ストレスとは

ストレスの原因とは?ストレッサーの種類やストレスが引き起こす症状、職場における対策方法を解説

Facebookでシェア ツイート
「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

仕事が忙しい、プレッシャーが強い、人間関係の悩みがあるなど、私たちは日々さまざまなストレスを感じながら生活を送っています。”適度なストレス(緊張感)”は、モチベーションやエネルギーにつながり、生活に張りをもたらしますが、度を超えたストレスは、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。今回は、ストレスの原因や症状、ストレスへの適切な対処法についてご紹介します。

記事の監修者
柿沼 篤史社会保険労務士 (登録番号)第13230488号
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント マーケティング部
当社のマーケティング活動におけるデータ整備や分析業務に従事。社労士の資格を有しており、健康経営をはじめ当社の事業領域に関する知見をもとにアドバンテッジJOURNALの記事も監修している。

ストレスとは?

ストレスメーターのイラスト

まずは、ストレスについて正しい理解を深めましょう。

ストレスとは?

そもそも「ストレス」とは、物理学において「圧力」という意味で使われていた言葉です。ストレスと聞くと、嫌なことやつらいことを連想するかもしれませんが、広義の「ストレス」には良い・悪いのニュアンスはなく「外部からの刺激を受けて生じる緊張状態」のことを指します。ストレスに対する身体の反応のことを「ストレス反応」、その反応を生じさせる刺激(ストレスの原因)のことを「ストレッサー」と呼びます。

ストレス状態は、風船に例えられることが多いです。この場合、膨らませた風船を押す力が「ストレッサー」、ストレッサーによって風船が歪んだ状態が「ストレス反応」です。風船の状態によっては、押す力(ストレッサー)を跳ね返すこともできます。しかし、跳ね返す力が少ないと風船は歪んだ状態が続き、さらに継続的に力がかかれば徐々にしぼんでしまうでしょう。つまり、同じようなストレスを感じても、その人の状態によって受ける影響の大きさは異なると言えます。

良いストレスと悪いストレス

ストレスは悪いものと扱われがちですが、ストレスが全くない状態が良いのかといえば、そうとも言えません。「適度なストレス(緊張感)」 があると、それに適応するための能力が生まれます。ストレスを乗り越えようと頑張ることで、人は成長し、達成の喜びを得られます。つまり“良いストレス”は、人生の張りや生きがいとなり得るものです。

しかし、その人が適応できる度合いを超えてしまうと、心身に悪影響をもたらす “悪いストレス” となってしまいます。たとえば、希望していた部署への異動や昇進、結婚や出産、子どもの進学などは一般的に喜ばしい出来事ですが、責任が重くなることや環境が変わることなどがストレッサーとなる可能性があるでしょう。そこで頑張りすぎてしまうと、心身に不調をきたすおそれもあります。

働く人を取り巻くストレスの現状

少子高齢化による人手不足、成果主義の導入、経済状況の悪化など、働く人々を取り巻くストレスはさまざまです。厚生労働省が実施した令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、現在の仕事や職業に関することで、強い不安やストレスを抱えていると答えた人の割合は82.2%でした。ストレスの内容を具体的に見ると(同調査・複数回答)、仕事の量(36.3%)が最も多く、次いで仕事の失敗・責任の発生等(35.9%)、仕事の質(27.1%)、対人関係(26.2%)と続きました。この結果からも、働く人の多くがストレスを抱えていることがわかります。

ストレッサーの種類

困った顔と笑った顔のアイコン

ストレスの原因となるものは、主に「物理的ストレッサー」「化学的ストレッサー」「生物(生理)的ストレッサー」「心理・社会的ストレッサー」の4つです。それぞれ解説します。

物理的ストレッサー

物理的ストレッサーとは、温度や湿度、光、音、混雑など周囲の環境刺激から生じるストレス要因です。暑すぎる・寒すぎる室温・気温や強い騒音、まぶしさが続くと、体の負担だけでなく集中力や作業効率の低下、疲労感の増加につながります。

化学的ストレッサー

化学的ストレッサーとは、身のまわりの化学物質や、そのニオイなどによって生じるストレス要因です。タバコの煙やアルコール、大気汚染、食品添加物、香水や食事の強い臭い、酸素不足の室内環境などが含まれ、健康への影響が懸念されます。

