用語

ワーク・エンゲージメント

ワーク・エンゲージメントとは

ワーク・エンゲージメントは、従業員個人の仕事に対するポジティブな心理状態を指す言葉です。

ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリらによると、「ワーク・エンゲージメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力、熱意、没頭によって特徴づけられる。エンゲージメントは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である」と定義されています。

具体的な例を挙げるとすれば、「自分の目の前の業務に対して前向きに捉えられる」「仕事に対してやりがいを持ちながら集中して取り組める」というような状況が、ワーク・エンゲージメントが高い状態といえます。

ワーク・エンゲージメントを高めるメリット

ワーク・エンゲージメントを高めると、個人や組織には以下のようなメリットがあります。

個人へのメリット
・心理的苦痛や身体的な愁訴が少ない

仕事や組織へのメリット
・職務満足感が高い、仕事の工夫を自ら生み出し、生産性が高い
・自己啓発学習への動機づけや創造性が高い
・役割行動や役割以外の行動を積極的に行う
・離職や転職の意思が低い
・部下への適切なリーダーシップ行動が多い

すなわちワーク・エンゲージメントが高い状態は、従業員の健康増進や生産性の向上に繋がります。よってワーク・エンゲージメントを高めることは、組織の活性化、ひいては企業のイメージ向上、業績向上といった経営の理想郷の具現化につながる、非常に有益なキーワードといえます。

従業員のワーク・エンゲージメントを向上させるには、職場における従業員の満足度や、仕事に対するモチベーションを高めることが重要です。そのため、以下のような取り組みが効果的です。
・評価や報酬といった外発的動機付けに依存せず、従業員一人一人と向き合い、各々のやる気や熱意を引き出すような内発的動機を生み出す仕組みをつくる。
・「ここで働いていてよかった」と従業員の満足度が高まるよう、制度やルールを定めて安心なインフラを整える一方で、仕事自体の進め方に心地よさを感じてもらう。
・いきいきと明るく過ごせる文化、風習が根付くように取り組み 、働きやすい職場を提供する。

もちろん、ワーク・エンゲージメントを高めることに没頭するあまり、ワーカホリックになり、心身の健康を害してしまう懸念もあります。ワーク・エンゲージメントと健康のバランスをとりながら、従業員を導いていく施策を検討する必要があるでしょう。

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