被災された従業員の心のケアのポイントをご紹介

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このたびの令和6年能登半島地震で被災されましたみなさまには、謹んで心よりお見舞い申し上げます。

日々伝えられる被害状況に、被災地の方々はもちろんのこと、多くの方々が心を痛めていることと思います。被災された方々および、被災地に事業所を有する企業の人事担当者や管理職の方々のお役に立てればと思い、被災直後の注意すべきポイントをまとめました。

被災直後の対応のポイント~人事・管理職向け~

被災直後は心身両面において少しでも安心し、落ち着いていただくための支援が大切です。被災された方々がいま必要としていること、問題と感じていることを解決する現実的な支援と情報提供が非常に重要になります。 被災された従業員に話を聞くときには、共感的な態度で、必要とされていることを確認しましょう。

また社内はもちろんですが、社外も含めた支え合いのネットワーク構築も大切です。特に不調を抱えている状況が懸念されるのであれば、社内産業保健スタッフや病院、クリニック、EAP等、専門機関へのご紹介を検討しましょう。支援先があることを示し、被災された方が一人で抱え込む状況にならないよう配慮することが必要です。

災害直後にしていただいたほうがよいこと

・負担をかけない共感的な態度で、穏やかに、忍耐強く、思慮深く、落ち着いて接しましょう。
・話を聞くときは、被災者の方が何を伝えたいのか、自分がどう役に立てるのかに焦点を当てましょう。
・被災者の方が話したくないことは話さなくて済むように、詳細にお話をさせてしまわないように注意しましょう。ご本人が話し始めたら聞く、というスタンスで問題ありません。
・被災体験やトラウマ体験を思い出すきっかけとなるものからできる限り遠ざけてあげるよう配慮しましょう。(例:マスコミの報道等に触れすぎない)

災害直後にしていただかないほうがよいこと

すべての被災者の方が体験がトラウマとなっていたり、障害や病気を引き起こしている、あるいは話をしたいと思っているとは限りません。無理に話を聞き出すことは避けましょう。
以下のような被災者の方の反応は、ごく当然なストレス反応として捉え、否定をしないようにしましょう。 

 ・恐怖・不安・音の刺激に対する過敏な反応
 ・恐怖体験が断片的によみがえり嫌な感情を思い出す
 ・集中力の低下、怒り、いらいら、罪悪感、後悔
 ・悲しみ、抑うつ、感情の麻痺、否定的な考え

こうした反応が見られても、今後は時間の経過とともに、自力で回復される方も数多くいらっしゃいます。ただし、これらのストレス反応が非常に強く出ている方は、医療機関、保健関連機関、EAP等のご利用もご検討ください。

被災されたご本人が気をつけられるとよいこと

前述したように、被災の体験により、起きて当然といえる反応というものがあります。それらの多くは時間の経過とともに軽減します。

適切な対処方法を実行しましょう

 ・サポートしてくれる人や場所を知り、活用しましょう。誰かと一緒に過ごすことも大切です。
 ・適切な休養やできる限りの食事をとりましょう。読書や運動等、建設的な気晴らしを行いましょう。

不適切な対処方法を避けましょう

 ・過度のアルコールや薬物を摂取すること
 ・独りで抱え込んで引きこもる。じっとしていること。家族や友人とのつきあいを避けること
 ・長時間テレビを見る、あるいはSNSやゲームに没頭すること

腹式呼吸を用いた簡単なリラクセーション

お腹がへこむようにゆっくり息を口から少しずつ吐き、自然にゆっくりお腹が膨らむように鼻から息を吸います。腹式呼吸をゆっくりと繰り返すことでリラックスできます。

呼吸法については以下の記事でじっくり紹介しています。
「オフィス」でできる=その場でできる、という意味を込めていますので、ご参考になればと思います。

まとめ

すでに実施をされていたり、ご案内をしている企業のご担当者もいらっしゃることと思いますが、改めて被災直後の注意すべきポイントをまとめました。
支援を必要としている方々の安全と、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

なお、本記事の内容をシンプルに見やすくまとめた資料もございます。ぜひご活用ください。
被災された従業員様の心のケアについて(PDF資料)

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
「人」ソリューション1部 カウンセラー

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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