入り口の前で頭を抱える男性

管理職のエンゲージメント向上具体施策|管理職のエンゲージメント低下の原因や重要性、エンゲージメントを高めるメリット

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

管理職のエンゲージメント低下を、個人の問題で片づけていませんか?本記事では、管理職エンゲージメントが重要な理由や低下の原因、組織として取るべき具体的な取り組みを解説します。現場を支える管理職の状態は、組織成果を左右します。管理職を含むすべての従業員を支え、持続的な成長を実現するためのヒントとしてぜひご活用ください。

組織全体のエンゲージメント向上を目指すうえでは、要となる管理職へのアプローチが欠かせません。「エンゲージメント向上社員研修プログラム」は、双方向ワークと、すぐに現場で使える実践的なロールプレイで従業員の気づきを行動へ促します。

目次

組織のエンゲージメント向上において「管理職」が重要な理由

中央にある複数の人形と、表情のパネルを持つ手元

まずは、エンゲージメント向上において管理職が重要な役割を担う理由を整理していきます。

管理職は「組織と個人」をつなぐエンゲージメントの要

従業員のエンゲージメントは、組織が目指す方向性と、働く個人の価値観や成長意欲が一致することで高まります。組織の方向性を具体化して現場に共有する、「橋渡し役」を担うのが管理職です。

また、管理職は、チームメンバー一人ひとりの状況に目を向け、適切な声かけや支援を行い、チームを率いていく役割もあります。部下が「努力を認めてもらえる」「成果を正しく評価してもらえる」と感じられるような環境を作り、コミュニケーションを通して良好な関係を築いていくことで、部下は自分の能力を発揮しながら働けるのです。これにより、チーム全体のエンゲージメント向上が期待できます。

【FAQ】管理職とメンバーのエンゲージメントには相関がある?

管理職は従業員エンゲージメントに大きな影響を与えるとされています。ギャラップ社は2026年に発表した調査の中で、世界全体で従業員エンゲージメントが低下傾向にあると述べています。

そこでは、管理職のエンゲージメント低下が、全体の低下の主要な要因の一つとして指摘されています。管理職は、チームの雰囲気や働きやすさに直接影響を与える立場にあります。管理職自身が疲弊し、仕事への前向きな姿勢が失われれば、メンバーにも不安や閉塞感が伝わりやすくなります。管理職のエンゲージメント低下は、個人の問題にとどまらず、組織全体の活力低下につながる重要なサインといえるでしょう。

参考:State of the Global Workplace 2026
参考:Global Employee Engagement Continues Decline

エンゲージメント向上における管理職の3つの役割

タブレットから連想する複数のアイコン

次に、従業員のエンゲージメント向上に結びつく、管理職の代表的な3つの役割を整理します。

経営ビジョンを現場の業務へ翻訳し、自分事化させる役割

管理職には、自社を取り巻く環境を理解したうえで、現場の視点でビジョンを解釈し、チームの目標や日々の業務に結びつけて伝える役割があります。単にビジョンを共有するだけではなく、「自分たちの仕事がどうビジョンとつながるか」を説明することで、メンバーはビジョンを自分事として捉え、意義を感じながら業務に取り組めます。

また、現場の声や課題を、経営層へ伝えることも管理職の重要な役割の一つです。管理職が組織と現場、双方向に働きかけることで、組織と従業員個人の距離を縮め、エンゲージメントを高めていきます。

対話を通じて、心理的安全性の高いチームを構築する役割

メンバーが否定を恐れず、意見や不安を率直に共有できる「安心して働ける環境」を作り出す役割も担います。「自分の考えを言っても否定されない」「チームの一員として尊重されている」と感じられる環境は、メンバーの主体性や協力意識を育て、チーム全体のエンゲージメント向上に寄与します。

管理職が、日々の1on1や丁寧なコミュニケーションを通じてメンバー一人ひとりと信頼関係を築き、チームの心理的安全性を高めることで、個人のパフォーマンスを最大化させる土台を作るのです。

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適切な目標設定とフィードバックで、部下の成長を支援する役割

エンゲージメントを高めるうえでは、従業員が「自分自身の成長を実感できていること」が不可欠です。そのため管理職は、部下の現状を把握し、適切な目標を設定しながら能力を引き出し、サポートする役割が求められます。

成果だけでなく課題や期待を具体的にフィードバックし、メンバーの得意分野やキャリア志向を踏まえて支援することで、「この会社でさらに成長したい」という主体的な意欲を引き出します。

管理職のエンゲージメントが低下している原因

PCを開きながらメーターの模型を持つ手元

多くの現場は、管理職が前述した「3つの役割」を全うできない構造的な問題を抱えています。管理職個人の努力や資質に頼るだけのマネジメント改善には限界があるのが実情です。本章では、管理職のエンゲージメント低下を招いている組織側の主な要因を整理します。

