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両立支援がうまくいかない原因とは?介護・育児負担による従業員の離職を防ぐ4つのポイント

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

少子高齢化で労働人口が減少する現代において、従業員の離職は深刻な経営リスクとなっています。多くの企業が両立支援に乗り出すものの、現場では「制度が活用しきれていない」「復職後に従業員のモチベーションが下がり、結局辞めてしまう」といった悩みが後を絶ちません。本記事では、両立支援が機能しない原因や課題を整理するとともに、両立支援を成功させるポイントを解説します。

両立支援を人的資本投資として機能させるために、自社にどのような課題があるのか確認していきましょう。

企業の両立支援施策がうまくいかない原因

根本的な原因は、両立支援は「休ませるための福利厚生(コスト)」に過ぎないと捉えられ、形骸化している点にあります。本来のゴールは休暇の付与ではなく「戦力としての再定着」「戻れる組織の構築」です。さらに言えば、世界的にマネージャー層を含めた従業員のエンゲージメント低下が叫ばれるいま(※1)、両立支援は組織のエンゲージメントを高めるための「人的資本投資」としてアップデートすることが求められているのです。

(※1)【参考】ギャラップ社「State of the Global Workplace」2026年版

介護・育児負担による従業員の離職を防ぐ4つのポイント

実務レベルで両立支援策が形骸化してしまう背景には、さまざまな現場の課題があります。
自社に近い課題はありますか?

【現場で起こりがちな課題と、成功させるための4つのポイント】
□突然の“介護離職”が発生する
▶3章【ビジネスケアラー】介護負担の実態を把握 へ
□復職後に過度な配慮をしてしまい、離職やモチベーション低下を招いている
▶4章【産休・育休復職後の従業員】キャリアと評価の適切な設計で再戦力化 へ
□制度の法対応が現場の安心感につながっていない
▶5章 育児介護休業法や女性活躍推進法に即した組織体制の整備 へ
□復職後の対応が現場の管理職に委ねられ、再休職を防げていない
▶6章 マネジメントの型化による「戻れる組織」の構築 へ

自社の現状と照らし合わせながら、各アプローチのポイントを見ていきましょう。

ポイント①【ビジネスケアラー】介護負担の実態把握

近年、特に経営リスクとして注目され始めているのが、働きながら介護に従事する「ビジネスケアラー」の離職問題です。介護は育児と異なり、「いつ始まり、いつ終わるか予測できない」という特性があるうえ、突然のことで協力体制がままならないまま本人が問題を抱え込みやすく、周囲が気づいた時には離職意向を固めているといったケースが多くみられます。

両立支援を機能させる第一歩は、介護を個人の問題として捉えるのではなく、「組織の課題」として捉えることです。まずは自社の実態を正しく把握し、相談窓口の設置や、業務の見える化を推進しましょう。

企業が今取り組むべきビジネスケアラー対策や、具体的な支援のステップについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

また、介護と仕事の両立における基本的な背景や企業の役割については、以下の既存記事も併せて参考にしてください。

ポイント②【産休・育休復職後の従業員】キャリアと評価の適切な設計で再戦力化

産休・育休を経た従業員の復職後のキャリア、業務量、評価の設計も重要な検討ポイントです。多くの女性にとって、産休・育休後の働き方はエンゲージメントを大きく左右する分岐点となります。

現場では「本人のため」と考え業務量を減らす配慮が起こりがちです。しかし、これが長期化するとキャリアアップの機会が奪われ(マミートラック)、本人は期待されていないと感じるようになり、復職後のモチベーション低下や離職を招く原因となります。

両立支援を人的資本投資に変えるには、本人の意欲を引き出す「期待値調整」と「納得感のある評価」が不可欠です。そのためにも、休業から復職へのプロセスを会社全体で整えておく必要があります。

その上で、復職者との1on1等を通じて「やりたい業務」や「今後のキャリア像」など対話を重ねていく必要があります。社内面談だけで本音を引き出すのが難しい場合は、外部の専門家を活用することも有効な手段です。

そして最も重要なのが、短時間勤務などの制約がある中でも、本人の成果や貢献度を測る評価制度の仕組みです。
現場の管理職が対応に迷いがちな復職者の仕事の任せ方や、制約があるうえでも納得感を生む評価方法については、以下の記事で具体的に解説しています。

ポイント③育児介護休業法や女性活躍推進法に即した組織体制の整備

基本的な制度や法対応を基盤とした安心感の醸成も欠かせません。

近年、育児・介護休業法の改正をはじめ、国による両立支援の法整備が進んでいます。これらを単なる人事の事務作業として義務的にこなすだけでは、両立支援施策は形骸化する一方です。重要なのは、法改正や制度拡充をきっかけに「安心して働き続けられる」という組織体制を整備することです。

例えば男性育休への対応は、休暇取得に留めるだけでなく、職場全体で属人化業務の解消を図ったり、お互いをカバーし合う相互扶助の文化を進める機会となりえます。女性活躍推進への取り組みも、単なる数値目標達成ではなく、さまざまな人材が活躍できる土壌づくりとして捉え直すべきです。

法改正の具体的な内容や、企業が取り組むべき実務のポイントについては、以下の記事で網羅しています。

ポイント④マネジメントの型化による「戻れる組織」の構築

最後に最も肝となるポイントは、両立支援施策を現場で機能させるための「マネジメント」の型化です。どれほど制度や体制を整えても、復職後の対応が管理職の能力や感情に委ねられていては適切に機能せず、休職や離職を招く原因になります。

人事は、現場が迷わないための「ルール化」に取り組む必要があります。「本人が大丈夫と言っているから」といったように意向を鵜呑みにせず、明確な就業制限や慣らし勤務を企業の制度として義務づけ、管理職が適切にブレーキをかけられる仕組みを作りましょう。育児や介護による休業後の復職においても、本人任せや管理職任せにしない運用ルールを整備することが重要です。

プロセスを組織の機能へ変え、再休職を防ぐ具体的な対処法は以下の記事で解説しています。

本質的な両立支援が人的資本投資の土台に

両立支援は単なる福利厚生の一環ではなく、組織のエンゲージメントを高める「人的資本投資」です。両立支援は、持続的な企業成長を支える土台となります。紹介した4つのポイントを自社で見直し、形骸化しがちな両立支援を成功させましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
アドバンテッジJOURNALは、働くすべての人へ「ウェルビーイングな働き方と組織づくり」のヒントを発信するメディアです。導入企業数3,190社/利用者数630万人を超えるサービス提供実績と、健康経営銘柄に5年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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