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【2026年最新】くるみん認定とは?企業の取得メリット、法改正後の認定基準、現在の認定企業数を解説

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「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

採用難や離職率の高さにお悩みではありませんか?くるみん認定は、子育て支援に積極的な企業を国が評価する制度です。本記事では、最新の認定基準や取得メリットを解説。認定獲得により、企業の採用力と信頼性を高める方法が分かります。また、申請フローの他、人事担当者が直面しやすい注意点も紹介。自社の働き方改革を加速させ、優秀な人材に選ばれる職場づくりの一歩として、ぜひお役立てください。

くるみん認定の取得・継続には、男性育休促進や離職防止等の実効的な対策が不可欠です。「Career&Baby(キャリア&ベビー)」は妊娠期から復職後まで、本人・上司・人事の三者を一貫支援。認定基準のクリアに加え、仕事と育児の前向きな両立を支え、組織への定着を後押しします。

記事の監修者
柿沼 篤史社会保険労務士 (登録番号)第13230488号
株式会社アドバンテッジリスクマネジメント マーケティング部
当社のマーケティング活動におけるデータ整備や分析業務に従事。社労士の資格を有しており、健康経営をはじめ当社の事業領域に関する知見をもとにアドバンテッジJOURNALの記事も監修している。

くるみん認定とは?

赤ちゃんの手を包む母親の手

はじめに、くるみん認定の概要と種類、制度創設の背景について整理します。

参考:厚生労働省「一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!

くるみん認定とは

くるみん認定とは、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組む企業を「子育てサポート企業」として認める厚生労働省の認定制度です。次世代育成支援対策推進法では、常時雇用する従業員が101人以上の企業に「行動計画の策定・届出」が義務付けられています(100人以下は努力義務)。くるみん認定は「一般事業主行動計画」を策定した企業のうち、定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業が認定申請を行えます。

くるみん認定の種類

くるみん認定には、企業の取り組み水準に応じた3つの種類があります。

2026くるみんマーク

くるみん認定
一定の基準を満たした企業に与えられる標準的な認定

画像出典:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」

2026トライくるみんマーク

トライくるみん認定
2022年の基準引き上げに伴い新設された、旧くるみん認定基準相当の取り組みを行う企業向けの認定

画像出典:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」

プラチナくるみんのマーク

プラチナくるみん認定
継続的に高い水準で取り組みを行う企業への認定で、特例措置が受けられる

画像出典:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」

また、各認定には不妊治療と仕事の両立支援への評価を上乗せした「プラス認定」も用意されており、自社の到達段階に合わせて目指せます。

くるみん認定が創設された背景

くるみん認定が創設された背景には、日本の少子高齢化と労働力人口の減少があります。2005年に施行された次世代育成支援対策推進法は、次代を担う子どもが健やかに育つ社会を実現するため、国・自治体・企業それぞれの役割を明確にしたものです。

「一般事業主行動計画」は、策定しなかった場合の罰則がないため、一定の基準を満たす企業を見える形で評価し、策定を促していく仕組みとしてくるみん認定制度が導入されました。女性が出産・育児を理由にキャリアを断念しやすい構造を変え、働き続けられる社会を実現することも重要な目的の1つです。

くるみん認定とえるぼし認定の違い

「くるみん認定」と混同されやすい制度に「えるぼし認定」があります。両制度はどちらも厚生労働省の所管ですが、くるみん認定は育児期の両立支援を評価する制度、えるぼし認定は女性のキャリア形成や活躍推進を評価する制度であり、評価軸に大きな違いがあります。

2026年最新のくるみん認定の企業数と認定企業数推移

黄色い背景に2026年のカレンダーと棒グラフを映す虫眼鏡

次に、くるみん認定の取得企業数とその推移をご紹介します。

くるみん認定企業数の最新データ

厚生労働省より公表されている、令和8(2026)年1月末時点でのくるみん認定および関連の認定を受けている企業の数は以下の通りです。

トライくるみん認定7社
くるみん認定5,652社
くるみんプラス76社
プラチナくるみん認定852社
プラチナくるみんプラス102社

参考:くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧(令和8年1月末時点)