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自身の業務とマネジメントの両立による「プレイングマネージャー化」

中間管理職の中には、プレイングマネージャーとして自身の業務をこなしながら、マネジメントを担っている人も多いです。成果責任を負いながらチーム運営や部下の育成にも関わるため、業務量が膨らみやすい状態です。業務負担が多い状態では、管理職は疲弊し、仕事への前向きな感情が削がれ、エンゲージメントが低下してしまいます。

重い責任に対して裁量権が不足している

特に中間管理職は、チーム目標の達成責任を負いながらも、必要な権限が十分に与えられておらず、意思決定の自由度が高くないケースがあります。成果を求められる一方で、予算や人員、方針といった大枠は上層部が意思決定を行っているため、自身でコントロールできない要因に左右されやすい立場です。「責任は重いが、決められない」と、仕事への主体的な関わりが難しくなることで手応えを感じにくくなり、無力感や諦めにつながります。

経営層と現場の板挟みによる孤立・孤独感

管理職は、経営と現場、部署と個人との橋渡しをする役割です。意見をまとめながら合意形成を行う場では、時に板挟みの状態になり、悩みを抱えることもあります。誰にも本音で相談しづらい、弱音を吐きづらい管理職ならではの孤独な立場が、エンゲージメント低下を招きます。

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ハラスメント配慮や1on1など「マネジメント難易度」の上昇

働き方や、働くことに対する価値観が多様化する中で、部下との関わり方や育成の方法も画一的ではなくなってきています。1on1で部下の話を聞く、ハラスメントにならないよう配慮して指導するなど、複雑で多様なマネジメントが求められる一方で、それらに対応できる時間的・心理的余裕を確保しづらいこともあるでしょう。育成に力を入れるほど自分の業務が圧迫され、負担が強くなっていることも、エンゲージメント低下の要因です。

自分自身の成果や成長実感の得られにくさ

管理職の仕事は、調整やサポートなど間接的な業務が多く、成果が数値で可視化されにくい傾向があります。部下の成長は喜ばしいものの、自分自身のスキルが積み上がっている実感を持ちにくく、「この経験は将来につながるのか」「自分は組織に貢献できているのか」という不安や、漠然とした閉塞感を抱えがちになります。この成長実感の欠如が、エンゲージメント低下を招くのです。

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管理職のエンゲージメント低下が現場の離職・生産性低下を招く

光の入るデスク

管理職自身が疲弊し、意欲を失っていると、チーム全体にもネガティブな雰囲気が広がってしまいます。例えば、相談に乗ってもらえない、指示をもらえない、あるいは細かく管理され、意見が言えないような状態になると、メンバーのモチベーションが下がり、エンゲージメントが低下します。

エンゲージメント低下の要因はさまざまですが、日常的にメンバーと関わる管理職の言動は大きな影響を与えるでしょう。職場の心理的安全性が損なわれ、創造性や挑戦が妨げられることで、さらに組織全体の士気が下がる恐れもあります。まずは管理職自身の状態改善が急務となります。

管理職のエンゲージメントを向上させるメリット

丸いプレートで作られた矢印

管理職のエンゲージメント向上は、組織や人事領域へもプラスの効果をもたらします。管理職を起点とした具体的なメリットは以下の通りです。

① 管理職本人キャリアの充実・ストレス低減
自らの成長を実感しやすくなり、マネジメントのやりがいに直結します。前向きなモチベーションで仕事と向き合えるため、心理的負荷の軽減につながります。
② 組織・
チーム
生産性向上・離職率の低下
管理職の活気は、チーム全体へ波及します。メンバーとの対話が増えて信頼が深まる結果、一人ひとりがパフォーマンスを発揮しやすい環境が整い、チームの離職防止と生産性アップに貢献します。
③ 人事・経営   施策の浸透スピード向上・採用コスト削減
経営陣のメッセージを“翻訳”し現場を引っ張ってくれるため、人事制度や新たな方針がスピーディーに現場に浸透します。結果として組織全体のエンゲージメントが底上げされ、突発的な離職を防止し、採用コストの削減に寄与します。

管理職のエンゲージメント向上によるメリットは多岐にわたり、組織力を高めるうえで欠かせない取り組みといえます。

管理職自身のエンゲージメントを高めるための取り組み

3つの表情のイラストを転がす手元

管理職のエンゲージメント向上を目指すにあたり、管理職個人に直接働きかける具体的な取り組みをご紹介します。

管理職自身のストレスケアとメンタルヘルス支援

管理職は責任の重さから不調を自覚しても、「管理職である以上弱音を吐きにくい」「自分が相談する側ではない」と、悩みや不安を抱えがちです。管理職のストレスケアを「個人の自己管理」に委ねるのではなく、組織として支援する仕組みを整え、段階的に取り組んでいくことが求められます。

