最前線で働くメンバーへのメンタルヘルスケア~ストレスの「あらわれかた」を知る~

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本コラムは、2020年5月31日に公開した動画内容を一部編集しています。

コロウイルスの影響が引き続き懸念される昨今、感染予防のために在宅勤務など働き方が大きく変わり、現在も継続されている方も多いのではないでしょうか。

一方で、感染リスクが懸念されるなか、出社をしなければならない、あるいは医療現場や官公庁、社会インフラなどの最前線で働かれている従業員の方々には、さまざまなストレスが継続的にかかっています。

今回は、コロナウイルス禍において現場の最前線で働かれているメンバーのメンタルヘルスケアのポイントをお伝えします。

人によって感じ方が異なる「ストレス」

まずはストレスの基本について説明します。

人は日々様々なストレスに接しており、生きていく中でストレスがゼロになることはあり得ません。また人によって、ストレスの受け止め方は異なるため、「自分は大丈夫だから、相手も大丈夫」という考え方には注意が必要です。

まずは、「ストレス」によって人はどのような影響を受けるのか?そして、そのとき管理職が気を付けるべき「心・身体・行動面でのチェックポイント」は何か?の2点についてお伝えしていきます。

コロナ禍において、最前線で働かれている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。会社機能の維持のため、スーパー・薬局、エネルギーといった社会インフラを稼働させるため、医療・福祉など市民生活を守るため・・・今この瞬間も、感染のリスクと隣り合わせで働いている方々が多くいらっしゃるはずです。

会社や個人で徹底した感染予防策を講じているとはいえ、それでもやはり不安やストレスは必ず生じます。このような状況で働く方々が感じるストレスの例として、感染に対する不安や人手不足による業務量の増加、会社のコロナ対応方針への不満などが挙げられるでしょう。

恐らく皆さまの職場でも、多かれ少なかれこのような不安・ストレスを感じているのではないでしょうか。また、ウイルスという目に見えないものに対して、どう向き合っていくか、多くの方が頭を悩ませていることと思います。

一方で、コロナ禍で働くメンバーの方々には、強い使命感や責任感をお持ちの方も多いことでしょう。「自分がこの仕事をすることで、お客様の生活を維持・向上できる」「同僚が円滑に仕事をすることを支えることができる」と意義を感じて、いつも以上に懸命に働くメンバーもいるかもしれません。

そのような人であっても、普段とは異なる状況にストレスを感じていながらも頑張りすぎてしまうことで、自身も気づかぬうちに不調に陥ってしまう可能性もあります。このように、ストレスの感じ方や程度は人それぞれであることをおさえておくことが重要です。

また、メンバーがストレスに向き合っていく中で管理職が行うべきことは、負荷の強い今の状況において、メンバーの心身にどのような影響があるのかをしっかりと知り、理解することです。まず、人が強いストレスを感じるとどのようなことが起きるのか、説明しましょう。

時間軸でみるストレスが人に及ぼす影響

ここでは、ストレスが人に及ぼす影響を時間軸で見ていきます。

急なストレスがかかることで、生き物は大きく3段階を経て、色々な反応を示すことがわかっています。ストレスがかかって数日を指す「警告反応期」では、心身に不調が表れる中、適応しようと身体が反応し、防衛反応として抵抗力を高めることで、そのうちストレスに抵抗できるようになっていきます。

その結果、数か月くらいは、同様のストレスに抵抗し、心身の不調を感じにくくなる状態、「抵抗期」が続きます。実はこの「抵抗期」が注意すべき時期なのです。多くの管理職は「こんな大変な中でも、気丈に頑張っている!」とポジティブに評価してしまい、その人へのケアや注意を怠ってしまうことがあります。

