仕事のやる気が出ない原因と対処法6つ。メンタル不調の場合も

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「仕事のやる気が出ない」「どうしてもモチベーションが上がらない」といった経験は、どなたにでもあるのではないでしょうか。やる気が出ないとミスが続いたり、思うような成果が出せなかったりと、自己肯定感の低下につながってしまう可能性があります。また、心身の不調から「やる気が出ない状態」に陥っている場合もあるでしょう。今回は、仕事のやる気が出ない原因と対処法について解説します。

仕事のやる気が出ない原因とは?

顔を手で覆って落ち込んだ様子のメガネをかけた女性

「仕事のやる気が出ず思うように業務が進まない」というのは、程度や頻度に差はあれど、働く人なら誰しもが経験したことがあるでしょう。やる気に満ちあふれている人と比較して、つらい気持ちになることもあるかもしれませんが、過剰に自分を責める必要はありません。その日の体調や気持ちによって、仕事へのモチベーションが上下するのは自然なことです。まずは、仕事のやる気が出ない原因を探り、状況を改善するヒントを見つけてみましょう。

心身が疲れている

肉体的・精神的な疲れが溜まっていると、やる気を出しづらくなります。残業や休日出勤などで十分な休息がとれていない、睡眠不足が続いているような状態では、思考がまとまりにくくモチベーションも低下してしまいます。

また、ノルマに追われている、仕事上の人間関係に問題があるなどといったプレッシャー・ストレスが睡眠や食事に影響をもたらすこともあります。考えごとをしてしまいなかなか寝付けない、食事ものどを通らない、あるいは口寂しくて食べすぎてしまう、といったことも起こりうるでしょう。

心身の不調がネガティブに影響しあうと、さらに調子が悪化し、消耗していくループに陥る可能性もあります。このような状況が長期間続くと、ある日突然、糸が切れたようにやる気が出なくなってしまうこともあるでしょう。

仕事にやりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられない状態でも、やる気を失いやすくなります。仕事に慣れたことで新鮮さがなくなり飽きてしまった、毎日同じ繰り返しでマンネリ化している、目標が高すぎて自信を持てない、同僚や上司との関係性が良くない、ミスを強く責められたなどの理由で、仕事への意欲が低下することが原因です。このような場合、一時的ではなく、やる気が出ない状態が長期間続く可能性があります。

努力が評価や報酬に反映されない

正当に評価をされていないと感じると、働く意味を見失い、やる気が低下してしまうことがあります。例えば、頑張っているはずなのに評価が低い、成果に対して報酬が見合わない、といったケースです。

会社や上司に認めてもらえないなら頑張る意味がない、自分はこの会社で役に立っていないと感じて、自信を失ってしまいます。

プライベートで悩みを抱えている

プライベートが充実している、安定した暮らしができていると、それを維持するために仕事も頑張ろうと思えるでしょう。しかし、家族・恋人・友人との関係、自分の健康問題など、プライベートに悩みがあると、やる気が下がってしまいます。モチベーションが高い人でも、思いがけないトラブルなどによって急にやる気を失う場合もあります。

仕事のやる気が出ない時の対処法

ベッドに腰掛け伸びをする女性

仕事のやる気が出ないと、仕事が停滞したりミスが続いたりして精神的に消耗し、悪循環に陥ってしまいます。さまざまな対処法の中から、自分に合ったものを試していきましょう。やる気が出ない原因を踏まえて、なるべく早めに対処することが大切です。

生活習慣を見直す

まずは生活習慣を見直しましょう。生活が乱れていると、思考力も低下しがちです。忙しいからと食事を抜いたり、同じものばかりを食べたりせず、栄養バランスを意識した食事を心がけます。

また、夜更かしでストレスを解消するのではなく、きちんと睡眠をとることも大切です。運動も、すっきりと前向きな気持ちになる、適度な疲労で心地よく眠れるなどの効果が期待できます。

周囲の人に相談する

ひとりで抱え込まず、周囲の信頼できる人に相談してみると、解決への道筋が見えてくることもあります。家族や友人へ、悩みや不安を正直に伝えるだけでも、気持ちが楽になったり、解決策を提示してもらえたりするでしょう。

仕事のサポートが必要な場合や、評価に納得がいかない時は、思い切って上司に相談しましょう。誰に相談したらいいかわからない場合や、原因が身近な人にあって相談できないといった場合は、外部のカウンセリングサービスを利用してみてもよいかもしれません。勤務先が従業員ケアの一環としてカウンセリングサービスを契約しているケースもあります。匿名で相談でき、プライバシーが守られるので、安心して利用できます。

セルフモニタリングで自分の状態を正しく知る

セルフモニタリングとは、自分の心身の状態を継続的かつ注意深く観察し、客観的に分析して、ストレスの原因やストレス反応を明確にするものです。やる気が出ない原因を俯瞰的に捉えることで、気持ちの整理にもつながります。