くるみん認定企業数の推移と今後の見通し

近年、くるみん認定を取得する企業は増加傾向にあり、認定企業数は全体として右肩上がりで推移しています。くるみん認定の制度そのものの認知度が高まっていることに加え、認定取得が企業にとってポジティブな効果をもたらすことが認識されつつあることを示しています。社会全体として、「仕事と子育ての両立支援に取り組む企業を評価する」という動きが広がっていることも、認定取得を後押しする要因の1つです。

参考:厚生労働省 「次世代育成支援対策推進法の施行状況について(認定企業の推移)」

くるみん認定の認定基準

計画の策定について話し合う

くるみん認定を受けるには、9つの認定基準すべてをクリアする必要があります。令和7(2025)年4月より、男性従業員の育児休業等取得率の基準が大幅に引き上げられた他、新たに有期雇用の女性従業員の育児休業等取得率についての要件が新設されるなど、より高い水準での取り組みが求められるようになっています。

最新の認定基準をチェックしましょう。

認定基準1.
適切な行動計画の策定
行動計画策定指針に沿って、所定の項目を盛り込んだ適切な行動計画を策定している
認定基準2.
計画期間の設定
行動計画の計画期間が2年以上5年以下である
認定基準3.
行動計画の実施、定めた目標の達成
策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成している
認定基準4.
公表および従業員への周知
策定・変更した行動計画を、外部へ公表し、従業員へ適切に周知している  
認定基準5.
男性の育児休業等取得率
次のいずれかを満たし、「両立支援のひろば」で公表している

①男性の育児休業等取得率が30%以上
②男性の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合わせて50%以上かつ、育児休業等を取得した人が1人以上いる  
認定基準6.
女性の育児休業等取得率
女性従業員および育児休業の対象となる有期雇用の女性従業員の育児休業等取得率が、合算75%以上であり、その割合を「両立支援のひろば」で公表している
認定基準7.
労働時間等の状況
計画期間終了日の属する事業年度において、①または②のどちらかと、③を満たす

①フルタイム勤務の従業員の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月30時間未満
②25~39歳のフルタイム勤務の従業員の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満
③月平均の法定時間外労働が60時間以上の従業員がいない
認定基準8.
具体的目標を定めた措置の実施
以下①~③のいずれかについて、成果に関する具体的な目標を定めて実施している
①男性の育児休業等の取得期間延伸のための措置
②年次有給休暇の取得促進のための措置
③多様な労働条件の整備のための措置
認定基準9.
関係法令の遵守
法および法に基づく命令、関係法令に違反する重大な事実がない

参考:厚生労働省「一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」

くるみん認定とプラチナくるみん認定の認定基準を比較

黒い背景に5つの星が並ぶ

プラチナくるみん認定は、くるみん認定を受けた企業が、さらに高い水準の取り組みを継続している場合に受けられる「特例認定」です。男性育休の取得率や女性の継続就業率において、通常よりも厳しい数値基準が設けられている他、より実効性のあるキャリア支援策が求められます。

【関連コンテンツ】
男性の育休義務化はいつから?男性の育休義務化に関する法改正の内容や企業の対応義務とメリットを解説

プラチナくるみん認定取得の前提条件

プラチナくるみん認定の取得には、「くるみん認定」または「トライくるみん認定」を取得済みであることが条件です。プラチナくるみん認定を受けた企業は、行動計画の策定・届出の代わりとして、前事業年度の「次世代育成支援対策の実施状況」を少なくとも年に1回公表しなければなりません。

プラチナくるみん認定の認定基準

プラチナくるみん認定の審査は、全部で11の基準で構成されています。そのうち、以下の項目については、通常のくるみん認定と同じ合格ラインを維持していることが求められます。

※本記事では主に常用雇用者301人以上の企業の基準を解説しています。従業員300人以下の企業には、男性育休取得率などの判定基準が緩和される特例が設けられています。

  • プラチナくるみん認定の特例認定基準1~3:適切な行動計画の策定・期間・目標達成(通常くるみんの特例認定基準1~3と同様)
  • プラチナくるみん認定の特例認定基準4:行動計画の公表および従業員への周知(通常くるみんの特例認定基準4と同様)
  • プラチナくるみん認定の特例認定基準7:労働時間等の状況(通常くるみんの特例認定基準7と同様)
  • プラチナくるみん認定の特例認定基準11:関係法令の遵守(通常くるみんの特例認定基準9と同様)

