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サンプル公開!ストレスチェックの社内規程の作成方法【ストレスチェック徹底活用コラム】

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ストレスチェックに関する社内規程、作成は必須?

ストレスチェック制度を導入する責任は事業者にあり、ストレスチェックの実施体制や実施方法などを定め、社内規程として文書化することが義務付けられています。

ストレスチェック実施前に、労働者に対して制度の導入方針を表明し、社内規程を周知しなければなりませんので、事業場の衛生委員会(※)などで話し合って、ストレスチェックに関する社内規程を作成しましょう。

なお、ストレスチェック実施後、各事業場はその事業場を管轄する労働基準監督署に実施結果を報告しなければなりませんが、ストレスチェックに関する社内規程を労働基準監督署に届け出る必要はありません。

※衛生委員会
常時50人以上の労働者を使用する事業場は、衛生委員会を設置し、毎月1回以上会合を開かなければなりません。

衛生委員会は、衛生管理者免許などを持っている衛生管理者、産業医などで構成されていて、衛生に関する規程や計画の作成、長時間労働などによって労働者の身体的・精神的健康が害されることを防ぐための対策を検討・推進するなどの役割を担っています。

ストレスチェックの社内規程文書のサンプルと明記すべき11のポイント

ストレスチェックに関する社内規程を明文化する際、決まった形式はありません。社内規程に明記すべき11のポイントを確認して、サンプルを基に各事業場の実態に合わせて加筆修正するといいでしょう。

<ストレスチェックの社内規程文書サンプル>
ストレスチェック制度実施規程(例) [厚生労働省・PDF]

ポイント1. ストレスチェック制度の目的に係る周知方法
ストレスチェックを実施する目的を労働者に周知する方法について規定します。

ポイント2. ストレスチェック制度の実施体制
以下のような、ストレスチェックを実施する体制について規定します。

1)ストレスチェック制度の計画を作ったり、進捗状況を管理したりする制度全体の担当者
2)実施者、共同実施者
3)実施者をサポートして事務業務を行う実施事務従事者
4)高ストレス者に対して面接指導を行う医師

ポイント3. ストレスチェック制度の実施方法
以下のような、ストレスチェックを実施する方法について規定します。

1)実施時期と対象者
2)ストレスチェックに使用する調査票と調査方法
3)ストレスの程度の評価方法
4)面接指導の対象とする高ストレス者を選ぶ基準
5)労働者が面接指導を申し出る方法、面接指導実施場所

ポイント4. ストレスチェック結果に基づく集団ごとの集計・分析の方法
集計・分析する方法や集団の規模について規定します。

ポイント5. ストレスチェックの受検の有無の情報の取り扱い
実施対象となる労働者にストレスチェックを受けるよう勧奨する方法や受検したかどうかを事業者が把握する方法について規定します。

ポイント6. ストレスチェック結果の記録の保存方法
以下のような、ストレスチェック結果の記録の保存方法について規定します。1)保存担当者
2)保存場所や保存期間
3)実施者を含む実施事務従事者以外が結果を閲覧しないためのセキュリティ確保方法

ポイント7. ストレスチェック、面接指導及び集団ごとの集計・分析の結果の利用目的及び利用方法
以下のような、ストレスチェック制度に関わる結果の利用目的・方法について規定します。

1)結果を労働者に通知する方法
2)結果を事業者に提供する場合、労働者の同意を取得する方法
3)集団分析の結果の活用方法

ポイント8. ストレスチェック、面接指導及び集団ごとの集計・分析に関する情報の開示、訂正、追加及び削除の方法
ストレスチェック制度に関わる情報開示などの手続き方法や情報開示に関わる者の守秘義務について規定します。

ポイント9. ストレスチェック、面接指導及び集団ごとの集計・分析に関する情報の取り扱いに関する苦情の処理方法
ストレスチェック制度に関わる情報の取り扱いについて苦情があった場合の対応方法について規定します。

ポイント10. 労働者がストレスチェックを受けないことを選択できること
労働者がストレスチェックを受ける義務はないことを明記します。

ポイント11. 労働者に対する不利益な取扱いの防止
ストレスチェック制度実施において労働者が不利益を被ることがないよう、事業者が行わない行為について規定します。

ストレスチェックの社内規程作成まとめ

ストレスチェック制度の実施は、事業者の施策・業務として取り組むべきものです。実施前にストレスチェックに関する社内規程を定め、事業場内の目立つ場所に貼り出したりイントラネットを活用したりするなどして、全ての労働者に周知することが求められます。

ストレスチェック制度を実施することによって、労働者の非常にデリケートな個人情報を取り扱うことになるため、ストレスチェックを円滑に進めトラブルを回避するためにも、事業場内でルールや手順をしっかりと決めて社内規程という形で明文化しましょう。

労働者にストレスチェックを受ける義務はありませんが、ストレスチェックを実施する目的は、労働者一人ひとりがストレスの原因やストレスによる症状を自覚し、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐことにあります。

ストレスチェック制度を実施する前に、一人でも多くの労働者が安心して受検できる環境や体制をつくりましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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