生物学的ストレッサー

病気や感染症、体調不良などの身体的な要因によるストレスです。体の不調はメンタル面にも悪影響を及ぼしやすく、結果として業務能率の低下を招きます。ウイルスや細菌による不調のほか、長時間労働による疲労、睡眠不足、妊娠に伴う身体的変化なども含まれ、これらが続くことで心身ともに負担が大きくなります。

社会的・心理的ストレッサー

人間関係や社会生活、職場環境に起因するストレス要因です。現代社会において最も影響力が強いといわれており、一般的に「ストレス」と表現されるものの多くがこれに該当します。上司の叱責やハラスメント、対人関係の摩擦といったコミュニケーション上の問題に加え、過剰なノルマ、キャリアへの不安、異動などの急激な役割変化も心身に大きな負担を与えます。

ストレスが原因で起こる症状

ストレスに悩まされる女性

強いストレッサーにさらされたり、長期間ストレスを感じ続けたりすると、心身にさまざまな症状があらわれます。その反応を「ストレス反応」と言い、心理的反応、行動的反応、身体的反応に分類されます(「ストレス反応の3分類」)。

ストレス反応として心身に起こる主な症状は次の通りです。

【精神面・心理面の不調】
気分が沈む、やる気が出ない、イライラする、マイナス思考に陥る、集中して考えることができない、自分を責めてしまう、強い不安や緊張を感じる、憂鬱な気分で悲しくなる。

【身体的な不調】
頭痛やめまいがする、胃痛・腹痛を感じる、寝つきが悪くなる、動機や息切れがする、下痢や便秘がある、強い疲労感がある、食欲が落ちる、あるいは増加する。

【行動の変化】
落ち着きがなくなる、急に泣き出してしまう、他人との交流が苦痛になって避けるようになる、お酒やたばこの量が増える、身だしなみを気にかけなくなる、食べすぎてしまう、仕事でミスを繰り返す。

ストレスによる心身の不調は、生産性の低下や事故・トラブルの誘発、休職・退職による人手不足などにつながり、企業に悪影響を及ぼします。従業員のメンタルヘルスケアのためにも、健全な企業経営のためにも、職場のストレス対策は欠かせません。

ストレスの原因

絶えず振ってくる課題に悩む女性

現代におけるストレスは、心理・社会的ストレッサーに起因するものが多いとされ、不安や怒り、焦りや抑うつを伴い、メンタルヘルスの不調を引き起こしやすいとも言われています。

【人間関係】
ストレスの原因で一番多いとされるのが人間関係です。自分の思い通りにならないことや、人に合わせなければならない、相手に配慮しなければならない、などの気遣いをストレスと感じる人も多いでしょう。仕事では上司や同僚、後輩との関係、顧客との関係などが、プライベートでは親子や親戚、パートナーや恋人、友人との関係、近所付き合いなどが挙げられます。

【仕事】
残業が多い、休暇が少ない、有給がとりにくい、仕事量が多い、責任が重い、転職したなどがストレスになり得ます。一方で、仕事がなく、時間を持て余してしまうような状況でもストレスを感じやすいでしょう。
また、自分の仕事にやりがいを感じることができずやる気が出ない、キャリアへの不安、解雇や倒産といったリスクへの不安などもあります。一般的には良いこととされる「昇進」も、責任が増える、環境が変わるといったことが強いストレスになることもあるでしょう。

【プライベート】
家事全般、育児など、家庭の事柄をストレスに感じることがあります。結婚や出産や子育て、子供の受験などのライフイベントもストレス要因となり得ます。

【関連コンテンツ】
【ストレッサー】私たちの日常生活に潜むさまざまなストレス原因に迫る

職場におけるストレスの原因

仕事中にストレスを感じている男性

職場のストレスは、人間関係や業務量、役割の変化など、日々の仕事の中でさまざまな要因から生じます。ここでは、職場で起こりやすい主なストレスの原因を詳しく見ていきましょう。

