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ニューノーマルな働き方を実現させるためになぜDXが必要なのか

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新型コロナウイルスの世界的な流行により人々の生活様式は変わり、各企業には時代の変化に対応する「ニューノーマルな働き方」の実現が迫られています。その代表例にはテレワークやハイブリッドワークなどがありますが、ニューノーマルな働き方を実現するには、さまざまなデジタル技術を活用する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が欠かせないといわれています。

この記事では、ニューノーマルな働き方とDXの関係について解説したうえで、人事戦略の変革を支援するDX推進ツール、DX施策を実行する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

◆ニューノーマルな働き方とDXの関係

ニューノーマルな働き方とは、新しい生活様式に対応したワークスタイルを意味します。コロナ禍にある現代のニューノーマルには、テレワークやワーケーション、ハイブリッドワーク、ローテーション勤務など、ソーシャルディスタンスを意識した働き方が挙げられます。

一方、DXとは「デジタル変革」とも言い換えられ、デジタル技術の活用によって自社製品やサービス、業務、組織、企業文化などを変革し、競争優位性を実現することをいいます。コロナ禍でテレワークが進む今、企業にはアクセス環境の整備が求められています。

属人化している業務とそれに紐づくデータがバラバラに存在していること、また、紙で管理している情報については、あらためて見直しが必要なタイミングとなっています。そのうえでソーシャルディスタンスを確保しつつ従業員の生産性を高めていくには、デジタル技術を活用した働き方改革が欠かせません。

そのため、DXの推進なくしてニューノーマルな働き方を実現することは不可能と言っても過言ではないのです。

◆DX施策を実行する際に押さえておきたい2つのポイント

明るい部屋にある「2」の形をした置物

ニューノーマルな働き方の実現にデジタル技術の活用は不可欠ですが、ただ導入するだけでは十分な成果を得ることはできません。また、企業は業務のデジタル化にともなうリスクについても知っておくべきでしょう。ここでは、DX施策を進めていくうえで押さえておきたいポイントをご紹介します。

DX推進ツールの導入目的を明確にする

DX推進ツールはあくまで企業の目的を達成するための手段であり、ツールを導入すること自体が目的になってしまっては本末転倒です。まだ導入目的が明確になっていないにもかかわらず、具体的な施策や取り入れる技術について議論しても意味がありません。

DX推進ツールの導入ポイントは、そもそもなぜDX施策を実行するのか、DXによって自社のどのような課題を解決していきたいのかなど、導入が必要な理由を明らかにしておくことです。また、システムが乱立してしまってはかえって使いづらくなるため、導入の際は連携できるデータやシステムを確認しておく必要があります。

ただし、むやみにデータを集約するのではなく、導入目的と照らし合わせながら集めるべきデータを見極めることが大切です。

DX推進によって生じるリスクを把握しておく

業務にデジタル技術を取り入れるうえでは、セキュリティリスクが高まることを理解しておかなければなりません。セキュリティに穴があった場合、顧客名簿や企業機密などの情報漏洩によって企業の信用が失墜してしまう恐れがあります。こうした事態を防ぐためには、導入するDX推進ツールのセキュリティ対策が不可欠です。

また、DX施策が失敗した場合には、企業競争力や生産性が低下する可能性もあります。このリスクを回避するには、迅速な意思決定フレームワーク「OODAループ」(※)を取り入れるなど、柔軟かつ継続的な評価・改善が必要になるでしょう。

(※)「観察(Observe)」「状況判断(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の4ステップを素早く繰り返すフレームワーク。OODAループを取り入れることで現場の状況に即した臨機応変かつスピード感のある対応が期待できる。

◆ニューノーマルな働き方を実現するDX推進ツール

ニューノーマルな働き方を実現するには、自社の目標達成や課題解決に役立つデジタル技術を取り入れることが大切です。ここでは、DXを推進するツールの一例をご紹介します。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールの代表例には、チャットやオンライン会議ツールなどがあります。直接的な接触の機会が減るニューノーマルな働き方において、対面と変わらない円滑なコミュニケーションをとるためには欠かせないツールです。

健康管理システム

ニューノーマルな働き方では、従業員一人ひとりの心身の健康状態を把握することが難しくなります。テレワークが続くと孤独感や運動不足から、心身の健康を損なうリスクも高まります。従業員の健康状態を把握するため、健康診断の結果を一元管理できるシステムの活用も有効でしょう。

ストレスチェックやエンゲージメントサーベイ結果と連携できると、より多様な観点から従業員の状態を把握できます。産保スタッフによる面談がよりスムーズに行えるなど、業務負担の軽減にも繋がるでしょう。

勤怠管理システム

テレワークなど出社しない働き方においても正確な勤務状況が把握できる勤怠管理システムの導入が欠かせません。出勤・退勤の打刻だけでなく、給与計算ツールなどと連携が容易なシステムや、長時間労働・有給休暇の取得状況など従業員の健全な働き方が確認できるシステムの導入がおすすめです。

これらのデータと、心身の健康状態を併せて分析できる仕組みもあると良いでしょう。

人事評価システム

ニューノーマルな働き方では従業員一人ひとりの働きぶりを直接見る機会が少なくなり、人事評価が難しくなります。人事評価システムを導入すれば、詳細な評価項目や従業員個々の目標、実績、属性などを設定することで評価方法を統一化でき、個人の主観にとらわれない公平な人事評価を実現できます。

また、タレントマネジメントシステムと連携することでこれまでの経験やスキルを可視化でき、従業員の能力を最大限発揮できる適材適所な人員配置が可能になります。

RPAツール

RPA(Robotic Process Automation)ツールとは、データ入力やチェック、電話・メールの自動応答、データ収集・分析など、手順通りに進められる定型的な作業を自動化するツールです。ニューノーマルな働き方を実現するには、緊急事態が起きたときに事業への損害を最小限にとどめるBCP(事業継続計画)対策が欠かせません。

RPAツールは、BCP対策の一環として活用できるでしょう。

電子契約サービス

ニューノーマルな働き方で注目を集めているのが、書面の契約書に代わる「電子契約書」の存在です。電子契約サービスを利用すれば、押印した紙の契約書と同等の効力が認められる契約をオンライン上で交わすことができます。

◆まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークや時差出勤が推奨される今、企業が時代に沿ったニューノーマルな働き方を実現するには、デジタル技術を活用して競争優位性を確立するDXが欠かせません。勤怠管理システムや人事評価システムなど、DXツールにはさまざまな種類がありますが、ただ導入するだけでは企業が望む成果を得ることはできません。

こうしたツールを取り入れる際は、あらかじめ導入目的を明確にし、導入そのものが目的にならないよう注意する必要があります。自社が抱える人事課題を解決するには、人事戦略の変革を支援するDXツールの活用が不可欠です。効果的な課題解決へと導くDXツールを取り入れ、DX施策を成功させましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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