笑顔で肩を組む男女

働きやすい職場とは?働きやすい職場の特徴や取り組み内容・成功事例を紹介

Facebookでシェア ツイート
「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

働き方改革が広がり、「どのように働くか」が社会的にも注目されている中、従業員にとって働きやすい職場環境をつくることは、会社が力を入れるべき取り組みの1つです。ところが、「働きやすさ」の捉え方は人それぞれで、具体的にどのような取り組みが働きやすい職場の実現につながるのか、イメージを持てずに悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、働きやすい職場の特徴や、実際の会社の成功事例をご紹介します。

働きやすい職場とは

会議を行うビジネスマン

働きやすい職場とは、従業員が心身ともに健康で、自分の力を十分に発揮でき、いきいきと働ける職場のことです。好き勝手が許される職場という意味ではなく、人間関係が良好で、職場環境や福利厚生、教育体制などが充実しており、従業員がモチベーションを保ちながら、成果を出しやすい環境が整っていることを表します。

働きやすい職場の特徴

会議をしているビジネスマンの会議室の様子

では、具体的にどのような状態であれば働きやすい職場といえるのでしょうか。次に、働きやすい職場に見られる共通の特徴をご紹介します。

人間関係が良好である

従業員同士の人間関係が良好であることは、働きやすい職場の最も大きな特徴の1つです。実際に、厚生労働省の令和5年度雇用動向調査によると、前の仕事を辞めた理由の上位に「職場の人間関係が好ましくなかった」という回答が挙げられました。

人間関係が良好な職場では、挨拶などの日常的な会話も多く、明るく活気に満ちた雰囲気があります。また、上司・部下という立場や部署を問わず、フラットにコミュニケーションがとれ、情報共有や相談がスムーズにできます。チームワークを発揮して、助け合いながら仕事を進められるため、従業員は働きやすいと感じるのです。

参考:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」

積極的な意見交換ができる

立場や年齢に関係なく、意見やアイディアを自由に出し合える風土がある点も特徴です。他の人の顔色をうかがって忖度する必要がなく、異なる意見を述べても責められず、それによって人間関係が悪くなることもありません。建設的な意見交換ができることで、従業員が自分の役割や存在意義を実感しているほか、組織全体としても改善や挑戦に意欲的な雰囲気があります。

評価制度の透明性と納得度が高い

透明性のある評価制度が構築されており、従業員が評価に納得していることも特徴です。明確で一貫性のある評価基準によって「自分の仕事や努力が正当に認められている」と感じているため、仕事に対する意欲や会社への信頼が高い状態にあります。

ワークライフバランスが整っている

働きやすい職場では、働き方の選択肢が多様で、一人ひとりが希望する働き方を実現できています。育児や介護、通院や療養など、個々が抱える事情と仕事を両立できる環境が整っていることは、従業員にとっての働きやすさに直結します。

人材育成の取り組みが充実している

新人の従業員に対する研修や、キャリア形成の支援など、一人ひとりの成長を後押しする体制が充実していることも、働きやすい職場の共通点です。新たな資格を身につけたり、スキルが磨かれていたりすることを実感できると、従業員は「この会社で働く意味がある」と感じます。

また、人材育成は従業員に対する期待や信頼の表れでもあります。「会社は自分の将来を真剣に考えてくれている」と感じられると、従業員は安心して意欲高く仕事に取り組めるのです。

働きやすい職場をつくるメリット

黄色い背景に右肩上がりのカラフルな矢印

働きやすい職場の実現は、会社と従業員双方にさまざまなメリットをもたらし、組織の持続的な成長につながる好循環が生まれます。

効率的で生産性の高い組織になる

働きやすいと感じる職場では、従業員が心身ともに健康な状態で働きながら、本来の能力や集中力を発揮できます。高いパフォーマンスを維持しながら仕事に取り組めるようになることで、仕事の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。

従業員のモチベーションが向上する

人間関係が良好で安心して働け、仕事に対してやりがいを感じられている状態では、従業員のモチベーションが高まりやすくなります。前向きに仕事に取り組めることで、「もっと成長したい」「スキルを磨きたい」という成長意欲が高まると、組織全体にもポジティブな影響を与えます。

