プラチナくるみんとくるみんの違いをご存じですか?本記事では認定基準や税制控除など制度の違い、2025年4月法改正と経過措置を解説。取得メリットや申請手順も網羅。子育て支援を強化したい人事必見です。最高位の「プラチナくるみん」は、継続的な取り組みと高い実績が求められる特例認定です。自社に最適な認定はどちらか、最新の基準に照らしてスムーズな取得を目指しましょう。
プラチナくるみん認定の取得を目指すには、仕事と出産・育児との両立支援の取り組みレベルをさらに高めることが求められます。単に制度を整えるだけでなく、本質的な運用を続けていけるかがカギとなります。Career & Baby(キャリア&ベビー)は、妊娠期から復職後まで、当事者・上司・人事の三者に伴走し、両立支援の環境づくりをサポートします。
目次
プラチナくるみん認定とは

まずは、プラチナくるみん認定の概要をご紹介します。
プラチナくるみん認定とは
プラチナくるみん認定は、くるみん認定またはトライくるみん認定を取得した企業のうち、より高い水準で両立支援の取り組みを行い、一定の要件を満たした場合に認められる認定です。2015年の次世代育成支援対策推進法の改正により、「特例認定制度」として新たに創設されました。なお、プラチナくるみん認定の申請ができるのは、直近の行動計画のみが対象です。
2025年4月の法改正で、くるみん認定制度の各認定基準の見直し、引き上げが行われました。令和6年度末までの計画期間を含む行動計画であっても、令和7年度以降の期間のみを対象として新基準を計算し、申請できる経過措置が実施されています。各認定基準の引き上げに伴い、令和8年3月31日までの期間を含む公表分については、新基準を満たしていなくても、旧基準を満たしていればプラチナくるみん認定の取消対象にはなりません。
参考:厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!(令和7年3月)」
参考:厚生労働省「次世代育成支援対策推進法の改正に伴い、くるみん認定、 プラチナくるみん認定の認定基準等が改正されます」
プラチナくるみん認定の位置づけ
プラチナくるみん認定は、くるみん認定制度の“最上位”の位置づけで、実効性のある取り組みの継続が要求されます。連続した2回の事業年度で基準未達が続くと、プラチナくるみん認定の取消対象になります。認定取得企業は、仕事と子育ての両立支援を積極的に行い、取り組みを一歩リードする存在といえるでしょう。
くるみん認定制度とは

くるみん認定制度には、認定基準の見直しや引き上げに対応する形で、複数の認定区分が設けられており、それぞれ求められる水準や位置づけが異なります。制度全体の考え方を整理しておきましょう。
くるみん認定制度とは
くるみん認定制度は、仕事と育児の両立支援を積極的に進める企業を認定する、厚生労働省の制度です。次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、定められた目標の達成など一定の基準を満たすと、申請により認定を受けられるものです。
取り組みの水準に応じて、トライくるみん認定・くるみん認定・プラチナくるみん認定の3段階の認定があり、不妊治療に関する取り組みが認められると「プラス認定」が得られます。認定マークには最新の認定年度と取得回数を示す星がつきます。
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次世代育成支援対策推進法とは
次世代育成支援対策推進法は、子どもが健やかに育つ社会の実現を目的として、2005年に施行された法律です。少子高齢化や労働力人口の減少などの社会課題を背景に、国・自治体・企業それぞれが担う責務を示したものです。同法では、常時101人以上の従業員を雇用する企業に、育児と仕事の両立支援に関する取り組みを盛り込んだ一般事業主行動計画の策定・届出を義務付けています(100人以下は努力義務)。
くるみん認定制度が創設された理由
くるみん認定制度は、同法が求める両立支援の取り組みを評価・後押しする仕組みです。育児を理由に離職せざるを得ない就業構造を見直し、男女ともに働き続けられる環境を広げることが主な目的です。そのための環境づくりを進める企業を“見える化”し、国が評価することで、取り組みが加速していくことが期待されています。
プラチナくるみん認定とくるみん認定の主な違い

