ストレスチェックコラム

2017/9/11

【ストレスチェック徹底活用コラム】
「高ストレス」はどうやって判定し、どう対処すればいいの?

「高ストレス者」はどのように判定するのか?

ストレスチェック制度の第一の目的は、ストレスを強く感じている人を選び出し、医師による面接指導を受けることなどによってその「高ストレス者」のストレスを軽減させるように事業者が対処することで、メンタルヘルス不調を防止することにあります。
ストレスチェックでは、激務が続いて体調が優れないなど、はた目にもストレスによる症状が感じられる人はもとより、外から見ただけでは分からないけれども、実は内側にストレスを抱えている人を見つけ出すこともできます。
それでは、どのような人が高ストレス者と判定されるのか見ていきましょう。

実は、高ストレス者の判定基準として定められたものはありません。ストレスチェックを実施する前に、「実施者」の意見および衛生委員会などの調査・審議により、高ストレス者の評価基準を設定する必要があるのです。
ストレスチェックでは、選択式の質問票(調査票・ストレスチェックシート)を使用して労働者のストレスの程度を点数化します。評価する際は、質問票の回答を点数に換算して合計する単純合計判定法と素点換算表を使って標準化得点を用いる方法があります。どちらの評価方法を利用した場合でも、どれぐらいの点数を取得した労働者を高ストレス者に分類するかは、各事業場の衛生委員会などの判断に委ねられています。各事業場の特性を踏まえて、判定基準を定めるようにしましょう。

なお、厚生労働省が公表しているストレスチェック制度実施マニュアルで紹介されている高ストレス者の判定基準では、ストレスチェックを受けた労働者の10%程度が高ストレス者となるように設計されています。
もちろん、ストレスチェックを実施しない限り、実際の高ストレス者の割合は分かりません。例えば、「○○点以上だった場合高ストレス者と判定する」と定めたときに、受検者の30%が○○点以上となってしまった、あるいは、3%程度しかいなかったというケースも起こり得ます。
しかし、一度衛生委員会で定めた高ストレス者の判定基準は、ストレスチェックを行った後に変更することはできません。まずは1回ストレスチェックを実施することで、事業場におけるストレスの程度の分布が確認できますので、その結果をもとに2回目以降の判定基準に活かすといいでしょう。

高ストレス者はどのようにして通知されるのか?

ストレスチェックの結果を評価して高ストレス者を選定する際、事業者が受検結果や選定結果を知ることはできません。労働者の受検結果を評価するのは「実施者」なので、この時点で選定結果を知っているのは、実施者および実施事務従事者のみとなります。
受検結果はストレスチェックを受けた労働者全員に、実施者や実施事務従事者から直接通知されます。紙を用いてストレスチェックを行った場合には封書で、Webで行った場合には実施直後に結果が画面表示されるのが一般的です。

労働者に通知するストレスチェックの受検結果では、「ストレスの要因に関する項目」「心身のストレス反応に関する項目」「周囲のサポートに関する項目」という3つの領域におけるストレスレベルを点数で表すほか、ストレスの程度や医師による面接指導の対象者であるかどうかが記されていなければなりません。
なお、厚生労働省は、ストレスチェックの受検結果において、セルフケアのためのアドバイスや医師による面接指導を申し出る方法を記載するだけではなく、図表を用いてストレス状況を分かりやすく示すことが望ましいとしています。

ストレスチェックの受検結果が、実施者および実施事務労働者から労働者に通知されても、事業者は受検結果について知ることはできません。ただし、労働者が通知を受け取った後、その労働者の同意を得た場合に限り、事業者も受検結果を把握することができます。
ストレスチェック実施において知り得た個人情報を第三者に漏らすことは禁止されています。高ストレス者の情報をその人の上長などに本人の同意なしに伝えることは守秘義務違反となりますので、情報の取り扱いには十分に注意しましょう。

高ストレス者にはどのような対応をするのか?

ストレスチェックを実施した後、「実施者」が受検結果を評価して高ストレス者を選び出しますが、高ストレス者と判定された労働者が全員、医師による面接指導を受ける対象者になるとは限りません(もちろん、全員が面接指導の対象ということもあります)。面接指導を受ける必要があるかどうかは実施者が判断します。

医師による面接指導を受けることが望ましいと判断された高ストレス者が面接を受けることを希望する場合、ストレスチェックの結果が通知されてから1カ月以内に事業者に申し出を行います。事業者は、高ストレス者から申し出を受けてから1カ月以内に医師との面談が行えるよう調整しなければなりません。
高ストレス者が面接指導を受けるに当たって、事業者はその高ストレス者の勤務状況などの情報を医師に伝える必要があります。基本的に、労働者の労務管理を行っている人事担当者から医師に情報を提供することになりますので、面接指導を受けたい高ストレス者には、人事担当者に受検結果を提供する旨の同意が求められます。

高ストレス者への面接指導が行われた後は、事業者は速やかに医師から意見聴取を行い、高ストレス者に対してどのような対処をすべきかについて検討します。医師の意見を参考にして必要と思われる就業上の措置を取り、高ストレス者のストレス軽減に努めることが事業者には求められるからです。
ただし、高ストレス者個人への対応だけでは、事業場におけるストレス要因を完全に取り除くことはできません。大事なことは、「ストレスの原因はどこにあり、どうすれば解決するか」を考えることです。努力義務となっている集団分析を行い、職場環境そのものを改善しない限り、メンタルヘルス不調のリスクを排除することはできません。職場環境が改善されなければ、潜在的な高ストレス予備軍が高ストレス者となってしまう恐れがあります。

職場環境の改善は一朝一夕にはいきませんが、ストレスチェック制度も同じです。ストレスチェック自体に即効性はありませんので、継続的に実施し、職場環境改善の試みを繰り返し、経年変化を見ることではじめて効果を確認することができるものです。
職場の声に耳を傾け、一つひとつ丁寧に従業員が働きやすい環境づくりを行っていくことが、高ストレス者を減らす最良の道となります。

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