離職率が低下する

適切な評価をされることや、柔軟な働き方ができると「自分は認められている」「ここで働き続けても良いんだ」と感じられ、会社に対する信頼が深まります。「この会社のために働きたい」「もっと役に立ちたい」という組織への愛着は、従業員のモチベーションを高めるだけでなく、離職率の低下にも寄与します。会社にとっても、離職にともなう新たな採用・育成コストが削減できる点は大きなメリットです。

働きやすい職場づくりに効果的な取り組み内容

水色の背景に虫眼鏡でロケットを映し出す

働きやすい職場をつくっていくために、会社ができる取り組みを7つご紹介します。

心理的安全性の高い環境づくり

職場の人間関係やコミュニケーションに関連する「働きやすさ」は、心理的安全性を高めることが重要です。心理的安全性が高い環境とは、従業員の誰もが否定や批判を恐れることなく、自由に発言できる状態を言います。

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)をなくすトレーニングや、自分も相手も尊重しつつも、率直に自分の意見を伝えるアサーティブなコミュニケーションの方法を身につけることで、意識や行動を変化させます。また、チームリーダーや管理職が率先してオープンコミュニケーションをとったり、発言機会をつくったりして、心理的安全性の高い風土を醸成していくことも大切です。

業務効率化・多様な働き方の推進

コアタイム制度やリモートワークなどを導入し、ライフスタイルや個々の事情に合わせて働ける環境を整えます。併せて、業務システムの導入などによってDX化を進め、業務効率化を図りましょう。単なる時間短縮、従業員の負担軽減といった効果だけでなく、限られた時間でより高い成果を出すための基盤づくりにもなります。

人事評価制度の見直し

評価は、従業員のモチベーションを維持し、「働きやすさ」の実感につながる重要な要素です。そのため、明確な基準と納得感のある人事評価制度を整備することが求められます。

成果そのものだけでなく、そのプロセスや挑戦、チームに対する貢献なども適切に評価することで、従業員は「頑張りを見てもらえている」と感じられます。評価基準や評価プロセスは、評価を受けるすべての従業員に開示しましょう。

健康管理・メンタルヘルス対策

心身の健康は、従業員がいきいきと働き続けるための土台です。組織にとっても、生産性やパフォーマンスの維持という点で、従業員の健康管理に関する取り組みはきわめて重要です。

近年は、メンタルヘルス不調による休職・離職者の増加傾向を受け、メンタルヘルス対策は不可欠なものとなっています。毎年の健康診断だけでなく、ストレスチェックの実施や産業医との連携、相談窓口の整備を通してメンタルヘルス不調の早期発見、対処につなげていきましょう。メンタルヘルスケアに関する研修を実施し、セルフケアやラインケアの知識を身につけてもらうことも大切です。

教育制度の充実・キャリアアップの支援

スキルアップや知識の定着を後押しすることも、従業員の働きやすさと働きがいの向上に直結します。OJT制度やメンター制度は、新人の従業員への定着支援と早期戦力化を目指すにあたっては特に効果的で、「わからないことを聞きやすい」「新人の自分を受け入れてもらえている」という安心感にもつながります。加えて、キャリアに応じた階層別研修や資格取得支援の制度などを整備することで、より成長を実感でき、やりがいや働きやすさにも好影響を与えるでしょう。

ハラスメント対策の強化

誰もが安心して働ける職場づくりとして、ハラスメント対策は不可欠です。定期的なサーベイを通してハラスメントの兆候が見られないかを調べたり、ハラスメント防止研修を行ったりすることが効果的です。

また、ハラスメントについて相談できる窓口を用意する、ハラスメント行為が発生した場合の対応方法について定めておくなど、十分な備えも行いましょう。

法定外の特別休暇や福利厚生の導入・取得推進

法定外の特別休暇や福利厚生制度も、従業員の暮らしを支えるという点で働きやすさにつながる要素です。家賃補助をはじめとした金銭的な支援に限らず、心身のリフレッシュを促す休暇制度などを導入することで、プライベートを大切にしながら働けるという実感が高められます。単に休暇制度を設けるだけではなく、「休みを取りやすい」雰囲気をつくることも重要です。

