窓の外を見ながら憂鬱そうな表情をしている女性

冬季うつ病の症状や原因とは?自身や職場でできる対策を紹介

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冬季うつとは、主に日照量不足が原因で発症する季節性情動障害の1つです。冬季うつになるビジネスパーソンも少なくないため、日常生活だけでなく職場での対策も必要とされています。冬季うつの原因と主な症状を解説し、冬季うつを予防するための日常生活や職場でできる対策を紹介します。

冬季うつとは?

海と冬季うつと書かれた看板

冬季うつとは、季節とともに症状が現れたり、消えたりする季節性情動障害(SAD)の1つです。通常は、秋の終わりから冬の初めに発症して、春と夏の間に症状が良くなるというパターンを繰り返します。このように、発症時期に季節性が関係するのがSADの特徴です。

冬季うつは、冬に不調を感じるケースが多いため「ウインター・ブルー」とも呼ばれます。また、夏にうつ症状が出る「夏季うつ」も季節性情動障害の1つです。

「夏季うつ」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

冬季うつの症状と一般的なうつ症状の違い

パソコンの前で悩む女性

冬季うつは、日照量の不足が主な原因とされ、一般的なうつ病と違う症状も見られます。冬季うつの症状と、一般的なうつ病との違いを見てみましょう。

<冬季うつと一般的なうつ病の違い>

  • 過食:食欲不振に陥りやすい一般的なうつ病に比べて、冬季うつは過食傾向にあります。特に、ご飯・麺類・パンといった炭水化物や、甘い物が食べたくなります。
  • 体重増加:過食気味になるため体重が増加しやすくなります。
  • 過眠:一般的なうつ病は不眠に悩まされることが多いですが、冬季うつは過眠傾向になります。例えば1日中寝たのにもかかわらず、疲れが取れない感覚があります。

冬季うつではこのような症状が、冬が終わる頃に見られなくなるのが特徴です。

<冬季うつと一般的なうつ病に共通して見られる症状>

  • 気分が落ち込む
  • 気力が減退する
  • 不安になったり、イライラしたりする
  • 物事を楽しめない
  • 集中力が低下する
  • 疲れやすい

冬季うつの症状に当てはまるときは

冬季うつ患者と医師

冬季うつの症状に当てはまると思ったときは、自己判断をせずに、早めにクリニックや専門家に相談することをおすすめします。また、上司や人事、産業医などに相談し、業務量を調整するなどの対応をしてもらいましょう。言いづらい場合は、外部に設置されている相談窓口でも構いません。早めの相談と十分な休養を取ることが大切です。

以降は、冬季うつの原因や対策について紹介していきます。

冬季うつの原因

冬の早朝に出勤する男性

冬季うつは、一般的なうつ病と異なり、日照量の不足が主な原因とされています。ここでは、冬季うつの原因について見ていきましょう。

冬季の日照時間の短さ

冬季うつの発症には、秋冬の日照時間の短さが関係しているといわれています。日照時間が短くなると、体内時計をつかさどる脳内のメラトニンの分泌が遅れ、セロトニンなどの脳内神経伝達物質の分泌量が低下します。

セロトニンとは、感情を操る脳内の伝達物質をコントロールし、精神を安定させる働きがある物質です。そのためセロトニンが不足すると、感情のコントロールがしづらくなったり、不安定になったりして気分が落ち込みやすくなります。

多忙なビジネスパーソンの生活リズム

冬季うつは誰でもなり得る病気ですが、多忙なビジネスパーソンなどは特に注意が必要です。例えば、冬季には来年度の計画立案や年内処理の業務などで、通常よりも早く出勤することがあります。また、残業により退社時は既に暗い時間帯で、1日のほとんどをオフィス内で過ごす場合も。

さらに、在宅勤務の広がりにより、外出する機会そのものが減り、1日を通して太陽光を十分に浴びずに過ごすビジネスパーソンも少なくないでしょう。

繁忙期と重なりやすい冬は、仕事に関するストレスを抱えやすいため、冬季うつだけでなくその他のメンタルヘルス不調に陥る可能性もあるのです。

冬季うつの予防や早期発見には「セルフケア」が重要

季節性情動障害の診断チェック

冬季うつの予防や早期発見をするには、自身の心の健康を管理する「セルフケア」が重要です。先に挙げたような一般的なうつ病や、冬季うつ特有の症状を知っておくことで、自身のメンタルヘルス不調に気づきやすくなります。そうすると、相談するなどの行動に移すことができ、症状の悪化を防げます。このように、自身の心の健康状態について認識することが、メンタルヘルス不調の予防につながるでしょう。

