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仕事のストレスで眠れないときは?睡眠トラブルの原因と対処法を徹底解説

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仕事で疲れているはずなのに、毎晩なかなか寝つくことができなかったり、夜中に何度も目が覚めたりして、ぐっすり眠った感じがしない…と、睡眠のお悩みを感じていることはありませんか。過剰なストレスは心身に大きな負担となり、睡眠に関する悩みだけでなく、メンタルの不調やパフォーマンスの低下など、さまざまな影響を及ぼします。今回は、仕事のストレスによって眠れない原因や対処法をご紹介します。

仕事でストレスを感じる理由

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まずは、職場において生じうるストレスの原因について把握しておきましょう。
厚生労働省の調査では、「現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスを感じることがある」と回答した労働者の割合は53.3%に上りました。同調査では、ストレスの原因として以下のような事柄が挙げられました。

【ストレスを感じる事柄】

  • 仕事の量(43.2%)
  • 仕事の失敗、責任の発生等(33.7%)
  • 仕事の質(33.6%)
  • 対人関係(25.7%)
  • 役割・地位の変化(17.9%)

 

参考:厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)

仕事の量が多い・責任が重い

仕事量の多さや、厳しすぎるノルマ、責任の重さがストレスになることがあります。先述した調査においても、ストレス要因の上位2つに挙げられています。

たとえ従業員がやりがいを感じていても、長時間労働や残業、満足に休憩をとれない状態は、身体的・精神的な疲労の要因になり得るでしょう。従業員の仕事量に偏りがある場合も、「何故自分だけ仕事が多いのか」という不公平感がストレスにつながることもあります。
また、仕事に対する責任が重い場合、プレッシャーを感じてしまう従業員もいます。ミスの内容によっては自分の営業成績だけでなく、同僚や上司、取引先などにも影響が出るため、責任の大きさをストレスに感じてしまうでしょう。

 

職場の人間関係が良くない

職場の人間関係がストレスの要因となっている可能性もあります。上司からの叱責や、高圧的な態度のコミュニケーションがあることで強いストレスを感じる人も少なくないでしょう。それ以外にも、同僚や部下の仕事に対するモチベーションの低さや、マナーの悪さなどを不満に感じるケースもみられます。このように、人間関係が招くストレス要因は人や立場によって異なります。

仕事のストレスで眠れなくなる原因とは

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ストレスと睡眠は深い関係がありますが、そもそも、ストレスがなぜ「眠れない」状態へと陥らせてしまうのでしょうか。
続いては、ストレスによって眠れなくなってしまうメカニズムについて解説します。

自律神経のバランスが乱れる

私たちの体には、自分の意思とは関係なく働く自律神経があります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、呼吸・体温・血圧・心拍など、生命活動を維持するために24時間365日、休むことなく働き続けています。通常、日中は体を活動させる交感神経が優位で、夕方から夜は体を休める副交感神経が優位となります。
しかし、ストレスの多い生活をしていると、夜になっても副交換神経への切り替えがうまくできず、自律神経のバランスが乱れてしまいます。交感神経が優位なままだと、脳が興奮状態になり、なかなか眠ることができず睡眠の質の低下に影響します。
たとえ眠れたとしても、深い眠り(ノンレム睡眠)が十分でなく、浅い眠り(レム睡眠)が多く、夜中に何回も目が覚める、睡眠時間はきちんと取れているのに眠った気がしないという状態になります。

睡眠に関わるホルモンの分泌量が減る

ホルモンの一種であるメラトニンは、体と心を落ちつかせ、スムーズに眠りへ導く役割があります。メラトニンは、セロトニンというホルモンからつくられますが、強いストレスを感じているとセロトニンを分泌する神経の働きが弱くなって、分泌量が抑制されてしまいます。セロトニンがつくられないと、メラトニンも十分に分泌されないため、睡眠が促進されにくくなります。

睡眠トラブルの種類

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一口に「眠れない」といっても、人それぞれで抱える悩みは異なります。ここでは、睡眠トラブルの4タイプについてご紹介しますが、これらが複合的に生じている場合もあります。

なかなか寝つけない

1つ目に挙げられるのが、「なかなか寝付けない」タイプです。入眠困難とも言われており、ベッドに入って30分~1時間以上眠れず、それを苦痛と感じている状態です。不眠症の訴えの中では最も多くみられ、不安や緊張を強く感じている時に起こりやすいとされています。