一方で以下の項目では、通常のくるみん認定よりも引き上げられた数値目標や、新たな計画策定が必要となります。(★印は「くるみん認定」では問われない指標。)

プラチナくるみん認定の特例認定基準5:男性の育児休業等取得率
以下のいずれかを満たしている
①男性の育児休業等取得率が50%以上(くるみん:30%以上)
②男性の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が合わせて70%以上かつ、育児休業等を取得した人が1人以上(くるみん:50%以上)

プラチナくるみんの特例認定基準8:具体的措置と定量的な目標
①〜③のすべての措置を実施(くるみん:1つ以上)し、かつ①または②のいずれか一方について、定量的な目標(数値目標)を定めて実施し、その目標を達成している(くるみん:実施のみ)
①男性の育児休業等の取得期間延伸のための措置
②年次有給休暇の取得促進のための措置
③多様な労働条件の整備のための措置
※単なる実施ではなく、「取得日数〇日以上」「取得率〇%以上」といった数値による成果が必要

★プラチナくるみんの特例認定基準9:出産した女性労働者の継続在職率
①または②のいずれかを満たしている
①子の1歳の誕生日まで継続して在職している者の割合が90%以上
②出産予定であった退職者を含めた場合、子の1歳誕生日まで継続して在職している者の割合が70%以上

★プラチナくるみんの特例認定基準10:能力向上・キャリア形成支援
育児休業をし、または育児を行う男女従業員が、両立を図りながら意欲を高め、能力を発揮して活躍できるような、「能力の向上またはキャリア形成支援のための取り組みにかかる計画」を策定・実施している

参考:厚生労働省「一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」

くるみん認定・プラチナくるみん認定によって得られるメリット

会議で話している女性

くるみん認定やプラチナくるみん認定の取得によって得られるメリットを整理します。

企業のイメージアップ

くるみん認定を受けた企業は、公式サイトや採用ページなどにくるみんマークを表示できます。「仕事と子育ての両立を支援する企業」であるとアピールでき、顧客や取引先に好印象を持ってもらえるでしょう。求職者へのアピールにもなるため、人材確保を有利に進められる可能性があります。「人的資本の情報開示」においても、従業員の育児休業取得数などは開示項目の1つとして挙げられており、企業価値を高める上でも重要な取り組みです。

【関連コンテンツ】
人的資本の情報開示とは?項目と開示ステップをわかりやすく解説

エンゲージメント向上・人材の定着

くるみん認定を取得する過程で制度や運用が見直されることで、誰にとっても働きやすい環境が整います。子育て支援が充実し、従業員が安心して働けることで、企業への信頼や愛着が高まり、エンゲージメント向上にもつながります。出産・育児を理由とした離職の防止や、人材定着も期待できるでしょう。

【関連コンテンツ】
従業員エンゲージメントとは?向上させる方法や成功事例を解説

公共調達での優遇

くるみん認定企業は、国や自治体が行う公共調達において、加点評価を受けられる場合があります。認定の有無が受注結果に影響するケースもあり、特に公共事業に関わる企業にとっては競争力を高める要素となり得ます。

融資の優遇

一定の要件を満たしたくるみん認定企業は、日本政策金融公庫が実施する融資制度において、通常より有利な金利条件が適用されます。制度整備や取り組み継続のための基盤強化につながります。

税制や補助金制度での優遇

くるみん認定を取得した中小企業のうち、一定の要件を満たす場合には、いわゆる「くるみん助成金」など国の助成制度の対象となる場合があります。また、賃上げ促進税制では、認定企業に対して税額控除率が上乗せされる措置も設けられています。これらの制度を活用することで、コストを抑えながら施策を進められるでしょう。

くるみん認定取得における注意点とデメリット

複数の木製のサイコロの1つに描かれた!マーク

くるみん認定の取得にあたり、注意点を把握しておきましょう。

認定取得・維持にかかる実務負荷が大きくなりやすい

くるみん認定の申請・取得にあたっては、行動計画の策定・届出、育児休業等取得率の算出、公表資料の整備など、多くの実務対応が発生します。特に男性従業員の育児休業取得率や労働時間の実績確認は、部門横断でのデータ収集が必要となり、想定以上に工数を要するケースもあります。