冬季うつのチェック

ここで、冬季うつの可能性があるかをチェックする質問票を紹介します。こちらは、アメリカの精神科医ローゼンタール氏らによって開発されたチェック方法です。

以下のA〜Fの各項目にチェックを入れ、その合計点数に応じて以下のように評価します。

<合計点の評価方法>

  • 7点以下の場合「正常範囲内」
  • 8〜11点は「冬季うつの前段階」
  • 12点以上であれば「冬季うつの可能性がある」

ただし、正確な判断は必ず専門家に仰いでください。

<冬季うつのチェック表>

変化なし (0点)少し変化 (1点)中程度変化 (2点)かなり変化 (3点)極端に変化 (4点)
A. 睡眠時間
B. 人との付き合い
C. 全般的な気分の良さ
D. 体重
E. 食欲
F. 活動性

参照: 「Seasonal Pattern Assessment Questionnaire (SPAQ)」

自分でできる3つの冬季うつ対策

早朝に運動をする男性

冬季うつを予防するためには、日常生活の中で太陽光に当たる時間を増やし、適度な運動を取り入れながら、規則正しい生活を意識しましょう。日常でできる具体的な対策を紹介します。

1.積極的に光を浴びる

冬のセロトニン不足を解消するために、積極的に太陽光を浴びる時間を増やすことが大切です。一日中、日の差し込まない室内で過ごすと冬季うつにつながりやすいため、可能な限り外で太陽光を浴びるよう心がけましょう。

太陽光を浴びる時間が限られる場合は、自宅の照明を明るいものに取り替えるのでも冬季うつの予防につながります。 太陽光の代わりにするには、10,000ルクスの冷白色蛍光灯(通常の屋内照明の約20倍に相当)を20〜60分間浴びる必要があるとされています。

参考:厚労省 https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/48.html

2.栄養バランスの良い食事を摂る

栄養バランスの良い食事を摂ることも、冬季うつ予防につながります。肉や魚、大豆などのタンパク質には、セロトニンを生成するトリプトファン(アミノ酸)を多く含むため、冬場は特に意識して摂るようにしましょう。

ただし、タンパク質だけを過剰に摂取するのではなく、ビタミンやミネラルなどの栄養素も含め、バランス良く摂ることが大切です。また、食事をするときによく噛んで食べると、セロトニンの分泌が促されます。

3.適度な運動を取り入れる

セロトニンは運動を行うことでも分泌されます。運動は、一定のリズムで行うウォーキングなどの有酸素運動や、ストレッチなどがおすすめです。これらの運動はセロトニンだけでなく、意欲や快楽に関係するドーパミンというホルモンの分泌も促されるため、気分の落ち込みを防ぐことにつながります。

職場でできる冬季うつ対策

仕事の休憩中にストレッチする男性

上記で紹介した対策は、なるべく職場でも意識的に取り入れるようにしましょう。また、職場で行われているメンタルヘルスケア対策を活用するのもおすすめです。

●積極的に日光浴をする
短時間の休憩時やお昼休憩は、日の当たる場所へ移動したり、外出したりして積極的に日光浴をしましょう。

●適度な運動をする
長時間座ったままになりがちなデスクワークの場合は、1時間に一度は立ち上がったり、ストレッチしたりするだけでも、軽い運動になります。リモートワークの場合は、休憩時間に外を少し歩くのもおすすめです。

ワンポイント
職場で年に1回行われるストレスチェックの他、定期的に実施されるパルスサーベイなどの各種サーベイは、自身の状態を認識する機会でもあります。定期的にストレスチェックを受け、ストレス度合いや心の状態を把握しセルフケアにつなげることが重要です。また、職場で実施されるメンタルヘルス研修などに参加し、正しい知識を持つことも大切です。

冬季うつの原因や症状を理解してセルフケアにつなげよう

晴れやかな顔で空を見上げる女性

冬季うつは、一般的なうつ病と共通する症状もありますが、冬季うつならではの特徴的な症状もあります。その要因は日照時間と関係があるとされているため、積極的に太陽光を浴びたり、バランスの良い食事や適度な運動を取り入れたりすることが大切です。冬季に繁忙期を迎えるビジネスパーソンにも冬季うつが多く見られるため、自宅や職場でできる対策を取り入れましょう。

また、職場でストレスチェックやパルスサーベイなどが実施される場合には、積極的に受け、自身のメンタルヘルスの状態を把握して、対策につなげると良いでしょう。

企業の人事担当者は、従業員の心身の健康状態を把握し、未然に予防できるよう課題に向けた取り組みが求められます。

アドバンテッジpdca

アドバンテッジリスクマネジメントでは、従業員の状態を把握し、組織の課題を解決までサポートするサービスを取り扱っています。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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