ストレスチェックコラム

2017/8/28

【ストレスチェック徹底活用コラム】
ストレスチェックの導入~実施までの簡単8ステップ!

実施前の3ステップは、「表明する」「話し合う」「周知する」

いざストレスチェックを実施しようと思っても、何から始めればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。ストレスチェック制度導入から実施までの基本的な流れについて、順を追って確認していきましょう。

1. ストレスチェックを「実施する」という方針を表明する

労働者の数が常時50人以上の事業場には、2015年12月よりストレスチェックの実施が義務付けられています。制度を導入する際はまず、会社の方針として「メンタルヘルス不調の未然防止のためにストレスチェック制度を実施する」ことを労働者に対して示すことが肝心です。
全ての事業と同じで、何のために行うのかを明らかにしておくことで、実施方法を検討する議論や実施行程がスムーズに進められます。

2. 衛生委員会で実施方法などについて話し合う

次に必要なことは、具体的に「いつ・誰が・誰に・どのように」ストレスチェックを行うのかを決めることです。
労働者が常時50人以上いる事業場には、労働者の健康管理などを行う産業医を置くことが義務付けられています。また、産業医を含む衛生委員会は、毎月1回以上会合を開き、衛生に関する規定を作成したり、労働者がよりよい環境で働くための対策を検討したりしています。この衛生委員会などで、以下のようなストレスチェック制度の実施要領について話し合いましょう。

1) いつ実施するのか
2) どんな質問票(調査表・ストレスチェックシート)を使うのか
3) ストレスの高い人と判定する基準はどこに置くのか
4) 面接指導の申し出は誰が受けるのか
5) 集団分析はどのような方法で行うのか
6) ストレスチェックの結果は誰がどこに保存するのか

3. 実施体制を決めて社内規程を作成し、従業員に周知する

衛生委員会などでは、ストレスチェックの実施体制を整え、役割分担を明確にするところまで行います。

1) ストレスチェック制度の計画や進捗管理などを行う担当者
人事担当者など
※ストレスチェックにおける労働者の個人情報に関わらない業務であれば、人事権を持つ人物でも担当できる。

2) ストレスチェックの実施者
各事業場の産業医が望ましいが、以下の資格を持つ者が行うことができる。外部委託も可。
①医師
②保健師
③厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士

3) ストレスチェックの実施事務従事者
質問票の回収やデータ入力、結果送付などの個人情報を取り扱う事務担当者
外部委託も可

4) ストレスが高い者への面接指導を担当する医師
各事業場の産業医が望ましいが、外部の医師でも可。

ストレスチェック制度を適切に運用するために、実施方法や体制を明確にしたら決定事項を社内規程として明文化し、その内容を労働者に周知して制度への理解を求めましょう。

実施に必要な準備やスケジュール感は?

ストレスチェックを行う際、労働者への質問は紙で行ってもWebで行ってもどちらでも構いません。回収などにかかる費用は事業場の規模が大きければ大きいほど膨らみますので、コストを考慮して選択してください。

ストレスチェックを自社で独自に行う場合は専用のシステム開発が必要ですが、専門業者に外部委託すれば、質問票の手配から実施後の集団分析まで全て任せることもできるので、人事や総務担当者の負担を減らすことができます。

4. ストレスチェックを実施し、高ストレス者を判定する

一般的には2週間程度の期間を設け、その間に労働者がストレスチェックを受けます。
実施者は、回収・集計した受験結果をもとに労働者全員のストレスの程度を評価し、あらかじめ定めた基準に従って、ストレスが高い「高ストレス者」を選び出します。
実施者は労働者に受験結果を通知し、高ストレス者には医師による面接指導が必要であることを伝えます。面接指導を希望する場合は、通知から1カ月以内に高ストレス者が事業者にその旨を申し出なければなりません。

