ハイタッチする従業員達

いま注目の“心理的安全性”とは?高めるメリットや方法をわかりやすく解説

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従業員が安心して、自分の考えを主体的に発言するためには心理的安全性が高いことが必要です。職場の心理的安全性が高い・低いによって、業務のパフォーマンスや生産性が大きく変わる可能性があります。そこで、心理的安全性の概要をはじめ、高めるメリットや測り方、高める方法などを詳しく解説します。

心理的安全性とは

意見を交換し合う従業員のイラスト

心理的安全性とは、組織において自分の考えや気持ちを安心して発言・行動できる状態のことを指します。心理的安全性は本来、1999年に組織行動学の研究者エイミー・エドモンドソン教授により提唱された心理学用語です。その後、2016年に米Google社がチームや組織における心理的安全性の重要性について発表したことにより、注目されるようになりました。

心理的安全性が低い職場にある4つの不安

職場でうつむき落ち込む様子の女性

心理的安全性の低い職場で働く従業員は、以下の例に挙げるような4つの不安状態に陥る可能性があります。

①無知だと思われる不安自分の発言に対し「こんなことも知らないのか」と思われるのではないかという不安 (傾向例:自分の意見を発言できない、相談しづらい、質問できない)
②無能だと思われる不安業務で失敗してしまった時に「仕事ができない人だ」と思われるのではないかという不安 (傾向例:進捗の報連相ができない、ミスを報告しない・認めない)
③邪魔をしていると思われる不安自分の発言や提案が会議や議論の邪魔だと思われるのではないかという不安 (傾向例:自発的に意見できない、多数派の意見に同調する)
④ネガティブだと思われる不安自分の発言を、他の従業員へ向けた否定的な意見だとネガティブな意味にとらえられるのではないかという不安 (傾向例:ネガティブな内容を発言できない、組織の問題点などを指摘できない)

これら4つの不安は職場の心理的安全性を下げ、従業員の業務のパフォーマンスや生産性をダウンさせる要素になりかねません。企業は、これらの不安を引き起こさない環境づくりを意識することが大切です。

心理的安全性を高めるメリット

明るく爽やかな雰囲気の職場

心理的安全性の高さは、職場環境に大きく影響します。心理的安全性を高めると、次のようなメリットが期待できます。

従業員エンゲージメントが高まる

心理的安全性が高い職場は、従業員が安心して主体的に意見を出したり行動したりするため、自分らしく働くことができ、結果的に従業員エンゲージメントが高まりやすくなります。従業員エンゲージメントが高まりチーム内の信頼感や連携が向上すると、企業に対しても愛着を持つため、離職率の低下にもつながります。

従業員エンゲージメントについては以下の記事で詳しく解説しています。

コミュニケーションが活発化する

先述したように、心理的安全性が高いと、職場や人に信頼感を持ちながら業務を行えるため、主体的に発言する人が多くなります。コミュニケーションが活発化することで、メンバー同士のサポートも広がり、事業が円滑に進むでしょう。

生産性が上がる

心理的安全性が高まり、主体的な発言が増えることで、新しいアイディアやイノベーションにつながります。また心理的安全性の高い職場環境では、従業員のストレスが減り業務に集中しやすくなるため、パフォーマンスの向上や生産性のアップにつながると期待できます。

エンプロイー・エクスペリエンスが高まる

心理的安全性が高まると、質の高いエンプロイー・エクスペリエンスを従業員に提供できます。エンプロイー・エクスペリエンスとは、従業員がその企業に入社してから退職するまでの経験価値のことです。例えば、仕事の内容はもちろん、人間関係や自身の精神的な成長などあらゆる事象を含みます。

エンプロイー・エクスペリエンスが高いということは、従業員にとっての企業価値や満足度が高いことを意味しています。従業員が意欲的に業務に取り組む結果、企業の生産性の向上につながったり、離職率が低下したりするなどのメリットにもつながるでしょう。

企業のウェルビーイングにつながる

心理的安全性を高めることは、上記のメリットを包括し、結果的に企業のウェルビーイングにつながります。

心理的安全性の測り方

PCでアンケートに答える女性

従業員の心理的安全性は、アンケートを実施して測ることができます。心理的安全性を提唱したエイミー・エドモンドソン教授は、心理的安全性の測定に利用できる7つの質問も発表しています。具体的には次の通りです。

<心理的安全性を測定する7つの質問>
①チームの中でミスをすると、いつも非難される
②チームのメンバーの間で、課題や問題について議論できる
③チームのメンバーは、自分と異なる考えを持つ他者に対し、拒否反応を示す傾向にある
④チームに対してリスクのある行動を取っても、安心感が揺らがない
⑤チームの他のメンバーに助けを求められない
⑥チームのメンバーに、わざと他者を陥れて足を引っ張る人はいない
⑦チームのメンバーと一緒に仕事をする中で自分のスキルが認められ、活用されていると感じる

これらの質問に対しポジティブな回答が多いほど、心理的安全性は高い状態と判断します。反対にネガティブな回答が多かった場合は心理的安全性が低いため、高めるための施策を検討する必要があるでしょう。