就寝中に何度も起きる

2つ目は、「睡眠中に何度も目が覚めてしまい、寝直すことが難しい」タイプです。中途覚醒とも呼ばれています。日本人の成人の不眠で最も多く、睡眠を持続する力が低下する中高年・高齢者に多い傾向があります。
また、ストレスのある状態で眠りにつくと、レム睡眠とノンレム睡眠の周期が乱れ、レム睡眠の時間が多くなります。レム睡眠は脳が覚醒状態に近く、睡眠が浅いため、目が覚めやすくなってしまいます。

早くに目が覚める

3つ目は、「朝、この時間に起きよう」と決めた時間よりも早く目が覚めてしまうタイプです。早朝覚醒と呼ばれるもので、2時間以上早く起きてしまうようであれば、このタイプに当てはまる可能性があります。ストレスで眠りが浅くなっている方、高齢の方、またうつ病の方にもみられます。

眠った感じがしない

4つ目は、睡眠時間を十分に確保していてもぐっすり眠った感じが得られないタイプで、熟眠感欠如と言われるものです。睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害など、寝ている時に症状の現れる病気が関係していることもあります。ほかのタイプの不眠症を伴っている場合も多いでしょう。

ストレスによる睡眠不足がもたらす影響

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睡眠不足は、仕事・プライベートを問わず、日常のさまざまな場面において悪影響をもたらします。
続いては、睡眠不足によるデメリットを解説していきます。

生産性の低下

仕事のストレスによって睡眠不足に陥ると、業務の生産性が低下する可能性があります。睡眠不足の時には、脳の前頭葉の働きが弱くなり、集中力や意欲、意思決定能力が低下すると言われています。集中力や判断力の低下は、作業効率を落とすだけでなく、思わぬミスや事故を招きかねないため注意が必要です。

メンタルヘルスの悪化

ストレスを感じている時、体の中ではストレスに対抗するためのコルチゾールというホルモンが分泌されていますが、睡眠不足によってもコルチゾールの分泌過多が生じるとされています。睡眠不足が不安や混乱、抑うつ傾向を強めるという研究結果もあります。すると、ますますストレスを感じやすくなり、さらに睡眠不足になるという悪循環に陥ってしまいます。
国立精神・神経医療研究センターの研究では、「より長期間にわたり睡眠不足を続けることで、うつ病や不安障害の発症につながる危険性もある」とも指摘しています。

 

病気のリスクが高まる可能性

睡眠不足は、さまざまな病気のリスクを高める要因の一つとされています。睡眠不足によって、血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンの分泌や働きが低下すると、糖尿病の発症や悪化の危険があります。
さらに、善玉コレステロールと言われるHDLコレステロールの低下や、中性脂肪の増加などの脂質異常を引き起こすことが指摘されています。実際に、慢性的な寝不足状態にある人は、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの冠動脈疾患あるいは生活習慣病にかかりやすいことが明らかになっています。
また、よく眠っている人に比べて糖尿病になるリスクが1.5~2倍になることも知られています。

病気の発症によって、治療や通院などが必要になると、日常生活や仕事にも大きな影響を与えることになりかねません。生活や仕事に制限をかけられてしまうことで、さらにストレスを強める可能性もあるでしょう。

参考:
糖尿病ネットワーク「睡眠不足はインスリン抵抗性を高める 糖尿病リスクが上昇
アメリカ科学振興協会 EurekAlert!「Sleeping too much or not enough may have bad effects on health
厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係

仕事によるストレスで眠れないときの対処法

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では、仕事のストレスが多く眠れないときは、どのように対処すればよいのでしょうか。
厚生労働省では、ストレスへの対処方法として「3つのR」を挙げています。3つのRとは、「レスト:休息、休養、睡眠」「レクリエーション:運動、旅行のような趣味娯楽や気晴らし」「リラックス:ストレッチ、音楽などのリラクセーション」です。
ここでは、3つのRを踏まえ、個人でできる取り組み例をご紹介します。

眠りやすい環境を整える

まずは、眠りやすい環境を整えてみましょう。仕事が忙しいと、時間がなくてついシャワーだけで済ませてしまうかもしれませんが、忙しい時こそ湯船に浸かることを心がけてみてください。体が温まり全身の血行が良くなると、筋肉の緊張がほぐれて副交感神経が優位になり、大きなリラックス効果を得られるとされます。
また、眠気は深部体温が下がり始めたときに高まるため、入浴で体温を上げ、身体の末端から放熱を促すことで、眠りに入りやすい状態をつくることができます。
併せて、温度や湿度、寝具、光などを工夫し、安眠できる環境づくりも重要です。寝る前に温かい飲み物を飲む、アロマを使う、軽い読書や音楽もおすすめです。一方で、就寝前4時間のカフェイン摂取、就寝前1時間の喫煙は避けましょう。寝る直前のスマホやゲームもNGです。スマホなどの画面から出るブルーライトは、眼精疲労を招くと同時に覚醒効果があるため、睡眠ホルモンの分泌が抑制され、スムーズな入眠を妨げるとされています。テレビやパソコン、スマホなどの使用は遅くとも就寝の1時間前までにしましょう。