5. 医師が高ストレス者に面接指導を行う

高ストレスと判定された労働者から医師による面接指導を受けたいという申し出があった場合、事業者は1カ月以内に面接指導を受けられるよう手配します。
医師は労働者と面談を行い、勤務状況や心理的な負担の程度などについて聞き取り、ストレス状況を確認します。

6. 事業者が医師から意見聴取する

高ストレス者に対して医師による面接指導が行われた後1カ月以内に、事業者は医師から意見を聴取します。高ストレス者に対して業務上の配慮が求められる場合は、労働時間を短縮するなどの措置を取りましょう。

7. 集団分析と職場環境などの改善(努力義務)

ストレスチェックの結果を、部署や課など一定規模の集団ごとに集計・分析することは努力義務とされています。しかし、集団分析によって、特定の部署やグループに高ストレス者が多いことが分かれば、その原因を調べることで職場環境を改善することができますので、ぜひ実施したいものです。
また、ストレスチェック制度の目的は、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること(一次予防)です。集団分析や高ストレス者と面接した医師から意見を聞いた結果を、職場環境改善計画に反映させ、実施することが望まれます。

8. 労働基準監督署に報告書を提出する

ストレスチェックの実施結果は、規定の書式に従って報告書にまとめます。作成したストレスチェック実施報告書は、事業場を管轄する労働基準監督署に提出することが義務付けられていて、違反した場合は罰則(労働安全衛生法第120条5項)があります。

ストレスチェックを実施してから報告書を提出するまでは、およそ3カ月かかります。準備段階としては、衛生委員会での検討に1~2カ月、外部機関との調整や従業員への周知などに約1カ月を見込んでおく必要があるでしょう。
努力義務の職場分析などを実施する場合にはさらに時間を要するので、余裕をもったスケジュールを立てておく必要があります。

実施にあたって気をつけるべき点は?

ストレスチェック制度を実施する際、気をつけなければならないポイントがいくつかあります。以下の3つのポイントは特に注意が必要です。

<実施者、実施事務従事者になれない者>

人事権を持つ者は、ストレスチェックの「実施者」や実施に関わる事務に携わる「実施事務従事者」にはなれません。ストレスチェックやそれに伴う面接指導の結果によって、労働者が解雇や異動、降格など人事上の不利益な扱いを受けないようにするためです。
人事部長はもちろん、人事評価を多少なりとも行う管理職も実施者を含む実施事務従事者にはなれませんし、本来、実施者になることが望ましいとされている事業場の産業医であっても、人事権を持っている場合は(その人事権が及ぶ範囲において)実施者にはなれません。

<実施時期>

異動直後などはストレスがかかりやすい状況となっているのでなるべく避け、異動2~3カ月後を目安に実施するのがいいでしょう。労働者のストレス状況を知るためには、定期的に観察を行うことが重要です。毎年同じ時期にストレスチェックを行うことで、年ごとの違いや変化の様子を把握することができます。
年に2回以上ストレスチェックを行う場合は、業務の繁忙期と閑散期でそれぞれ実施することで、ストレスのかかり具合を比較することができます。

<実施結果の取り扱い>

ストレスチェックの受検結果は要配慮個人情報(機微情報)に当たり、実施者から労働者に直接知らされます。結果の通知後に労働者の同意を得た場合、もしくは、高ストレス者と判定された労働者が医師による面接指導を希望した場合に限り、事業者はストレスチェックの結果を知ることができます。
事業者に提供されたストレスチェックに関わる結果は、5年間厳重なセキュリティの下で管理・保管しなければなりません。また、ストレスチェックやそれに伴う面接指導の結果を知る者には守秘義務が科せられていて、どちらも違反すると罰則(労働安全衛生法第120条1項、労働安全衛生法第119条1項)があります。

ストレスチェックの結果が人事評価につながる懸念がある場合、労働者が受検を拒否することも考えられます。受検を拒否したことや受検結果を理由に、労働者に不利となる人事考課を行うことは禁止されていますので、その点も含めて労働者の理解を求め、ストレスチェックを受けやすい環境づくりが欠かせません。

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