ニュースリリース/トピックス

立教大学と実施した「ACT」に関する共同研究成果を発表

最新の研究領域として注目される“第3世代の認知行動療法” 
~勤労者の心理的柔軟性とメンタルヘルス・生産性の相関を研究~

2019年08月07日
株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメント
代表取締役社長 鳥越 慎二
(東証第一部 コード8769)

 株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントは、学校法人立教学院(東京都豊島区、理事長:白石 典義)と共同研究を実施し、同法人の設置する立教大学現代心理学部心理学科松永美希准教授とともに、職場におけるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(以下「ACT」)に関する成果発表を行ったことをお知らせします。

 ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)とは、行動分析学に基づいた「第3世代の認知行動療法(*)」とも呼ばれる考え方です。具体的には、「いま、この瞬間」自分の中にある思考や感情を受け入れながら(アクセプタンス)、自分自身が大切にしたいことに向かって行動パターンを作り上げる(コミットメント)ためのトレーニングです。欧米の有名IT企業でも取り入れられている「マインドフルネス」の方法も使いながら、行動変容を促す手法として 注目されています。近年では欧米を中心に、産業領域においてもさまざまな研究と実践が行われつつあり、生活習慣の改善等にも活用が期待されています。

 当社は、このACTの分野において、2017年秋より立教大学の松永准教授とともに共同研究を進めてまいりました。昨年開催された「日本認知・行動療法学会第44回大会」では、調査研究部の戸澤と土屋が「仕事における心理的柔軟性とメンタルヘルスおよびパフォーマンスとの関連」と題し、仕事における心理的柔軟性(**)を測定 する尺度「WAAQ」の性能について発表しました。また本年3月に開催された「ACT Japan 2018年度年次ミーティング」では、同じく戸澤と土屋が「仕事における心理的柔軟性のベイズ段階反応モデル―年齢の特異項目機能に基づく検討―」と題し、「WAAQ」のさらなる性能を発表しました。

 本共同研究から、年齢による影響に留意が必要な点はありつつも、「WAAQ」が職場のACTにおけるアセスメントツールのひとつとなることが期待されます。

 これらの成果は、当社が提供する商品への応用、セルフケアや生活習慣改善などのソリューション開発などに反映させてまいります。当社は今後も関係学会や各種イベントに参加することで、研究領域においても社会貢献性の高い取り組みを推進いたします。

■研究発表の概要

 ・「日本認知・行動療法学会第44回大会」にて

包括的な心理的柔軟性を測定する尺度「AAQ-II」のほうが「WAAQ」よりもメンタルヘルス指標(抑うつ感)との相関が強く見られた一方、「WAAQ」のほうが「AAQ-II」よりも仕事のパフォーマンスとの相関が強く見られた。このことから、「WAAQ」がより職場に特有な指標の測定に有用である可能性が示された。また、属性別データからは、年齢が高くなるほど、「WAAQ」のスコアが高くなる結果が得られた。

 ・「ACT Japan 2018年度年次ミーティング」にて

年齢による回答パターンの違いが検出され、解釈の際に年齢によるスコアへの影響を考慮する必要があると示唆された。

 

・戸澤 杏奈(とざわ・あんな)

・・・臨床心理士。アドバンテッジ リスク マネジメント調査研究部 兼 組織ソリューション部。2016年に立教大学大学院現代心理学研究科を修了後、新卒で当社に入社。データ解析などを担当している。

・土屋 政雄(つちや・まさお)

・・・博士(医学)。アドバンテッジ リスク マネジメント調査研究部主任研究員。2009年に岡山大学大学院医歯薬学総合研究科を 修了後、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所を経て2017年に当社に入社。専門は産業保健心理学。監訳本に「マインドフルにいきいき働くためのトレーニングマニュアル 職場のためのACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)」がある。

■参考:仕事のパフォーマンスと心理的柔軟性の相関(***)について

画像①

画像②

 

注)

*   従来の認知行動療法を否定するものではないため、「文脈的認知行動療法」とも呼ばれる。

**  今、この瞬間に意識を向け、思考や感情にとらわれることなく、自分自身が大切にしたいことに向かって取り組む力

***WAAQはスコアが高いほど心理的柔軟性がよい状態を示すのに対して、AAQ-IIはスコアが高いほど心理的柔軟性が悪い状態を示す。

■共同研究者:立教大学現代心理学部心理学科 松永美希准教授の研究テーマについて

心の健康の維持・増進について認知行動療法の立場から研究を進めている。主には、抑うつや不安のメカニズムに関する研究、心理的ストレスに関する研究、ACT を含む認知行動療法の効果に関する研究など。勤労者に関する研究としては、新任教師に おけるストレス(リアリティ・ショック)のメカニズムの解明とその支援方法としての認知行動療法の活用や、中小企業経営者のストレスマネイジメントに関する調査研究などを行っている。 

本件に関するお問い合わせ先

株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメントhttps://www.armg.jp
(取材・広報に関して)経営企画部 : 小林 幸子   TEL:03-5794-3890/pr-info@armg.jp