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ビジネスに役立つ、メンタルヘルスの鍛え方

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厚生労働省による「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」によると、「ストレスとなっていると感じる事柄がある」労働者の割合は54.2%でした。ストレスを感じている労働者のストレスの内容は、1位が仕事の量(42.5%)、2位が仕事の失敗・責任の発生等(35.0%)、3位が仕事の質(30.9%)、4位が対人関係(セクハラ・パワハラを含む)(27.0%)となっています。

多かれ少なかれ仕事におけるストレスは誰しも抱えるものですが、なかにはそれが原因で欠勤や休職に追い込まれる従業員も存在しています。欠勤・休職などが発生してからでは、本人と組織に大きな労力がかかり、医療費や傷病手当金の増加にもつながることから人事部門・経営層は従業員のメンタルヘルスに対してケアを講ずる必要があるといえます。

メンタルヘルスを悪化させやすい人の特徴、そしてストレスの対処法やメンタルの鍛え方にはどのようなものがあるのでしょうか。

メンタルヘルスを悪化させやすい人の特徴

メンタルヘルスを悪化させやすい人は、主に以下のような特徴・傾向が挙げられます。

・真面目で頑張り屋、休むのが苦手
・責任感が強い、完璧主義
・几帳面
・緊張しやすい

また、メンタルヘルスを悪化させやすいタイミングは何らかの環境変化、あるいはストレスフル状況が継続しているケースに起こりやすいといわれています。

・異動や昇進等、仕事の状況が変わったとき
・プレッシャーの大きい業務が継続したとき
・人間関係のトラブル

注意されるとすぐ落ち込む、言われたことをいつまでも引きずる、などはメンタルヘルスを悪化させやすい方の特徴です。こうした点を自覚させ、日常の意識を変えさせることでメンタルを鍛えることができます。直属のマネジメント・管理職層には部下に対して日々のマインドセットを変えさせる指導が求められます。

ストレスを軽減し、メンタルを鍛える方法

それではストレスを軽減し、メンタルを鍛える方法には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。前述の感情のコントロール、マインドセットの持ち方を工夫する必要があるでしょう。また、目の前の状況は、自分の考え方一つで良くも悪くもなります。

アルバート・エリスのABC理論では、ある出来事(A)は、考え方やものの見方によって解釈を与えられ(B)その結果が感情や行動(C)を引き起こすといわれています。

例えば、仕事である失敗をしてしまい上司から叱咤激励を受けたとします。その状況を前にして、自分の能力不足を自責して落ち込む人もいれば、自らの成長機会と捉えて同じ失敗を繰り返さないように心がけようとする人もいるでしょう。

なかなかポジティブな思考を持ちにくい場合には、考え方やものの見方といったところからではなく、「みんなにいい顔をすることをやめる」「孤独を恐れる習慣をやめる」「過去を引きずる習慣をやめる」など、メンタルヘルスを悪化させやすい人が持つ行動や習慣を手放すことを通して意識変化に繋げるとよいでしょう。

ただし、一人で抱え込むと、より不安でネガティブなことを考えがちです。家族や友人、同僚に話すことで気が楽になることも多いので、遠慮せず話が出来る環境を普段から構築・整備しておくこともメンタルヘルスの維持には重要な準備となります。

また、強いストレスを感じて悩んでいる場合は、心理専門家に相談してみるのもひとつの方法です。人事は心理専門家を有する外部相談窓口の設置を検討するのも良いでしょう。

厚生労働省による「令和2年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」によると、仕事や仕事に関する生活でのストレスについて相談できる人がいる従業員の割合は90.8%でした。ストレスについて相談できる人がいる従業員が相談できる相手は、1位が家族・友人(78.5%)、2位が上司・同僚(73.8%)、3位が産業医(9.6%)、4位が保健師又は看護師(6.2%)となっており、家族・友人、上司・同僚の割合が高くなっています。

人事は職場において、従業員が上司や同僚と相談しやすい職場環境や機会を設定しておくべきでしょう。上司であれば1on1ミーティングなどをスケジュール化して、部下が話す機会を設定していく方法があります。同僚とコミュニケーションがとれる環境整備も必要でしょう。

発生した状況自体を変えることは不可能ですが、考え方を変えることは可能です。肯定的な感情や行動を取ったほうが、生きやすくなります。従業員のストレスマネジメントを行う人事は、肯定的に物事を捉える習慣を従業員へ身に着けさせるようケアすべきでしょう。

強いストレスを感じている従業員のストレスの内容の上位に、仕事の量や質があります。従業員が会社の企業理念やビジョンを理解し、自己効力感を持つことで肯定的なマインドセットができるでしょう。そのほか、仕事の合間にストレッチをして身体をゆるめたり深呼吸をするなど、定期的な気分転換を図ること、また適度な仮眠時間を確保することで、疲労回復や集中力の維持につなげるなど、フィジカル面のケアも大切です。

帰宅後にはゆっくり入浴をする、アロマセラピー、自然にふれるなど、一人になる時間をつくり、心身ともにリラックスできる環境を整えることも有効です。メンタルヘルスケアとあわせてフィジカルヘルスについても周知・啓発をすると、相乗効果が期待できるでしょう。

メンタルが変わると結果が変わる

メンタルヘルスの強化には、名言を知ることも役に立ちます。ここでは、思考より行動を推奨するプラグマティズム研究の第一人者として知られるアメリカの心理学者・哲学者のウィリアム・ジェームズの名言を紹介しましょう。

・自分次第で人生は変えられる
・限界を設けるな
・全てを受け入れるところから始めよ
・自分を信じろ
・人生には価値がある

業務範囲や責任が広がっていくと、ストレスやプレッシャーもより大きく感じるものです。ただ、メンタルヘルスの維持も重要なスキルの一つ。

プレゼンや資料作成といったビジネススキルと同様に、メンタルの鍛錬を学び、習得していくことで日々の業務にも違いが生まれてくるでしょう。企業全体のパフォーマンス維持を司る人事部門はそうした観点での人材育成にも着手すると良いのではないでしょうか。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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