具体的な「セルフモニタリング」の実践方法は以下の記事で紹介しています。

原因を書き出し「ストレス」への対処をする

ストレスへの対処法の一つに「ストレスコーピング」があります。ストレスコーピングとは、自身のストレスを理解した上で、上手に対処しようとするセルフケアのことです。主なアプローチ方法は5種類あり、ストレスの内容に応じて実践する必要があります。
ストレスコーピングを行うときは、ストレッサーとして考えられるものをリストなどに書き出します。
(※ストレッサー=ストレス反応を起こす外部環境からの刺激です。物理的ストレッサー(騒音等)や心理的社会的ストレッサー(葛藤等)など、大きく4つに分類されます。)
そして、主体的に解決しようという意識、または対処しているという自覚を得ながら、自分に合ったコーピングを選び取ることが大切です。

具体的なストレスコーピングの方法は、以下の記事で紹介しています。

プライベートを充実させる

海岸でヨガをする白いスポーツウェアの女性

やる気が出ないことを気にして休日も仕事をしたり、仕事のことを考えていたりすると、心身ともに休まりません。仕事とプライベートを切り分け、心身のコンディションを整えられるようなことをやってみましょう。「プライベートを楽しむために、仕事も頑張ろう」と思うことで、仕事に対してポジティブな気持ちで向き合えます。

<例>

  • ゆっくり寝て体力を回復する
  • だらだらと過ごす
  • 趣味に打ち込む
  • 買い物や旅行に行く
  • スポーツやサウナ、ヨガなどをする

上司や人事に配属の相談をする

「ここにいても自分は成長できない」「やりたい仕事ができない」などの悩みがある場合は、思い切って上司や人事との面談の場を設けてもらいましょう。理想とするキャリア設計や労働環境について希望を伝え、それに沿った部署へ異動の意向を伝えるのも手です。
自分のやる気をなくしている原因が何なのか、その原因はすぐに取り除けるのか、それとも段階を踏む必要があるのかなど、多面的に他者と話し合うことで、自分では気付かなかった新たな可能性が見つかることもあります。

メンタルの不調が隠れている場合も

診察する医師と患者の手元

メンタル面の不調が原因となって「仕事のやる気が出ない」「意欲が低下している」といった気持ちが表れていることがあります。ただやる気がないだけ、と放置していると、症状が悪化してしまう場合もあり、注意が必要です。さまざまな対処法を試してもやる気が持ち直さず、仕事や生活に影響が出る場合は、メンタル面の不調が隠れている可能性がありますので、無理をせず医療機関を受診しましょう。

【人事の方へ】やる気の出ない従業員に気付く/対応するために

タブレット端末でサーベイに回答する男性の手元

仕事へのやる気が出ない従業員のアラートにいち早く気付き対応するために、人事としてできる施策を紹介します。

■管理職による1on1を促し、従業員の変化を注視する
1on1とは、上司と部下が1対1で行う個人面談です。従来の面談と異なるのは、上司が一方的に指導するのではなく、現在の悩みや課題、目指したいキャリア像などを、部下が主体となって話す点です。1on1で従業員の不満や不安を傾聴し、業務状況や心身状態を管理職に把握させましょう。組織に重要な「心理的安全性」を高めるためのコミュニケーションを取ることも大切です。

■各種サーベイの実施
組織や従業員の状態を把握するために、ストレスチェックやエンゲージメントサーベイ、パルスサーベイなどを実施するのも一つの方法です。面談では本音を聞き出しづらいかもしれませんが、各種サーベイは従業員が自分自身と向き合う機会となりますので、正確な調査結果が得られやすくなります。

ウェルビーイングDXP

当社アドバンテッジリスクマネジメントでは、従業員のメンタルヘルスを含めた健康状態や勤怠情報等の人事労務データを一元管理し、データ分析やその後の結果活用まで簡単に行えるプラットフォームサービスもご用意しています。詳しくはこちらをご覧ください。

セルフケアと併せて企業側のサポートも重要

表情が描かれた赤黃緑の丸いカード

仕事のやる気が出なくなってしまうことは、誰にでも起こりうるものですが、ストレスに適切に対処し、セルフケアを行うことで、やる気が持ち直す可能性があります。自分の状態を正しく知るために、セルフモニタリングを行ってみるのもよいでしょう。


また、企業側・マネジメント側からのアプローチとして、各種サーベイや1on1の実施なども有効です。従業員が自分自身の不調に気づくきっかけになるだけでなく、不調のサインを出す従業員への早期支援にも役立つでしょう。従業員が心身ともに健やかに働くためには、従業員・企業側双方によるメンタルヘルスケア対策が重要です。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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