【管理職のストレスケア支援のステップ】
①現状把握
管理職のストレス状態やエンゲージメントを把握しましょう。ストレスチェックやエンゲージメントサーベイなどを活用し、管理職が抱える負荷や心理的な孤立感、メンタルヘルスケアに関する支援制度の認知状況などを調べます。

② 課題特定
サーベイなどの結果をもとに、管理職に共通するストレス要因や、部署・階層ごとの違いを整理します。「精神論」や「個人の性格」に原因を見出すのではなく、組織の構造的な負荷や環境要因として捉えることが大切です。

③施策設計・実行
課題を踏まえて、具体的な施策を設計・実行します。代表的な取り組みについては後述します。

④振り返りと改善
施策実行後は、再度サーベイを実施するなどして効果を検証し、必要に応じて改善します。管理職のメンタルヘルス支援は一度の取り組みで完結するものではなく、エンゲージメント向上施策の一環として継続的に取り組むことが重要です。

【管理職のストレスケアの代表的な取り組み】
・ストレスマネジメント研修:
ストレスの仕組みを理解し、セルフケアや対処法を学ぶ。

・相談窓口の設置・周知:
立場に関係なく、誰でも気軽に利用できる相談先を用意し、周知する。

経営層からのメッセージ発信:
「管理職も支援を受けるべき存在である」「一人で抱え込まなくてよい」というメッセージを継続的に発信し、安心して働ける土台を整える。

詳しくは以下の記事でも紹介しています。
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管理職としてのマインドを育てる研修の実施

「このマネジメントが正しいのか、適切にできているのか」と自信を持てていない場合もあります。管理職向けの研修を実施し、管理職としてのマインドや視座を身につけてもらいます。「自分が成果を出す」から「チームで成果を生む」への意識転換を通じて、内発的な意欲を引き出し、管理職としての業務に主体的に取り組めるよう促しましょう。

研修後には、実践・振り返りの場を設けることで、「現場で使えない」を防ぎ、管理職としての自信を育てることが大切です。また、他の管理職と一緒に学ぶ場を設けることで、孤立感の解消も期待できます。

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管理職を中心とした組織エンゲージメント向上施策

緑が見える背景に文字が書かれた木材

管理職のエンゲージメントを、個人の努力だけで維持することは難しいものです。最後に、管理職を中心としたエンゲージメント向上を目指すにあたり、組織として講じるべき取り組みをご紹介します。

マネジメントに専念できる体制の整備

管理職のエンゲージメント向上を目指すには、管理職に「何を期待するのか」を明確にすることが不可欠です。例えば、部下の育成やチームの関係構築を重視するのであれば、そのための時間を確保できるような業務設計が求められます。業務量や分担を見直して管理職の負担軽減を図りつつ、管理職が本来注力すべきマネジメント業務に集中できる環境を整えましょう。

管理職を孤立させない支援制度

管理職は、上司にも部下にも本音を言いづらく、孤立しやすい立場です。管理職同士が悩みや工夫を共有できるコミュニティの提供や、人事・経営層との定期的な1on1の実施を通して、管理職を支える場を設けることが重要です。ストレス軽減のほか、新たな気づきがマネジメントに活かされることで、チームにポジティブなフィードバックが得られ、組織のさらなる活性化も期待できるでしょう。

管理職の成長を後押しするキャリア設計

管理職自身が将来像を描けない状態では、組織へのエンゲージメントは高まりにくいです。管理職向けのキャリアデザイン研修や学びの支援などを通して、管理職が「この先も成長できる」と感じられる環境や、自律的にキャリアを考えられる機会を提供しましょう。組織が従業員一人ひとりの成長を支援する姿勢を示すことが、エンゲージメント向上の要となります。

管理職のエンゲージメント向上でさらなる組織強化を

メンタルが上昇するのを表した積み木

組織の停滞感の背景には、管理職のエンゲージメント低下が潜んでいる可能性があります。責任と期待が集中する管理職のエンゲージメント向上を本人の努力に委ねるのではなく、組織として支えていくことが、従業員全体のエンゲージメント向上、ひいては組織の持続的な成長につながるのです。

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【筆者プロフィール】

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アドバンテッジJOURNALは、働くすべての人へ「ウェルビーイングな働き方と組織づくり」のヒントを発信するメディアです。導入企業数3,190社/利用者数630万人を超えるサービス提供実績と、健康経営銘柄に5年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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