上手く対処できているように見えるのは一時的なものが多く、メンタルヘルス不調が表れるのは、少し時間をおいた、概ね1か月から3か月以降になるのです。

一定以上のストレスがかかりすぎると、やがて抵抗することができなくなり、第三段階の「疲はい期」に移ります。そのときには、「なぜ、あの人が・・・」というように、職場内にバタバタと不調者が現れてきます。

例えば、納期が厳密なプロジェクトを担う職場では、強いストレスが常時かかり続けるため、このような傾向がみられます。

残念ながらメンタル不調が発生してしまう部署の管理職の方は、「いまを乗り越えれば大丈夫」「辛いのはいまだけだ」と言って、メンバーのケアに手が届いてないことがあるのです。

1~3か月が経過して疲はい期が来る前にメンタル不調を予防すべく、管理職は日頃から部下のことを気にかけることが大切です。では、どのような点に注意すべきでしょうか。

管理職がチェックすべき部下の変化とは

たとえば、変化のチェックポイントとして、以下の例を挙げます。

イライラや不安が募るといった心の変化、頭痛や腹痛などの身体の変化は目で見えづらい部分については本人の気づきが必要ですが、目で見える行動面の変化は、周りが気づくことが可能です。

これまでよりも周囲の人との対立が増えていないか?これまでよりも物忘れや納期遅れが激しくなっていないか?のように、「これまでと比べてどうなっているか」を気にしてみましょう。

注意すべき目安は、「2週間」です。2週間、ただ観察するのではなく、気になる傾向が数日続いたら「最近、どうかな?」とこまめに様子をうかがうことが大事です。そのうえで、2週間以上続くのであれば、産業医や保健師、人事部門と連携し、適切な対応を進めるのが良いでしょう。

管理職がメンバーの様子を観察し、部下のストレス面を気に掛けることが、メンタル不調防止に繋がっていきます。

ここまで伝えてきたことは、心理学の一側面からみた話に過ぎません。中には「とはいえ、仕事は待ってくれないし、ストレスはある」「自分だってストレスはあるのに上手くやっているんだ」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

私たちの調査からも管理職に就かれる方は、ストレス対処力が高いことがわかっており、このような感想を持つことは当然のことと思います。

一方で、メンバーは管理職の皆さんのようにうまくストレス対処ができていない場合が多いかもしれません。だからこそ、管理職自身のストレス対処のコツを伝えるなど、積極的にサポートすることにとても意味があるのです。

メンバーのストレスを軽減するために管理職ができること

メンバーのストレスを軽減するためには、具体的に以下のポイントが挙げられます。

人がストレスに接したときには、多くの場合、「立ち向かう」か「逃げる」という選択肢のどちらかを選ぶのですが、仕事では逃げるわけにもいかず、何かを強いられることでさらにストレスが高まってしまいます。

そのためにも、管理職の皆さんが自ら「ストレスに対処できるような選択肢を提示すること」、そして管理職の皆さんが一人で解決するのではなく、「相互に助け合える仕組みを作ること」が重要です。

例えば、顧客対応をするメンバーが、非常に強いクレームを受けているとします。

そのときに、本人ひとりで対応をさせて終わるのではなく、同様のクレームを対応したメンバーをサポートに充てたり、場合によっては上司が一時的に対応を引き受けたり、後で対応を一緒に振り返ったりする等、様々な選択肢を用意することが大事です。

またメンバー同士で助け合う仕組みを作ることで、お互いをサポートし合う気持ちや風土が築かれ、職場全体のストレスへの抵抗力を高めることも期待できます。

まとめ

ここまで、最前線で働くメンバーへのメンタルヘルスケアの内容をお伝えしました。

・ストレスの感じ方は人それぞれであること
・ストレスを軽減させるために、早めに部下の変化に気づき、対策を心がけること

これらを意識し、メンバーとの接し方に活かしていきましょう。次回は、具体的なアクションをご紹介します。

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント
組織ソリューション部 コンサルタント

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「個と組織の未来基準の元気を創る」トピックスをお届けします。

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