また離職を考える人を増やさないために、日頃からできる対策も意識してみてください。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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