認定取得後も継続的な運用と見直しが求められる

くるみん認定の取得はゴールではなくスタートです。基準を満たし続けるためには、継続的な運用が求められます。また、近年の法改正では実効性がより重視されており、形だけの制度整備では維持が困難です。放置すれば基準未達や認定取消しのリスクもあります。

くるみん認定の取得方法・申請の進め方

目標にたどり着くまでのステップ

くるみん認定取得までのステップをご紹介します。

1.自社の現状や従業員のニーズを把握し、行動計画を策定する       

自社の現状やニーズを分析し、優先度の高い課題を解決するための行動計画を策定します。計画には2〜5年の期間、具体的な対策と実施時期、そして達成すべき数値目標を盛り込みましょう。

<実務でつまずきやすいポイント>
育児休業等取得率や労働時間の実態データが正確に把握できていないと、現状分析の段階で手が止まってしまう可能性があります。

ワンポイント
目標は可能な限り定量的に設定するのがコツです。また、現場の実態と経営層の理想が乖離しないよう、策定段階で十分なすり合わせを行うことが、実効性の高い計画づくりには欠かせません。

2.行動計画を周知・公表し、各都道府県労働局に届けを出す

行動計画を策定したら、従業員への周知を行いましょう。また行動計画の策定からおおむね3ヵ月以内に、「両立支援のひろば」や自社サイトなどで社外に公表し、各都道府県労働局(雇用環境均等部・室)へ、「一般事業主行動計画策定・変更届」を届出ます。

<実務でつまずきやすいポイント>
提出する行動計画に抜け・漏れがないよう正しく記載します。不備があった場合、再提出となる場合もあります。

3.行動計画を実施する

行動計画に基づき、実際に制度整備や運用改善を進めます。くるみん認定には目標達成が必須のため、育児休業の取得促進や働き方の見直しなど、目標を意識しながら日常の人事運用に落とし込むことが重要です。

<実務でつまずきやすいポイント>
制度を整えても、上司が理解を示さない、忙しく育児休業が取れないなど、計画通りに進まないこともあります。制度設計と現場運用が分断されると、目標達成が難しくなります。

4.くるみん認定の申請を行う

行動計画期間の終了後、達成状況と認定基準を確認し、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ認定申請を行います。

<実務でつまずきやすいポイント>
実績の整理や確認に時間がかかり、人事労務担当者の負担が大きくなる可能性があります。

くるみん認定取得に費用はかかる?

水色の背景に積み重ねられたノートや電卓

くるみん認定の申請そのものに、手数料や登録料は不要です。一方で、くるみん認定を受けるには行動計画の策定や社内制度の見直しなどが不可欠であり、一連のプロセスの中での間接的なコストの発生は避けられないでしょう。

厚生労働省が提示する行動計画の例

働く母親と小さな赤ちゃん

厚生労働省のホームページでは、企業の状況に応じたモデル行動計画を紹介しています。ぜひ参考にしてみましょう。

例:認定取得に向けて対策を充実させたい
育休取得率の目標設定(男性50%・女性80%以上)、短時間勤務の拡大、残業削減など

詳細の行動計画表はこちら

厚生労働省の「両立支援のひろば」で、自社の取り組み状況を診断し、行動計画の策定に役立てることもおすすめです。

くるみん認定でエンゲージメント向上や自社の成長を目指そう

ハートをにぎる赤ちゃんと家族の手

くるみん認定は子育て支援の行動計画を策定・実施することで、従業員により働きやすい環境を提供できるとともに、自社のイメージアップなども叶えられる、メリットの多い制度です。くるみん認定を目指すステップの中で自社の課題を明確にすることも、企業の成長につなげられるでしょう。ぜひくるみん認定を目指し、具体的に動いてみてください。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
アドバンテッジJOURNALは、働くすべての人へ「ウェルビーイングな働き方と組織づくり」のヒントを発信するメディアです。導入企業数3,200社/利用者数600万人を超えるサービス提供実績と、健康経営銘柄に4年連続で選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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