くるみん認定が『子育て支援の体制整備』を評価するのに対し、プラチナくるみん認定は『女性の継続就業やキャリア形成』を含むより高い実績と継続的な運用を求める特例認定です。
【両認定の主な違い】
求める水準の違い:プラチナくるみん認定は、男性育休取得率や継続就業率などで、より高い基準が求められる
制度の定着・継続度:制度が高い水準で運用され、実績につながっているかが重視される
子育てと仕事の両立支援の取り組みが進みつつある企業は、まずはくるみん認定の取得を目指すとよいでしょう。一方、既に育休取得や復職支援などの制度が定着し、女性の継続就業やキャリア形成まで含めて一定の成果が出ている企業は、次のステップとしてプラチナくるみん認定の取得に挑戦するのがおすすめです。取り組みの成熟度を明確に示すことにつながります。
| プラチナくるみん認定 | くるみん認定 | |
| 認定基準の項目数 | 11項目 | 9項目 |
| 事前の認定取得の要否 | 必須(※1) | 不要 |
| 男性育休等取得率 | 50%以上(※2) | 30%以上(※3) |
| 出産した女性従業員の継続在職率 | 90%以上 | 項目なし |
| キャリア形成支援の取り組み | 「能力発揮・キャリア形成」に関する取り組みの実施 | 項目なし |
| 税制控除 | 最大幅の上乗せ措置 | 一定の上乗せ措置(中小企業のみ) |
| 認定企業数(2026年1月末時点) | 852社(プラス認定102社) | 5,652社(プラス認定76社) |
プラチナくるみん認定とくるみん認定の認定基準の違い

プラチナくるみん認定とくるみん認定の認定基準を比較します。
くるみん認定の認定基準
くるみん認定の基準は9つです。
| 認定基準1 | 行動計画策定指針に沿って、所定の項目を盛り込んだ適切な行動計画の策定 |
| 認定基準2 | 行動計画の計画期間が2年以上5年以下 |
| 認定基準3 | 策定した行動計画の実施、計画に定めた目標の達成 |
| 認定基準4 | 策定・変更した行動計画の外部公表、従業員への周知 |
| 認定基準5 | 男性の育児休業等取得率 次のいずれかを満たし、「両立支援のひろば」で公表している ①男性の育児休業等取得率が30%以上 ②男性の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合わせて50%以上かつ、育児休業等を取得した人が1人以上いる |
| 認定基準6 | 女性の育児休業等取得率 女性従業員および育児休業の対象となる有期雇用の女性従業員の育児休業等取得率が、それぞれ75%以上かつ、その割合を「両立支援のひろば」で公表している |
| 認定基準7 | 労働時間等の状況 計画期間終了日の属する事業年度において、①または②のどちらかと、③を満たす ①フルタイム勤務の従業員の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月30時間未満 ②25~39歳のフルタイム勤務の従業員の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満 ③月平均の法定時間外労働が60時間以上の従業員がいない |
| 認定基準8 | 具体的目標を定めた措置の実施 以下①~③のいずれかについて、成果に関する具体的な目標を定めて実施している ①男性の育児休業等の取得期間延伸のための措置 ②年次有給休暇の取得促進のための措置 ③多様な労働条件の整備のための措置 |
| 認定基準9 | 法および法に基づく命令、関係法令に違反する重大な事実がない |
プラチナくるみん認定の認定基準
プラチナくるみん認定の取得には、「くるみん認定」または「トライくるみん認定」を取得済みであり、以下の11の特例認定基準を満たす必要があります。
| 特例認定基準1〜4 | くるみん認定の基準1~4と同様 |
| 特例認定基準5 | 男性の育児休業等取得率 以下のいずれかを満たす ①男性の育児休業等取得率が50%以上 ②男性の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合わせて70%以上かつ、育児休業等を取得した人が1人以上 |
| 特例認定基準6 | 女性の育児休業等取得率 女性従業員および育児休業の対象となる女性有期雇用従業員の育児休業等取得率が、それぞれ75%以上 |
| 特例認定基準7 | くるみん認定の基準7と同様 |
| 特例認定基準8 | 具体的措置と定量的な目標 ①〜③のすべての措置を実施し、かつ①または②のいずれか一方について、定量的な目標(数値目標)を定めて実施し、その目標を達成している ①男性の育児休業等の取得期間延伸のための措置 ②年次有給休暇の取得促進のための措置 ③多様な労働条件の整備のための措置 ※具体的な数値による成果が必要 |
| 特例認定基準9 | 出産した女性従業員の継続在職率 ①または②のどちらかを満たす ①子の1歳の誕生日まで継続して在職している者の割合が90%以上 ②出産予定だった退職者を含めた場合、子の1歳誕生日まで継続して在職している者の割合が70%以上 |
| 特例認定基準10 | 能力向上・キャリア形成支援 育児休業を取得し、または育児を行う男女従業員が、両立を図りながら意欲を高め、能力を発揮して活躍できるような、「能力の向上またはキャリア形成支援のための取り組みにかかる計画」を策定・実施している |
| 特例認定基準11 | くるみん認定の基準9と同様 |
プラチナくるみん認定を受けた企業は、行動計画の策定・届出の代わりとして、前事業年度の「次世代育成支援対策の実施状況」を少なくとも年に1回公表しなければなりません。
2026年法改正による変更点とポイント
2026年4月1日の法改正施行により、認定基準が大幅に引き上げられます。今回の改正では、プラチナくるみん認定とくるみん認定両方で「男性育休取得率」の基準が上がります。
具体的には、男性の取得率等が、くるみん認定で10%から30%以上へ、プラチナくるみん認定で30%から50%以上へと変更されます。また、女性の育休取得率についても基準が厳格化されました。これまでは正社員中心の運用も可能でしたが、新基準では「有期雇用労働者」の実績も必須となり、プラチナくるみん認定では正社員と有期雇用のそれぞれで75%以上の取得率が求められるようになります。
プラチナくるみん認定とくるみん認定の税制控除の違い

