若者の早期離職の理由は?離職を防ぐ採用時のポイント

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大卒の新入社員の3割が3年以内に離職している今、早期離職は企業の採用コストの上昇や、経営戦略上の制約といった問題にもなっています。本記事では、早期離職の現状や社員本人にとってのメリット・デメリットを紹介。離職してしまう原因や、防止するための方法を解説します。

早期離職とは?

早期離職とは、学卒後に就職したり、別の企業に転職した後、数年以内に離職したりすることです。厚生労働省が毎年発表している「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によると、2015年卒は大卒者の31.8%、高卒者の39.3%が3年以内に離職しています。

企業は慢性的な人手不足の状況です。働き手の数が足りないことで拡大戦略を見直さざるを得ないケースや、専門スキルを抱えた優秀な人材を獲得できないために経営上の制約になっている企業も多くあります。

各社とも激しい人材獲得競争をしているなか採用コストは増加しており、社員が早期に退職してしまうことは悩ましい問題です。

早期離職の現状

早期離職率は、2015卒者までの10年間はほとんど横ばいで推移してきました。その間の学歴別の離職率はこのようになっています。

  • 大学卒:約30%
  • 短大等卒:約40%
  • 高校卒:約40%

【参考】厚生労働省:「学歴別就職後3年以内離職率の推移」(2018年公表)(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00001.html)(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00001.html

2000年代よりも離職率は下がっているものの、大卒者でもほぼ30%以上と10年間にわたり高止まりしている状況です。

早期離職後は、就業に不利になるという課題もあります。15~34歳の初職正社員が離職した場合、転職後も正社員になる割合は男性64%、女性27.2%になっています。一方、15~24歳に限ると男性37.1%、女性22.1%と急落し、早期離職は本人のキャリア形成でも不利益になる可能性が高いのです。

【参考】労働政策研究・研修機構(JILPT):「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状-第6章 早期離職とその後の就業状況」(2016年)(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/171.html)(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0171_06.pdf)<P171>

早期離職が生じる理由・原因

早期離職の原因で最も多いのが雇用条件で、次が人間関係や仕事とのミスマッチです。

  • 労働時間・休日・休暇:29.2%
  • 人間関係:22.7%
  • 仕事が合わない:21.8%
  • 賃金:18.4%

【参考】労働政策研究・研修機構(JILPT):「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状-第6章 早期離職とその後の就業状況」(2016年)(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/171.html)(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0171_06.pdf)<P148>

これは、働く上で何が大切なのかがわからない就活生に対して、企業の情報発信が必ずしも合致していないことが一つの原因とも考えられます。その他に挙げられる要因は、環境の変化です。従来は日本国内の主要な産業といえば金融や製造業でしたが、ITやサービス業に移ってきています。

また、長期・年功序列を前提とした総合職型の採用でなく、専門スキルを持った多様な人材が求められています。このような中で、若手が自発的なキャリア形成として次の仕事へ移るという変化も見逃せません。

早期離職を防止するために

早期離職を防止するには、コミュニケーションが大切です。一般的な離職では「責任ある仕事がしたい」「起業」といった前向きな理由も多いですが、早期退職では先述したような人間関係や条件面といったネガティブな原因が目立ちます。

選考時のミスマッチを防ぐとともに、入社後に社員の心身面や人間関係の悩み、キャリア形成をサポートすることが欠かせません。

【参考】労働政策研究・研修機構(JILPT):「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状-第6章 早期離職とその後の就業状況」(2016年)(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/171.html)(https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0171_06.pdf)<P150>

特に新卒者は、入社後にさまざまなプレッシャーに押されながら、「成長しよう」と思うと同時に、「向いていないかもしれない」と考えるものです。実際の早期離職率が3割であれば、さらに多くが離職を検討していると推測できます。

そこで対策として、自社での経験を通じた長期的なキャリアアップへのモチベーションを高めるために、面談を強化するのは一つの方法です。

また、職場での人間関係や業務上の悩みなどのストレスによる精神的な不安を和らげる目的で、ストレス耐性を高め、メンタルヘルスの基本である「セルフケア」の教育を実施することも大切です。

まとめ

早期離職の理由として多くを占めるのは、人間関係や雇用条件です。

早期離職を減らすには、就労希望者の求めるもの(希望する雇用条件やキャリア志向)を事前に確認した上で正しい情報を伝えることや、労働環境の改善、モチベーション・メンタルヘルス対策で1on1などの上司面談の場を設けるといった方法が有効で、施策に成功すれば採用コストの削減にもつながります。

経営には人材の量・質とも不可欠です。社員との対話を重視しながら、優秀人材が居続けたいと思えるような社風、職場づくりが必要です。

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【筆者プロフィール】

「アドバンテッジJOURNAL」編集部

「アドバンテッジJOURNAL」編集部
導入企業数2,950社/利用者数417万人のサービス提供実績と、健康経営銘柄2023に選定されたアドバンテッジリスクマネジメントの知見から、人事領域で関心が高いテーマを取り上げ、押さえるべきポイントやつまずきやすい課題を整理。人事担当者や産業保健スタッフの“欲しい”情報から、心身のヘルスケアや組織開発、自己啓発など従業員向けの情報まで、幅広くラインアップ。「ウェルビーイングに働く」ためのトピックスをお届けします。

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