用語

リワーク

リワークとは

リワークとはreturn to workの略語で、精神疾患による休業者に対して行う、職場復帰に向けたリハビリテーションのことを指します。リワークは医療機関や地域障害者職業センター、企業内などで実施されます。 リワークのプログラムとしては、通勤の訓練やグループミーティング、オフィスでの軽作業などを行って徐々に職場復帰することを目指すのが一般的です。

精神科医でメディカルケア虎ノ門の院長を務められる五十嵐良雄先生のレポートによると、リワークプログラムの利用者は非利用者と比較して復職1年後の就労継続割合が高いことが確認されており、再休業リスクの低減策としてリワークが有効であることがうかがえます。

参考:
五十嵐 良雄(メディカルケア虎ノ門)ほか.「リワークプログラム利用者の復職後1 年間の就労継続性に関する大規模調査」

コロナ禍に求められるリワーク

従来のリワークでは、休業者が専門の施設や職場に足を運び、受講するケースが一般的でした。しかし昨今のコロナ禍において、対面形式だけでは十分な対応が難しくなってきており、オンラインによるプログラムの提供を始める施設もでてきました。

このような状況下で、企業の人事・労務担当者が休業者の復調状態を正確に捉えることは容易ではありません。ただでさえ対面の機会が減少し、機微を感じ取るのが難しくなっている中、断片的な情報を基に復職判断を行わなければならないプレッシャーはこのコロナ禍で更に増しています。判断材料の充実と「見える化」が不可欠であるといえるでしょう。

また、テレワークの普及により、復職後にそのまま在宅勤務となるケースや、上司・同僚が在宅勤務というケースも増えています。

精神疾患は再発・再燃の可能性が高いため、復職者に何らかの変調がないか周囲が気を配り、上司が面談や業務負荷調整等の対応をとることが極めて重要ですが、在宅勤務の場合、自然体ではそのような対応も難しくなります。新しい働き方に合わせて、復職後のフォローを含めた包括的なサポートの在り方を検討する必要があります。

また多くのリワークは復職がゴールとなっていますが、従業員の様子が見えにくい働き方であればこそ、より復職後の状況にも気を配る必要があるでしょう。

働き方が多様化する中で、復職支援のあり方も変化しており、今まで以上に広範かつ丁寧な対応が求められています。そうした中、人事担当者として従業員を確実に復職・復職後の活躍へと導くために何ができるのか。リワークを推進・支援する施策やサービスをチェックしてみてはいかがでしょうか。

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