賃上げ促進税制とは、一定割合以上の賃上げを行った企業が、その増加額の一部を法人税額などから控除できる制度です。くるみん認定およびプラチナくるみん認定を取得した企業は、「税額控除率の上乗せ」の優遇措置を受けられます。上乗せの対象となる認定の種類は企業規模によって異なり、大企業・中堅企業ではプラチナくるみん認定のみが対象となる一方、中小企業ではくるみん認定でも優遇措置を受けられます。
| 企業区分 | 対象となる認定 | 内容 |
|---|---|---|
| 全企業(青色申告) | プラチナくるみん認定 | 税額控除率5%上乗せ |
| 中堅企業 (従業員2,000人以下※) | プラチナくるみん認定 | 税額控除率5%上乗せ |
| 中小企業 (資本金1億円以下等、または従業員1,000人以下の個人事業主) | くるみん認定以上 | 税額控除率5%上乗せ |
プラチナくるみん認定とくるみん認定の認定企業数の違い

厚生労働省より公表されている、令和8(2026)年1月末時点でのくるみん認定および関連の認定を受けている企業の数は以下の通りです。
| トライくるみん認定 | 7社 |
| くるみん認定 | 5,652社 |
| くるみんプラス | 76社 |
| プラチナくるみん認定 | 852社 |
| プラチナくるみんプラス | 102社 |
プラチナくるみん認定を取得している企業は、くるみん認定企業のうち約15%と少なく、希少性が高いことがうかがえます。
参考:厚生労働省「くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧(令和8年1月末時点)」
企業がプラチナくるみんやくるみん認定に認定されるメリット