ワンポイント
上記に加えて、挑戦を後押ししてくれるチームであるか、気軽に相談できる上司がいるかなど、企業独自の質問を加えてみても良いでしょう。

このように組織の課題や従業員の率直な意見を把握するためには、定期的にサーベイを行うことも方法の1つです。

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心理的安全性を高める方法

上司に意見を述べる従業員

心理的安全性を高めるには、安心して素直に発言・行動できる環境や、自分の言動を相手に受け止めてもらえる信頼関係をつくることが大切です。そこで、アサーティブ・コミュニケーションや1on1ミーティングなど、心理的安全性を高めるための方法を紹介します。

アサーティブ・コミュニケーションを意識する

アサーティブ・コミュニケーション(アサーション)を意識すれば、相手との間に摩擦を生じさせずに、お互いが気持ち良くコミュニケーションを取れます。アサーティブ・コミュニケーションとは、相手の考えを尊重し寄り添いながら、自分の意見を伝えるコミュニケーションスキルのことです。

例えば相手と違う意見・反対の意見である場合でも、相手を尊重しながら対等・率直に意見を伝え合えます。このスキルを従業員一人ひとりが発揮できるようになると、心理的安全性が高まり、建設的な意見交換につながるでしょう。

アサーティブ・コミニュケーションを含め、部下とのコミュニケーションスキルを習得・向上させ、チームのマネジメントにつなげる管理職向けの研修などもあります。

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アドバンテッジリスクマネジメントでは、アサーティブ・コミニュケーションを含め、部下とのコミュニケーションスキルを習得・向上させ、チームのマネジメントにつなげる管理職向けの研修などもあります。

お互いの多様性を受け入れる

心理的安全性を高めるには、お互いの多様性を理解し、個々の価値観や経験・意見などを認め、尊重し活かすことが大切です。近年では、この考えをダイバーシティ・インクルージョンと呼び、従業員だけではなく企業成長のためにも推進されています。

参考:ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて【概要】(一般社団法人 日本経済団体連合会)

お互いの多様性を受け入れる環境になれば、さまざまな視点からの意見やアイディアを主体的に発言でき、生産性も高まると期待できます。そのためには、企業のトップや人事担当者がダイバーシティを推進していることについて、発信することが大切です。

例えば従業員の働き方や採用などについて、多様性を認めていることなどを従業員に周知しておくのも良いでしょう。また、多様性に関する個々の従業員の認識を深めるため、研修を行う方法などもあります。

風通しの良い職場づくりをする

職場の上下関係を過剰に気にする必要がなく、安心して発言できるような風通しの良い職場づくりをすることも、心理的安全性を高める方法の1つです。風通しの良い職場づくりをすると、積極的にコミュニケーションが行われるため、従業員同士や部署間の連携がしっかりと取れるようになります。

風通しの良い職場をつくるには、積極的に挨拶を行うなど個人単位でできることの他、社内アンケートを実施し、職場環境に関する従業員の声をまずは把握しておきましょう。

また、風通しの良い職場づくりをするためには管理職のEQ(=Emotional Intelligence Quotient、感情マネジメント力)を向上させることも1つ。ハラスメントの防止や従業員エンゲージメントの向上につながります。

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アドバンテッジリスクマネジメントでは、組織や人が変わるEQ向上研修も取り扱っています。

1on1ミーティングを活用する

心理的安全性を高めるには、上司と部下の信頼関係を構築するための1on1ミーティングも行うと良いでしょう。部下側の相談や意見を聞くことを目的とする1on1ミーティングでは、上司は部下が話しやすいように雰囲気や話題づくりなどを意識しながら、その内容に応じて適切にフィードバックや気づきを与えます。また、1on1ミーティングは短いスパンで定期的に行うため、部下はその都度自分の状況を上司に把握・理解してもらえているという安心感につながり、信頼関係を構築できるのです。

心理的安全性とはぬるま湯組織ではない

職場で好き勝手に過ごす男性

心理的安全性が高いということは、従業員同士が安心して自分の考えを伝えられる状態を指します。しかし、これを居心地が良いだけのぬるま湯組織と混同してはいけません。心理的安全性が高い職場は、業務に関して自分の意見を主体的に発言でき、時に意見が衝突する場合でも人間関係に影響を与えることがない環境です。また、このような意見交換や発言を得ながら、新たなイノベーションや企業の生産性にもつなげられます。

一方で、ぬるま湯体質の組織では、業務へのモチベーションが低いため、意見をしても黙殺されます。また、対立するような意見をあえて言わない・厳しく非難されないなどの状態にもなりがちです。その結果、緊張感や刺激を感じられず、ただ単に居心地が良いだけの職場環境となり、企業の生産性も低下する可能性が高いでしょう。心理的安全性を真に高めるためには、このことをしっかりと理解し、慣れあいや不必要な遠慮をしないように気を付ける必要があります。

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アドバンテッジリスクマネジメントでは、組織課題の可視化ができる各種サーベイをご用意しているので、ぜひ活用してみてください。

心理的安全性を高めてウェルビーイングな職場に

皆が発言しやすい職場の雰囲気

心理的安全性を高めることは、従業員と企業のどちらにとっても重要です。定期的にサーベイなどを行い、組織の課題を把握・改善に向けて動いていくことで、心理的安全性を高めることは可能です。心理的安全性をはじめ、従業員のエンゲージメント向上に努めることで、従業員のウェルビーイングが向上し、ひいては業務のパフォーマンスや生産性のアップ、企業価値の向上にもつながるでしょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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