自律神経を整える

自律神経を整えるのに効果的とされているセルフケアを取り入れてみましょう。軽いストレッチやヨガ、ウォーキングなどすると、適度な肉体疲労により眠りやすくなると言われています。激しい運動は交感神経が刺激され、逆に眠れなくなるので注意しましょう。
また、「香り」や「音楽」も、自律神経に働きかけてバランスを整えてくれる作用があることが、近年の研究によって明らかになっています。例えば、寝る前にハーブティーを飲む、アロマディフューザーやスプレーなどを使って香りでリラックスする、ヒーリング音楽などを流しながら眠る、なども試してみるとよいかもしれません。

ストレスとの向き合い方を身につける

ストレスへの向き合い方を身につけることも重要です。
ストレスのもとにうまく対処しようとすることを、ストレスコーピングと呼びます。ストレスコーピングの方法は、大きく「問題焦点コーピング」と「情動焦点コーピング」に分けられます。

【問題焦点コーピング】
ストレスの原因に働きかけ、ストレスそのものを変化させることにより解決を図ろうとすること
(例:対人関係にストレスを感じている場合、相手に直接働きかけて解決する)

【情動焦点コーピング】
ストレスの原因そのものへの働きかけではなく、ストレスの捉え方や感じ方を変えようとすること
(例:対人関係にストレスを感じているので、自分の考え方や捉え方を変える)

 

医師やカウンセラーなどに相談する

概ね1ヶ月以上眠れない日が続いている、あるいは、眠れないこと以外にも何らかの身体的・精神的な不調を感じている、仕事に支障が出ているような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。仕事のことや人間関係の悩みなど、心理的な問題への向き合い方やその解決策を必要とする場合は、臨床心理士等の専門家によるカウンセリングを受けてもよいかもしれません。勤務先が外部の相談窓口を設けていたり、カウンセリングサービスと提携していたりする場合もあります。気軽な気持ちで積極的に利用してみましょう。

【人事の方へ】従業員の睡眠問題を解消するサービス

従業員の睡眠に関する問題は、個人で対処すべき問題と捉えられがちです。しかし、労働生産性の低下といった影響は、企業の生産性にも直結するため、企業としても睡眠問題の解決に努める必要があるでしょう。最後に、従業員の睡眠問題にアプローチするサービスを紹介します。

アドバンテッジスリープ

【アドバンテッジ スリープ|Sleep】
当社が提供するアドバンテッジ スリープは、自身の就寝時間、起床時間を日々登録し、睡眠日記をつけることで、自身の睡眠状況を把握できるスマートフォン向け「睡眠問題解消アプリ」です。認知行動療法に基づいたアプリ内のアドバイスや、相談、動画の視聴ができ、従業員の睡眠行動の見直し、改善のきっかけをご提供。30種類以上の学習コンテンツに加え、専門家・カウンセラーとのチャットやオーディオによる入眠ガイドなどで、「眠れない」という不安を解消しながら睡眠問題の改善に取り組むことができます。睡眠に関する学習コンテンツでリテラシーや睡眠効率の向上を促すことができるので、全従業員を対象としたポピュレーションアプローチ施策としても有効です。

オンライン健康セミナー

 

【オンライン健康セミナー】
また、睡眠や生活習慣など、さまざまなテーマに沿った「オンライン健康セミナー」も実施しており、個社ごとの課題や希望に合わせた研修内容をご用意。
アドバンテッジ スリープとの組み合わせにより、従業員の睡眠問題に対しより効果的なアプローチが可能となります。

睡眠課題の改善には企業のサポートも重要

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仕事のストレスによって眠れない状況に陥ると、仕事のパフォーマンスが下がってしまうだけでなく、心身に不調をきたすおそれがあります。まずは、眠りやすい環境を整えたり、ストレスへの向き合い方を身につけたりして、改善を図ってみましょう。また、企業にとっても従業員のストレスや睡眠課題は、組織の生産性などに大きな影響を与える事柄です。ストレスへの対処を個人の問題として本人に任せてしまうのではなく、企業側からの積極的なアプローチが重要です。
適切な情報提供と睡眠支援で従業員をサポートし、伴走者として一緒に取り組んでいく姿勢が求められます。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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