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GLTD(団体長期障害所得補償保険)

GLTDとは

GLTD(団体長期障害所得補償保険)は、従業員が病気やケガなどで休職するときの収入減をサポートする、損害保険を活用した福利厚生制度です。最長で定年まで月々の給与の一部が補償されるため、社会保障の不足を補完し、被保険者個人の貯蓄レベルではカバーしきれないリスクに対応できるという特徴があります。

GLTD制度は過去10年で導入が2倍になっており、特に1,000名以上の企業におけるGLTD制度の導入割合は、2018年の時点で既に18%に上っています(労務行政刊『労政時報』第3957号-18.9.14)。

GLTD制度を導入することにより、従業員の就業不能時における所得減少に関する不安を軽減することができますが、その他にも期待できる効果が多くあります。

GLTD制度導入の効果

以下にGLTD制度導入の代表的な効果について解説します。

GLTD制度の効果①:フィジカルリスクへの対応
GLTD制度は休業期間中における従業員の収入を補償する制度ですが、休業している期間だけでなく、復職後の制限付きで勤務している際にも補償されます。

例えば、私傷病が原因で短時間勤務を行っており、賃金が減額されている場合でも減額分の補償が可能となり、収入補償という観点から両立支援体制を強化することができます。

GLTD制度の効果②:労働に関するモチベーション低下への対応
公平性・平等性の高い新たな福利厚生制度を導入することにより 、従業員のモチベーションにも良い影響が出る可能性があります。

GLTD制度は、全従業員が潜在的に抱えている休業時や通院しながらの勤務時における収入の減少に対する不安を解消できます。誰もが安心して働ける環境を整備することで、モチベーションの低下や不安・不満感を軽減できる可能性も十分に考えられます。

GLTD制度の効果③:人事制度の見直しに関する対応
全体的な人事制度の見直しにあたり、GLTD制度を検討する企業も増えてきています。たとえば、休業期間中にも賃金を支給する規程を持つ企業は少なくありませんが、その期間は在職時に限られており、かつ短期間である場合がほとんどです。

従来の規程のままでは、支給が終わってしまった従業員は収入が途絶えてしまう可能性があります。
かといって、休業期間中の補償を長期にわたって行う規程に変更した場合、単純に企業の負担だけが大きくなってしまうのでは、といった懸念もあります。

GLTD制度では企業の費用負担を平準化できるうえに、従業員は退職後を含め長期にわたって賃金の補償を受けられるようになるため、上記のような懸念を解消することができます。

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