企業がプラチナくるみん認定やくるみん認定を受けるメリットをご紹介します。
企業のイメージが向上する
認定を受けた企業は、認定マークを使用できます。国の制度によって認められた「子育てと仕事の両立を支援する企業」としてアピールでき、対外的な信頼性の向上、イメージアップが期待できます。
プラチナくるみん認定はマークの絵柄が変わるため、よりわかりやすく、強力に訴求できることがメリットです。厳しい認定基準をクリアした数少ない企業として、他社との差別化が可能です。
従業員のエンゲージメント向上・人材の定着が期待できる
特にプラチナくるみん認定の取得に向けては、高水準な取り組みの継続が求められるため、制度見直しや運用改善のPDCAサイクルの実践が不可欠です。自社の課題に沿った本質的な取り組みが進むことで、出産・育児を理由とする離職の抑制や、人材の定着が期待できます。働きやすい職場環境がつくられることで、従業員のエンゲージメント向上やダイバーシティ推進など、幅広いメリットが得られるでしょう。
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公共調達・融資で優遇措置がある
くるみん認定企業は、国や自治体の公共調達で優遇措置を受けられます。プラチナくるみん認定は加点の割合が高く、入札競争での優位性を確保しやすいです。また、日本政策金融公庫の融資制度で低利融資が受けられることもメリットです。
参考:厚生労働省「次世代育成支援対策推進法」
税制や助成金制度で優遇措置がある
中小企業がくるみん認定以上を取得すると、くるみん助成金(中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業)の対象となります。
【くるみん助成金の受け取り回数】
くるみん認定:1回の認定につき1度限り
プラチナくるみん認定:1年度ごとに1度(毎年度申請が必要)
また、賃上げ促進税制では、プラチナくるみん認定を取得していることで、企業規模にかかわらず税制控除の対象となります。
参考:くるみん助成金ポータルサイト
参考:経済産業省「賃上げに取り組む経営者の皆様へ」
プラチナくるみんやくるみん認定の申請方法

プラチナくるみん認定やくるみん認定の申請・取得の流れを整理します。
①自社の現状分析と課題把握、一般事業主行動計画の策定
育児休業の取得状況や継続就業率、制度の利用実績など、働き方の実態を調査します。得られたデータから自社の現状分析を行い、課題を把握しましょう。
優先順位をつけた上で、課題に沿って一般事業主行動計画を策定します。2年から5年の範囲で計画期間を設定し、数値目標、施策内容、実施時期なども具体的に設定します。
②一般事業主行動計画の周知・公表・届出
一般事業主行動計画を策定し、社内イントラネットや資料配布などにより従業員へ周知します。計画策定から約3か月以内に、「両立支援のひろば」や自社ホームページ等で公表しましょう。併せて、各都道府県労働局へ「一般事業主行動計画策定・変更届」を提出します。
③一般事業主行動計画の実施、くるみん認定の申請
一般事業主行動計画に基づき、取り組みを行います。くるみん認定の要件には、計画に掲げた目標を達成していることが含まれるため、形だけでなく実効的な運用が求められます。計画期間が終了したら、目標の達成状況と認定基準を満たしていることを確認し、くるみん認定の申請を行いましょう。
④【プラチナくるみん認定へ】行動計画の期間終了後、再度申請
くるみん認定取得後、次の行動計画期間が終了した段階で、プラチナくるみん認定を申請します。認定後は、毎年少なくとも1回、次世代育成支援対策の実施状況を公表する必要があります。
プラチナくるみんやくるみん認定に関するFAQ

最後に、プラチナくるみん認定やくるみん認定関連のFAQをチェックしましょう。
プラチナくるみん認定は初回の申請で取得できる?
初回の申請で、プラチナくるみん認定の取得はできません。まずは行動計画を策定・実行し、トライくるみん認定/くるみん認定いずれかの認定を取得することが必要です。
さらに評価を高める「プラス認定」とは?
プラス認定は、不妊治療と仕事の両立支援に取り組む企業を評価するものです。トライくるみん認定、くるみん認定はプラス認定基準の4項目について、プラチナくるみん認定は特例プラス認定基準14項目をすべて満たす必要があります。プラス認定を受けると、各マークに「プラス」がつき、不妊治療支援にも取り組む企業であると示せます。
参考:厚生労働省「プラス認定とは」
取り組みの実効性と継続性を証明する「プラチナくるみん認定」

プラチナくるみん認定取得までの道のりは簡単なものではないでしょう。しかし、認定によって得られるメリットは多岐にわたり、安定的・持続的な企業経営を目指す上でも意義のある取り組みです。運用・改善のPDCAサイクルを着実に積み重ね、プラチナくるみん認定の取得を目指しましょう。

