研修を受けている新卒社員

どうすればいい?効果的な新入社員研修の内容とは

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

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若年層人口が急速に減少しつつある近年は、企業にとって優秀な若手人材の採用、リテンション、早期戦力化が大きな課題となっています。

新入社員研修とは、新人に対して社会人、企業人としての基本能力やマインドセットを身につけてもらうだけでなく、エンゲージメントの醸成、その後の新人の仕事への取り組み方や成長にも影響する重要な施策です。本記事では、効果的な新入社員・若手育成研修の内容をご紹介します。

新入社員研修とは

新入社員研修とは、一般に新卒採用などで新たに入社してきた社員に、基本的な業務知識を教え現場にスムーズになじんでもらうことを目的とします。

厚生労働省の「平成28年度『能力開発基本調査』」によると「新規採用者など初任層を対象として研修」を実施している企業の割合は74.2%であり、日本の大多数の企業が新入社員に対して導入研修を実施していることがわかります。

一般的な新入社員研修は、以下のカリキュラムが中心となります。
・ 企業理念、ビジョン、企業の価値観の理解
・ 学生と社会人の立場やマインドセットの違い
・ 基本ビジネスマナー(報告、連絡、相談、メール、ビジネスチャットマナー等)
・ コンプライアンスの重要性
・ 専門職の場合、業務に必要な技能研修(プログラミング研修等)

日本は新卒採用を行う企業がマジョリティなので、新入社員研修の内容も学生から社会人へのマインドセットの変化を目的とする研修が主流です。

しかし、近年は新卒社員の早期戦力化を意図する企業が増えていることや、アクティブラーニングについての理解が浸透してきたこともあり、新入社員研修でもディスカッション、参加型、体験型の実践的な研修が増えつつあります。期間も1週間程度~3カ月、長い場合は半年間と企業によってさまざまです。

AIスピーカータイプと言われる最近の新入社員の特徴とは?

若者の価値観は時代ごとに変化しそれぞれの世代に特徴があります。産労総合研究所は2019年の新入社員を「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」と命名しています。

AIスピーカーのように多彩な力があるものの、能力を発揮してもらうためには適切な環境や手厚い教育が必要という解釈です。2019年入社の新入社員はゆとり世代にも該当します。

・指示待ちで言われたことしか対応しない
・ストレス耐性が弱い
・オンリーワン志向であり上昇志向が低い
・ワークライフバランス重視
と言われるゆとり世代の特徴も備えていると踏まえる必要があります。

教育する側としては、若い世代の高度な情報処理能力、好きなことなら没頭できる性質、チームワークを重視する長所を生かしつつ、ビジネスの現場に必要なストレス耐性なども身につけてもらうよう段階的に教育研修していく必要があると言えるでしょう。

新入社員研修の効果を高めるためのポイント

新入社員研修の効果を高めるポイントは、最初に各研修カリキュラムの目的を明確に伝えることです。ついこの間まで学生だった新人は、新入社員研修を教育してもらえる期間と受動的に捉えている可能性があります。

広範囲な内容を短期間で学ばなければならないため目的がわからないと内容によっては関心が薄くなる可能性もあります。

前述したようにゆとり世代の特徴の一つに「意味合いを求める」という点があります。「コンプライアンスを学ぶ目的」「ビジネスマナーを学ぶ目的」などしっかりと研修の意義が理解してもらえると、より効果を高めることにつながるでしょう。

研修内容は、座学だけでなく参加型のカリキュラムを盛り込むことも大切です。ビジネス経験が浅い若者は仕事において誰かが「正しい解答」を持っていると思う傾向があります。

それも間違いではありませんが、課題を自ら発見し主体的に解決していくことが基本であると理解してもらうためには、参加型スタイルのいわゆるアクティブラーニングは効果的だと言えるでしょう。

また、教育関係のサイトなどでよく紹介される「ラーニング・ピラミッド」という概念・図がありますが、講義型だけで学ぶよりも、自らデモンストレーションしたり、ディスカッションしたり、体験したりすることが効果的と言われています。重要なのは「多角的に学ぶ」ということです。

最後に、新入社員研修の効果を定着させるためには現場での実践が重要です。しかし、多くの企業が新入社員研修を重要視する割にOJT教育は現場まかせの傾向があります。前述の調査でも「計画的なOJTの実施」をしている割合は51.8%でしかありません。

OJT教育を現場まかせにすると、現場の上司の指導力やフォローの丁寧さ、上司・部下の相性などにより成長度合いにばらつきが出る可能性があります。

現場には新入社員研修の内容を共有しておき、人事部主導で現場と連携をとりながら期間を決めて計画的なフォローアップ研修をしていくことが望ましいでしょう。

まとめ

近年は、新入社員に対してもキャリアデザインを描かせて企業がそれを支援するケースが増えています。AIが登場し世の中にある仕事の50%がなくなると言われるような変化の激しい時代には、自分のキャリアに自律的で変革にチャレンジできるような人材でないと成果を出していくことが難しくなるからです。

しかし、近年の若い世代の「好きなことに没頭したいという価値観」「チームワーク重視」「成長志向」の3つの特徴は、「好きなことを仕事にしなければAIに勝てない」とも言われるこれからの時代にむしろマッチすると言えます。

新世代の若者の成長意欲を引き出せるように、教育研修の際はその目的・意義を明確に伝え、フォローもきめ細かく行いながら育成していきましょう。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数3,140社/利用者数483万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄に3年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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