働きやすい職場の成功事例

晴天時のビルの様子

最後に、働きやすい職場づくりに向けた取り組みを行い、成功している会社の事例をご紹介します。

塩野義製薬株式会社

医薬品の研究開発などを手がける塩野義製薬株式会社は、従業員一人ひとりが自律的に能力を磨き、成長していくための働き方を検討し、改革を進めています。

【取り組み例】

  • 高度プロフェッショナル制度の導入(2019年4月)
  • 自己投資支援制度の導入(2019年10月)
  • スーパーフレックスタイム制度・在宅勤務制度の導入(2021年4月)
  • 選択的週休3日制度の導入
  • 副業基準の見直し など

参考:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」

UBE株式会社

総合化学メーカーのUBE株式会社は、経営戦略の1つとして「人的資本の充実」を掲げ、ワークライフバランスに重きを置いた働き方改革に取り組んでいます。また、自らのキャリア形成を積極的に考える、キャリアオーナーシップの醸成にも注力しています。

【取り組み例】

  • 柔軟な勤務制度の整備(フレックスタイム・短時間勤務・テレワーク)
  • ライフサポート休暇の導入(私傷病・介護・育児・通院・ライフイベントなど)
  • キャリア相談室の開設
  • 社内公募制の導入 など

参考:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」

宮田織物株式会社

織物製造・販売を行う宮田織物株式会社は、女性従業員の割合が多い同社の特徴を考慮に入れ、結婚や出産など、ライフステージが変化しても働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

【取り組み例】

  • 短時間勤務制度の拡充
  • 産休や育休期間の代替を担う人材も正規雇用で採用
  • 資格取得を評価に取り入れ、多能工化やモチベーションの向上を後押し

参考:厚生労働省「わたしの会社の働き方事例集」

株式会社吉田測量設計

建設コンサルティングを行う株式会社吉田測量設計は、長時間労働の是正と年次有給休暇取得推進などを目的に、さまざまな取り組みを進めています。業務の効率化を目指す意識の醸成にもつながっています。

【取り組み例】

  • 時間単位で取得できる年休制度の導入
  • 時差出勤制度の新設
  • 仕事上の不安や困りごと、育児や病気などプライベートな悩みも相談できる窓口の設置
  • 勤務時間内に自由に参加できる勉強会の開催
  • 会社をよくするための意見交換を定期的に実施

参考:厚生労働省「わたしの会社の働き方事例集」

エンカレッジ・テクノロジ株式会社

システムソフトウェアの開発・保守などを手がけるエンカレッジ・テクノロジ株式会社は、多様な勤務形態から従業員個々の希望に応じた働き方を選択できるようにしています。併せて、勤務形態に対応した公平な評価制度も整備しました。

【取り組み例】

  • 変動労働時間制の採用(週休3日、半日勤務を含む週6日勤務など)
  • 求められる役割を明確にするジョブディスクリプションの導入
  • 資格の所持が賃金増・昇格につながりやすい仕組みの整備

参考:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」

働きやすさを高め、組織と従業員の成長を支えましょう

オフィス前を歩くビジネスマン

従業員が自分の能力を発揮でき、いきいきと自分らしく働ける環境が、働きやすいといえる職場です。会社には、柔軟な働き方や評価制度の見直しや、心理的安全性の向上など、ハード・ソフト両面からのさまざまな取り組みが求められます。働きやすい環境が整えば、従業員のエンゲージメントが向上し、組織全体の生産性や成長を後押しすることが期待できます。今、社内に不足しているものが何かを見極め、できるところから取り組みを始めましょう。

(Visited 14 times, 1 visits today)

【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
アドバンテッジJOURNALは、働くすべての人へ「ウェルビーイングな働き方と組織づくり」のヒントを発信するメディアです。導入企業数3,200社/利用者数600万人を超えるサービス提供実績と、健康経営銘柄に4年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

この著者の記事一覧

Facebookでシェア ツイート

関連記事RELATED POSTSすべて見る>>