職場の人間関係

職場の人間関係は、日々の業務に大きく影響する代表的なストレス要因です。上司の高圧的な言動、同僚や部下との価値観の違い、顧客対応での摩擦、セクハラ・パワハラなどがあると、強い緊張や気疲れが続きやすくなります。人間関係の悪化は、職場の雰囲気や連携にも影響し、業務効率の低下を招くことがあります。

業務過多・長時間労働

業務量が多すぎる状態や長時間労働が続くと、十分な休憩や疲労回復の時間を確保しにくくなり、心身の負担が大きくなります。慢性的な疲労は集中力や判断力の低下を招き、ミスの増加や生産性の低下につながります。また、業務の偏りや終わらないタスクは不公平感や焦りを生み、仕事と私生活のバランスを崩す要因になる点にも注意が必要です。

失敗に対するプレッシャー

仕事で「失敗できない」と感じる状況は、大きなストレス要因になります。責任の重い業務や未経験の仕事、周囲の期待が高い場面では、不安や緊張が強まりやすく、過度なプレッシャーが心身の負担につながります。実際の失敗だけでなく、「ミスをしてはいけない」という思い込みが自責感や自己肯定感の低下を招くこともあり、心理的安全性の低い職場ではその傾向がより強まります。

昇進・配置転換

昇進や配置転換は、仕事内容や役割、人間関係、勤務環境の変化を伴うため、従業員にとって大きなストレス要因になり得ます。慣れない業務への対応や責任の増加、新しい上司・同僚との関係構築に負担を感じることも少なくありません。転勤を伴う場合は、生活環境や今後のキャリアへの不安が重なり、心身の負担がさらに大きくなることがあります。

【関連コンテンツ】
職場のストレスの原因とは?企業が行える施策と、個人でできる職場ストレスへの対処法とは
職場の人間関係で悩んだ際の対処法とは?個人でできる対処法と企業・管理職が取り組むべき解決策も解説

ストレスが溜まりやすい人の特徴

虫眼鏡と色々なタイプの人

ストレスは人によって感じ方が変わります。特に「物事はこうしなくてはいけない」という思い込みが強い傾向にある人は、ストレスを感じやすい、溜め込みやすいとされます。

【ストレスを溜め込みやすい人の性格・特徴】

  • 競争心が強い
  • せっかち
  • 融通が利かない
  • わがまま
  • 真面目で責任感が強い
  • 完璧主義
  • 心配性

ストレスを解消する方法

森林のなかで音楽を聴いてリラックスする女性

ストレス反応が長く続くような場合は、過剰なストレス状態に陥っているサインかもしれません。これらの症状に気づいたら、ストレスと上手に付き合うための方法(コーピング)を実践してみるのがおすすめです。また、重い症状があったり長期間続いたりする時は、専門家(精神科、心療内科)に相談することも検討しましょう。

【関連コンテンツ】
ストレスコーピングとは。意味や種類、今すぐできる実践方法を解説

自分の思考のクセを知り、物事の捉え方を変える

自分の考え方や行動思考などを知っておくことで、ストレスが溜まりにくくなります。つい悪い方向に考えてしまう心のクセや思考パターンを、専門用語で「認知の歪み」と言います。自身の認知の歪みを知っておくと、次に同じようなストレスを抱えた時に、「いつもの考え方のクセが出てしまっている。でも実際はきっと悪いことじゃないはず」などと捉えることができ、気持ちが楽になることもあります。

また、ストレスを感じた時に、問題点や良くないことばかりに注目するのではなく、うまくいっていることに注意を向けたり、目指す状態にフォーカスしたりするのもよいでしょう。ものの見方を少し変えてみるだけでも、ストレスが軽減される可能性があります。
湧き上がる自身の感情にとらわれず、自分が本当に大切にしたいことのために集中する「心理的柔軟性」を高めることも効果的です。

【関連コンテンツ】
ウィズコロナでカギになる「心理的柔軟性」

ストレスに適切に対処するための思考方法については、下記の記事でもご紹介しています。

【関連コンテンツ】
WHOが勧めるストレス対処のセルフケア~思考や感情への気づき方~
WHOが勧めるストレス対処のセルフケア(その2)~思考や感情のとらわれから自由になる~

友人や家族、カウンセラーに相談する

困った時やつらい時、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることがあります。一人で抱え込まず、家族や友人、同僚に相談し、異なる視点からの考え方や意見を聞いてみるのもよいでしょう。話すことで自分の中で解決策が見つかったり、新たな考え方を取り入れることによって、ストレスが軽減されたりする可能性もあります。

