職場のハラスメントを防止するためのプラスαの対策とは?

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パワーハラスメント(パワハラ)の防止措置を企業に義務付ける法律が2020年6月から施行されるのに合わせて、多くの企業が対策を講じ始めています。しかし職場環境を改善する機運が高まる一方で、現状の対策だけでは足りないと感じている企業も少なくありません。

果たして本当に効果のあるハラスメント対策とは、一体どのようなものなのでしょうか。今回はパワハラを防止するためのプラスαの施策についてご紹介いたします。

4割の企業が「現状のパワハラ対策では不十分」と回答

ハラスメントに対する人々の意識は、年々高まっています。しかしハラスメントが職場から消えることは、いまだありません。アドバンテッジリスクマネジメント社の調査によると、8.5%の人が「上司に人格を否定するような発言をされた」と答えました。

また上司から部下だけではなく、同僚からのハラスメントや、部下から上司へのハラスメントなども増加傾向にあります。そもそもハラスメントは、なぜ起こるのでしょうか。

パワハラの原因としてまず考えられることは、人手不足による労働環境の悪化が挙げられます。職場のイライラ感が高まることで、結果的に不満や苛立ちが部下に向かってしまうというわけです。またパワハラに関する認識不足や希薄なコミュニケーションも大きな原因になり得ます。

そうした中、同調査によると、2018年12月時点で約8割の企業が「管理職対象の研修」、「相談窓口の設置」、「ポスター掲示や小冊子配布による啓発」など、パワーハラスメント対策をすでに実施していると答えました。

しかし一方で、そのうちの4割の企業は現状の対策だけでは「不十分」だと回答しています。ではなぜ、対策しても十分な効果が得られないのでしょうか。例えば「管理職対象の研修」の場合は、座学だけでは知識が身につかないことが多く、なかなか当事者意識も芽生えません。

また「相談窓口の設置」に関しても、そもそも存在を知られていなかったり、知っていても使いづらいと感じられていて利用率が低かったりと形骸化している場合などがあります。よってハラスメントを防止するためには、これらの基本的な施策と合わせ、プラスαの施策を実施することが必要不可欠なのです。

いかに従業員同士のコミュニケーションを改善するか

教育に関しては管理職だけでなく、全従業員が継続的に受けられるような体制を整えましょう。さらにハラスメントはコミュニケーション不足が原因の一つのため、ハラスメントが起こりづらい環境をつくるためには、職場のコミュニケーションを改善する必要もあります。

前述したように、コミュニケーションの不足はパワハラが起こる大きな原因の一つになり得ます。そこで鍵となるのが、EQ(Emotional Intelligence Quotient:感情をうまく管理し、利用できる能力)です。

EQを高めることで、自分の感情をコントロールする、相手の感情を知りそれを慮る、状況によって感情を使い分けるということができるようになります。もしも上司が、部下が傷つくことを恐れ、何も言えなくなってしまうと、健全な議論はできませんし、部下が成長する機会を奪うことにも繋がりかねません。

しかし、上司も部下もEQを高めれば、信頼関係の構築に繋がり、言いたいことを言い合っても、ハラスメントと受け取られるどころか、お互いをより高め合うコミュニケーションになるでしょう。加えてハラスメントの防止には、“怒り”をコントロールするスキル=アンガーマネジメントの実践も有効だと考えられます。

一方、言葉の受け取り方を改善するには、メンタルタフネスを鍛えることが有効です。上司から難しい仕事を任されたとき、「嫌がらせかな…」と思うのか、「よし、やってやろう!」と思うのかで、ストレスの度合いは大きく変わってきます。

受け取る側のメンタルタフネスが低いと、たとえ適切に業務を振り出しているだけであっても、上記のように「嫌がらせかな…」などとネガティブに捉えられてしまう可能性もあるわけです。

このように、もし思考や行動の癖が自分を苦しめているのだとすれば、認知行動療法を通じて、物事の見方を変える訓練をするといいでしょう。メンタルタフネス度が高まれば、上司からの言葉に過剰に反応したり、ストレスを溜め込むことも減るはずです。

使いやすい相談窓口の設置と効果検証

では、上記のような対策をしてもハラスメントを受けてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。そこで鍵を握るのが相談窓口です。

被害者をケアするためにも、また従業員が日々安心して働けるようにするためにも相談窓口は不可欠なのですが、前述したように多くの企業では、使われていないケースや、使いづらいケースも目立っています。

例えば、杓子定規に事情聴取をするような窓口では、誰も相談したいと思いません。また、「会社に知られると大ごとになるのでは…」、「人事評価に響くのでは…」と心配する人も少なくないでしょう。

そこで人事部門だけでなく、社内カウンセラーや労働組合にも窓口機能を持たせ、さらに社外にも設置するなど、中にも外にも安心して相談できる窓口を複数持つことが重要です。また相談を受ける際は、訓練を受けたカウンセラーのように相手の心理面に配慮した対応が求められます。

こうして従業員の教育や相談窓口を整備したら、ハラスメントの現状把握と効果検証をしましょう。ただ形式的に対策だけ講じて、成果を求めないのであれば、そこにコストを投じる意味などありません。せっかくやるのなら、成果の出る施策のほうがいいですし、成果が出たかどうかを測れる仕組みも用意したいところです。

そこでお勧めしたいのが、年1回以上の実施が義務づけられているストレスチェックの設問に、ハラスメントの調査項目を追加するというもの。調査の工数を増やすことなく、自社のハラスメントの状況を毎年確認することができます。

そして可視化したデータをもとに改善目標を設定し、次の施策に繋げていくなど、PDCAを回し続けることが大切です。

ハラスメント対策は、職場のコミュニケーションはもちろんのこと、組織の強さの根源にも関わる重要な課題です。パワハラ防止法が施行されるこの機会に、今までの形式的な施策を見直し、ぜひ本質的な対策を講じていきましょう。

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