また、第三者であり、気兼ねなく話すことができるカウンセラーに相談することも一つの方法です。ストレスによって心身が深刻な状態になってしまう前に、対策を打つことが大切です。カウンセリングは、ストレスケアの最初のステップとして気軽に活用してみましょう。地域の保健所や精神保健福祉センター、職場の健康相談窓口など、相談できる場所は複数あります。職場に関する問題は、産業医に相談するとよいでしょう。

自分なりのストレス解消法を見つける

ストレスへの対処法は多種多様なものがありますので、自分に合った方法を取り入れることがおすすめです。自分がリラックスできること、楽しいと感じることをやって、ストレスから離れましょう。ストレスの対処法をいくつかリストアップしておく「コーピングリスト」を作るのもよいでしょう。

睡眠と休養を十分に取る

睡眠は、肉体的な疲労回復はもちろんのこと、脳の休息という役割もあります。忙しいと睡眠不足に陥りがちですが、睡眠不足は心身に大きなストレスとなり、ストレスへの耐性も低くなってしまいます。
十分に睡眠がとれていないとイライラしやすくなったり、ミスが増えたりと、さらにストレスを生じさせる可能性もあります。睡眠の質を上げるために、寝具を心地よいものに替える、寝室の温度や湿度を調整するなど、睡眠環境を整えることも大切です。

また、忙しいとついシャワーで済ませてしまうこともありますが、疲れが溜まってきたなと感じたら、ゆっくりと湯船に浸かって体を休めるのも効果的です。体が温まって全身の血行が良くなると、副交感神経が優位になってリラックス効果を得られるとされます。

企業が出来る従業員向けのストレス対処法

クッションに座りリラックスして話す女性2人

ストレスに対する社員研修の実施

従業員に、ストレスに上手に対処できる方法を学んでほしいとお考えであれば、企業が学びの機会を提供することも有効です。

社員研修プログラム

アドバンテッジリスクマネジメントでは、自分の「考え方のクセ」を振り返り、困難に対して前向きに対処するスキルを習得する「メンタルタフネス度向上研修」を提供しています。親しみやすい観点で整理された「ストレスを感じやすい考え方のクセ」について触れ、段階的に検討するワークで自分自身の認知も振り返ります。
※メンタルタフネスとは:困難に直面しても、悪い感情に振り回されずに前向きに対処できる能力

従業員が気軽に利用できるカウンセリング窓口の設置

従業員がカウンセリングを利用できるよう窓口を整えることも重要です。窓口は、ストレスによって心身が深刻な状態になる前でも気軽に利用できることを発信し、積極的な活用を呼びかけましょう。

アドバンテッジタフネスカウンセリング

アドバンテッジ タフネス カウンセリング」は、心理専門家によるカウンセリングサービスです。対面でのカウンセリング以外にも、メールやオンライン面談、SNSを使ったチャット相談など、従業員が気軽に利用できる相談方法をご用意しています。
従来の傾聴型のカウンセリングだけでなく、出来事に対する考え方や、行動に変化を起こすことを目的とした「認知行動療法」のアプローチまで行えるため、ストレスとうまく付き合うヒントを得られます。

自分なりの方法でストレスに対処しよう

ストレスから解放される女性のイラスト

仕事や人間関係など、ストレスの原因となる外部の刺激はさまざまなものがありますが、人によってストレスの感じ方や、ストレスに対する耐性は異なります。また、同じ人でも、年代やライフステージによってストレスの要因は変化する可能性があるでしょう。ストレスに対応できる心身を保つためには、こまめにストレスを解消するなど、ストレスとうまく付き合う自分なりの方法を身につけることが有効です。

(Visited 16,505 times, 5 visits today)

【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
アドバンテッジJOURNALは、働くすべての人へ「ウェルビーイングな働き方と組織づくり」のヒントを発信するメディアです。導入企業数3,200社/利用者数600万人を超えるサービス提供実績と、健康経営銘柄に4年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

この著者の記事一覧

Facebookでシェア ツイート

関連記事RELATED POSTSすべて見る>>